過去の日記

2018/12/12(Wed)
帰ってきたけんちくの手帖


昨日の夜はコモンカフェでの「帰ってきたけんちくの手帖」に参加。
2004年から2010年にかけて24回開催された、
建築やまちづくりについてのトークセッションのゲストが
一堂に会して当時を振り返り、近況を報告するイベントです。
http://kanotetsuya.com/kenchiku-no-techo-2018/

みなさんその後、本を出したり活動の場を広げたりされていて、
このイベントの果たした役割を再認識できました。
僕は今翻訳に取り組んでいる「The Divided City」の
話をさせてもらいました。


2018/12/10(Mon)


ということで、大阪に戻っています。
基本的にはグランフロント大阪の都市魅力研究室で
アメリカの都市について研究を深めているはずですが、
時々いろんな場所に現れるかと。


2018/12/07(土)
博覧強記の夕べ/マチ会議


大阪滞在中に、定例の2つのサロンを開催します。
「博覧強記」では、僕は現在翻訳に取り組んでいる
「THE DIVIDED CITY」ほか、最近ハーバードで話題の本を紹介します。
会場はコモンカフェで、カウンターではうちの息子が
コーヒーを淹れています。

「マチ会議」はいつも通りグランフロント・都市魅力研究室で。
僕は訪ね歩いたマサチューセッツ州の街の話をします。

【博覧強記の夕べ】
 面白かった本を紹介するサロンです。ジャンルは不問。
 12月17日(月)19:30〜22:00頃 @中崎町コモンカフェ
 *当日は持ち寄りパーティ形式となります
 http://talkin-about.com/?page_id=68

【マチ会議】
 マチの魅力とは、なんだろう?
 訪れたくなる、住みたくなり、働きたくなるまちには、
 何があるんだろう?
 そんなテーマで、自由に話し合います。
 1月9日(水)19:00〜21:00頃 @都市魅力研究室
 http://www.toshimiryoku.jp/access.html


興味ありましたら、お気軽にご参加ください(参加無料)。


2018/12/06(Thu)
ハーバードケネディスクールの秋学期が終了


ハーバードケネディスクールの秋学期が終わりました。

僕はフェローなので、単位や学位は取れないけれど、
聴講することはできるというお気楽な立場で、
半分位しか分からない講義を聞き続けていました。
今はようやく8割ぐらい分かるようになってきました。

一番お世話になったのは、ジェームズ・カラス教授。
アメリカの都市政策の立案についての講義で、
国内の住宅政策、都市開発・活性化政策について、
これまでの経緯と現状認識を得ることができました。
https://www.hks.harvard.edu/faculty/james-carras

アメリカは人種差別の問題がいまだに深刻で、
ジェントリフィケーションのために住宅難という、
基本的人権を脅かす状況が目の前にあるのですが、
ポリシーメーカーはそうした状況の中で、
あくまでも社会的正義を追求しなければならない、
という強い意志を感じることができました。
最期に「つながるカフェ」の本をお渡ししてお礼を言いました。


また感動的だったのは、リカルド・ハウスマン教授の、
"Why are so many countries poor, volatile and unequal"
(なぜ多くの国々は貧しく、不安定で、不平等なのか)。

ハウスマン教授は、世界中の国々は何を輸出し、
何を輸入しているかのデータを数十年分集めて、
それぞれの国が何を作り、輸出できるようになったのか、
あるいは鉱物資源や原材料を輸出するだけだったのか、
その結果、それぞれの国にどんな産業と、
それにまつわる知識と人材の蓄積があるのかを見ています。
http://atlas.cid.harvard.edu/

豊かな国は、一人一人が別の知識を獲得し、
それをスクラブルゲームのように組み合わせて
多くの単語を作っていくように多様性を獲得していく
貧しい国は、みんなが同じ知識を獲得するために、
どの国でも作れる、短く種類の限られた単語のような製品しか作れない、
そして今作れないものをどうやって作れるようになるかに
豊かな国に至る道筋のヒントがある、というのが、
ハウスマン教授が語るエッセンスですが、
その講義を受講しているのが世界中の国の人たちで、
ガーナやベネズエラやアルバニアには何が必要かを
その国の人が必死になって聞いている姿が印象的でした。

最終講義では、世界の国々の状況を変えるのは君たちで、
そのために必要な考え方はこうだ、という話をされました。
終了後にはスタンディングオベーションが起きていました。
僕ですら少しウルっときました。

日本ではなかなか得られない、学びの機会でした。
そして長い冬休みです。僕はあさってボストンを発ちます。


2018/12/03(Mon)
帰ってきた、けんちくの手帖
僕は12/10(月)から来年1/14(月祝)まで大阪に戻るのですが、
12/11(火)夜にはコモンカフェで開催される、
『帰ってきた、けんちくの手帖』に出席します。
2004年から2010年までの6年間に24回開催された
「けんちくの手帖」というイベントのリバイバルです。

『(仮)帰ってきた、けんちくの手帖』
・日時:2018年12月11日 18時30分開場、19時00分開演
・会場:Common Cafe 大阪市北区中崎西1-1-6吉村ビルB1F
・入場料:2000円(ワンドリンク、けんちくの手帖記録本ブックレット付)
過去ゲストで出演された方は入場料無料とします。ブックレットも進呈いたします。
http://kanotetsuya.com/kenchiku-no-techo-2018/

興味ありましたら、ぜひお運びください。
上のリンクの中に参加申し込みフォームがあります。


2018/12/03(Mon)
Northmapton vs Holyoke


マサチューセッツ州スプリングフィールドから北に
コネティカット川をさかのぼるように北上すると、
ホールヨークとノーサンプトンという町が続いて現れます。

どちらも川が曲流する内側にあり、人口規模も
ホールヨーク市が4万人、ノーサンプトン市が3万人弱と、
似たような感じなのですが、行ってみると、
「551のある時」と「ない時」ぐらい歴然と違います。
「ある時」がノーサンプトン、「ない時」がホールヨークです。

ホールヨークはコネティカット川の水力を利用して
紙を作っていた工場町で、19世紀にはアメリカの紙の
8割がここで生産されていましたが、その後衰退します。

ノーサンプトンには主要産業がありませんでしたが、
19世紀半ばにスミス大学がこの地で創設され、
その後名門女子大として全国に名を轟かせるようになりました。

ホールヨーク郊外には戦後、
コミュニティカレッジが創設されました。
これは2年制大学で、ここから別の4年制大学に
編入が可能なので、少ない費用で学位が取れるという
メリットがあるのですが、そうなるとおそらく、
裕福ではない家庭の子が通う学校になるのでしょう。

ノーサンプトンにも衰退は訪れましたが、
製造業の町ではなかったため、その影響は間接的でした。
1981年にLGBTパレードが始められたことで、
レズビアンやゲイの人たちが移住してくる町になりました。
95年からはアートフェスティバルも開かれるようになり、
文化的再生を果たしています。

人口構成をみると、
ノーサンプトンの白人88%、ヒスパニック7%に対し
ホールヨークは白人43%、ヒスパニック50%となっています。

アメリカにおける都市の再生と衰退とは、
だいたいこんな様相を呈しています。


2018/12/03(Mon)
@ NETA, in Northampton


マサチューセッツ州では2016年に、
少量のマリファナ所持と栽培の合法化が、
住民投票で可決していますが、2週間ほど前に、
合法的にマリファナを販売するショップが2軒登場しました。
https://www.boston.com/news/local-news/2018/11/16/massachusetts-marijuana-dispensary-opening

そのうちの1軒が、スプリングフィールドにほど近い
ノーサンプトンという町にできていたので、
ミスター・ジョンと一緒に冷やかしに行ってみました。
入口は医療用と娯楽用の2つに分かれ、
小雪が舞う中、多くの人が並んでいました。
もちろん買いに行ったわけではありませんが、
店内に入るのも難しいほどの人気です。

さて、これはどういう現象なのか、ということですが…

現在、アメリカにはcriminal record(犯罪歴)を持つ人が7千万人います。
これはアメリカの大人の3分の1に当たります。
https://www.politifact.com/new-york/statements/2017/aug/18/andrew-cuomo/yes-one-three-us-adults-have-criminal-record/

上の記事にあるように、この数字は有罪判決を受けた
人の数ではなく、逮捕された人の数です。
ここに、少量の麻薬所持というのが結構な割合で
含まれているようです。

2010年時点で、12歳以上のマサチューセッツ州住人の
約16%が過去にマリファナを使ったことがあるようですが、
それで逮捕されてcriminal recordがついてしまうと、
まっとうに就職できなくなる可能性があるなど
大きな不利益を被るため、それなら他の犯罪や事故に
つながらないよう十分に注意しながら合法化しよう、
そして栽培や販売による利益がブラックマネーではなく、
地域経済を潤し、州政府にも税収が入るまっとうな収入に
なるようにしよう、というのがその思想です。
https://en.wikipedia.org/wiki/Cannabis_in_Massachusetts

つまり、社会的正義と経済効果という観点から
合法化が実現した、というわけです。
話としては分かりますが、それがよく通ったなぁ、という感じです。
ちなみに娯楽用の使用までを合法化している州は10州、
医療用を合法化している州は33州あるようです。

そんな時事ネタでした。


2018/12/02(Sun)
Walkin'About@Springfield(2)


スプリングフィールドでは方角を間違って、
北北西の住宅街を進んでいきました。
荒廃している方の近隣地区(Neighborhood)です。

メインストリートという通りに出ると、
そこにはヒスパニック系のお店が並び、
通りから聞こえてくるのはスペイン語です。

ありがたいことみ、ミスター・ジョンは
僕と同じようにこういう街を楽しむ人で、
気さくに人に話しかけるので、思わぬ話が聞けたりします。

街角にあるギフト&ジュエリーショップに入ると、
女性用の化粧品、安価な指輪やネックレスなどとともに、
いろんな日用必需品を売っていました。

店主の女性が、こちらから聞くよりも早く、
「うちはもう25年。お店を続けていくのは大変。」
と言うと、ミスター・ジョンは、
「近隣の人たちが求めるものを、どんどん扱うようになったようだね」
と、このお店の本質を一瞬で見抜いていました。

このお店を外から見ると、「CHECK CASHING」と、
「NOTARY PUBLIC」という文字が見えます。
「チェックキャッシング」は小切手を現金化するサービスで、
銀行口座を作れない不法滞在の移民が現金を得たり、
自国に送金したりするのに使うそうです。
そして「ノータリーパブリック」は「公証人」で、
ある書類にサインした人が実在するのか、
その人本人が強制されることなくサインしたかを
保証する人やサービスのことを言うようです。

このお店にはプエルトリコの旗がかかっていますが、
まさに、面倒見のいいおばちゃんが、
近隣地区の同郷の移民たちのニーズに応えていくうちに
「何でも屋」化していったお店の典型のようでした。

実はもと弁護士のミスター・ジョンは、
こういう角度から街を読み解く見巧者だということが、
徐々に分かってきました。


2018/12/01(Sat)
Walkin'About@Springfield(1)


昨日は、近所のカフェ「barismo」で仲良くなった
ミスター・ジョンの運転のもと、スプリングフィールドへ。
ボストンから90マイル(140km)西にある街で、
車でも1時間半かかります。2人旅なので、
長旅になるとそれだけ英語を長く喋ることになり、
愉しみとともに鍛錬の場にもなりました。

スプリングフィールドは18世紀後半以降、
ライフル銃や拳銃を中心とした武器・弾薬生産で
発展を続けてきた街です。他の製造業都市同様に、
現在は本来の製造業はしんどくなっていますが、
ボストンとニューヨークへの近接性を活かした物流や、
医療センター、大学などが主要な雇用主として
地域の経済を支えています。

町の中心にあるユニオン・ステーションは、
とてもきれいな駅で、長距離バス乗り場や駐車場も隣接させ、
とても機能的にできていました。

帰ってから調べて分かったことですが、
この駅は1851年に生まれ、1926年に四代目の駅が華々しく登場するも、
58年にすぐそばに開通した州間高速道路によって乗降客の半分を失い、
駅舎は70年にニューヨークのディベロッパーに売られ、
73年に閉鎖されています。

ですが、この駅舎を復活させた大立者がいました。
73年に市長秘書となった25歳のリチャード・E・ニールは、
この駅舎を再生させたいという強い思いを持ち、
83年にはスプリングフィールド市長になり、
市民や経済界、メディアの人たちと一緒に
成功している鉄道駅再生事例を調べて全国を回っています。

88年にニールは連邦議会議員となりましたが、
彼は夢を忘れることなく、今度は連邦政府や州の予算を
駅舎再生に向けるための活動を積極的に行います。
彼の長年の取り組みにより、数千万ドルもの資金調達が成功し、
2012に新駅舎建設が着工、16年末に完成しています。
https://www.springfieldunionstation.com/about/history/

だから駅がこんなにきれいで合理的だったんですね。
不屈の精神で市民のための施設を完成させたというイストワールは、
大阪港の築港に尽力した西村捨三氏を思わせます。
これは十分にドラマの題材になりそうだなと。

とはいえ、アムトラックの運行本数は多くなく、
長距離バスステーションと一体開発されたことで、
鉄道とバスは競合しつつこの街の利便性を高めています。
今年6月には、アムトラックの間を埋めるように、
スプリングフィールドから南に、コネティカット州
ニューヘイブンをつなぐハートフォードラインが開設されています。
https://www.courant.com/news/connecticut/hc-news-hartford-line-things-to-know-20180531-story.html

そしてマサチューセッツ州が進めるゲートウェイシティでは、
交通接続性の向上を背景に、駅周辺の空き物件への投資を促しています。
http://www.nepr.net/post/study-examines-potential-springfield-mass-transit-attract-investment#stream/0

こうした都市再生の取り組みが今後どう身を結ぶのか、
ウオッチし続けたいと思います。


2018/11/26(Mon)
Walkin'Abour@Philly(5)


スプリング・ガーデン・ストリートを西に戻ると、
空き地が多く、荒廃した雰囲気が漂っています。
昼食はそこにあったホンジュラス料理店で取りました。 
ホンジュラスは、今大きな話題になっている、
アメリカとメキシコの国境に向かっている移民達の
出発地の一つです。

ここからまっすぐ南に下ると、チャイナタウンがあります。
ボストンのチャイナタウンよりも活気があります。
街の生活がリアルに生活に根差している感じで。
スーパーに入ってみると、他では手に入らなさそうな
中国の食材が並び、中にはアジア人しかいませんでした。

今回行けませんでしたが、ここから南に行くとイタリア人、
さらにその南にはカンボジア人、ベトナム人、
インドネシア人のコロニーが存在するようです。

アメリカの都市には、こうしたエスニック・モザイクが、
わかりやすく見られて僕なんかには面白いのですが、
それが豊かな方の都市再生のモデルではなく、
またその多様性がうまく活かされていないのが
もったいないなと思って見ています(おわり)。

Going back along Spring Garden St. to the west, you’ll see lots of vacant lots and feel devastated atmosphere. I had lunch in a Honduran restaurant. Honduras is one of the countries from where migrants, now becoming the issue, are heading for the border between U.S. and Mexico.
Going to south from there, you’ll get to Chinatown. It seems more vibrant than that of Boston, feeling that people’s daily lives were really rooted to the town.
In the supermarket, there were many kinds of Chinese ingredients which you could hardly get in other places, and all patrons were Asian.
Though I couldn’t step in, there seems to be the colony of Italians if you go to the south, and Cambodian, Vietnamese, Indonesian colonies further south.
We can see such ethnic mosaics which reflect their history of immigration in American cities and that’s the point for me. While, I think it’s regretful that these mosaics are not regarded as the exemplification of urban revival and not utilized their diversity effectively.(The End)




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