過去の日記 51

2011/05/11(水)
萌えおこしの可能性







4/26(火)にアイスポットで行った御堂筋Talkin'About
「萌えおこしの可能性」には、33名もの方に
お越しいただきました。

大阪ガスの後輩・谷島君の話題提供に
行政のコンテンツ事業担当者から
地下アイドルまでが集う
不思議な集まりになりました。

大阪市都市工学情報センターの紀本さんが
「大阪のまちづくりぶろぐ」に当日のレポートを
アップして下さっています。
http://blog.goo.ne.jp/cite-osaka/e/0d410b879189a91b706877230f17b4c5

行政が二次元キャラを活用して
地域活性化に取り組むことについて
違和感を感じる、という声もありました。
これはよく分かります。

「人が集まる」のと「人を集める」のは大違いで
「集める」ならコンテンツに対する愛情も覚悟も必要。
それがないなら、止したほうがいい。

なかなか貴重な視点を得られた回でした。


2011/05/10(火)
六甲山の日とグルーム祭
六甲山上では27年前から、6月の第1日曜に
「グルーム祭」というイベントが開催されています。

いわば夏山びらきのセレモニーで
安全祈願やかがみ割りやかき氷作りや
ハイキングイベントなどが行われています。
これが今年は、5日(日)に記念碑台で開催されます。
http://www.rokkosan.com/cable/event/20110408_1705/

一方、6月5日が「六甲山の日」と定められたのは5年前。
去年は「六甲山サミット」が開催され僕も出ましたが
今年は天覧台で「ワークショップフリマ」が開催されます。
http://blog.canpan.info/wenskobe/archive/302

いわば“ワークショップに特化したリュックサックマーケット”です。

出展料が無料というのも魅力ですが
従来は別々に開催されていた
「六甲山の日イベント」と「グルーム祭」が
今年は同日に開催されるため、六甲山上の活性化に
かかわる方々が一堂に集まります。
これはいろんなプロジェクトを一気に進める意味でも
面白いのではと。

僕も当日、会場にいます。
興味ありましたら、ご参加ください。


2011/05/09(月)
仙台の演劇事情
今日の夜は、野江にあるアトリエS-paceへ。
今回の震災のチャリティイベントとして企画された
「裸の劇場2011」の公演と、アフタートークを観に。
http://atelier-s-pace.seesaa.net/?1300944777

アフタートークには、仙台市で活動する
演劇プロデューサーの森忠治さん(トライポッド)
が出演されました。
http://www.bookshelf.cc/tripod/2005/07/01/

僕は3月12日に、せんだいメディアテークで
「劇都仙台のこれから」というシンポジウムに
出る予定でしたが、呼んでいただいていたのが
森さんでした。

僕は前日11日に秋田市に入りそこで震災に遭い
仙台の状況がよく掴めないままに帰阪して
その後やり取りはできたものの
きちんとお会いしてお話しするのは
今日が初めてでした。


仙台は、結構演劇が盛んな土地で
IQ150や三角フラスコなど、有名な劇団もあります。
劇場はだいたい公立ですが、今回の震災で設備が傷み
使えなくなっているところがほとんどだそうです。
そのため仙台の劇団は、活動の場を失っているそうです。

(12日にシンポジウムが行われる予定だった会場は
 天井が落ちたそうで、開催が前日だったら
 大変なことになっていたところでした。)

今回の震災では、9割の方が津波で亡くなっていて
津波が来た土地とそうでない土地とでは状況がまるで違い
また人によっても、家を失い避難所で生活する方、
家族を亡くされた方、知人を亡くされた方と
被害の状況が違うそうです。

森さんは、震災直後から仙台の演劇人の安否確認などで
精力的に動いておられたのですが、実はご自身が
津波で両親を亡くしておられます。

 仙台の人たちはみな、あの3分間の震災を
 臨死体験のようなものとして、ひとしく経験しました。
 表現者には、このリアルを超える作品を
 創り出すことが求められます。

 今後復興が進んでいく中で、ドラマの力が
 必要になる時が、きっとやって来るでしょう。
 そのためにも、演劇ができる状況を
 一刻も早く取り戻さないといけないと思っています。


また震災直後に「裸の劇場」の開催を決め
1ヵ月半もの間、チャリティ公演を続ける
アトリエS-paceの関川さんは、

 行政に頼って助成金をもらうとか
 会議を重ねて事を決めていくとかしていると
 スピーディーに動くことができない。
 自分の劇場だからこそ、自分で決めればすぐにできる。


そして自分にできること、すべきことは何なのか?
そのことを改めて、問い直しています。


2011/05/08(日)
On The Hill








6日は、Common Bar SINGLESを始めて
ちょうど10年になるのを記念し、
扇町公園の丘の上で飲みました。

僕がシングルズを引き継ぐ前
店主のキムさんがやっていた「扇町キャンプ」。

扇町公園に、好きな音源一つと食べ物一つを
持ち寄って、音楽をかけながらお酒を飲むイベントで、
そこには常連客を中心に、いろんな人が出入りして、
ヒッピーの集会のような雰囲気を醸し出していました。

いろんな人が集まり、ゆるやかにつながる場。
そこに身を置いたからこそ、サラリーマンの分際で
お店を引き継ぐという、あり得ない決断をしたのですが、
その原点に立ち戻ろうというのが今回の趣旨でした。

日記でつぶやいただけで
真面目に告知をしなかったのですが
多くの方にお集まりいただき、夜遅くまで飲み耽りました。

お越しいただいたみなさま、ありがとうございました!


2011/05/06(金)
デザインプロデュース型の商品開発を支援する








大阪府では今年から、デザインを活用した高付加価値の
商品・サービスを市場に投入したい中小企業を対象に、
企画・開発段階から 流通・販売に至るまでを包括した
商品開発プロジェクトに助成を行い、併せて専門家による
サポートを行います。

デザインプロデュース型商品開発促進事業
http://www.pref.osaka.jp/mono/oidc/produce.html

この事業の、統括コーディネーターを仰せつかりました。


事業の趣旨を、もう少しひらたく書きます。


80年代後半から進んだ生産拠点の海外シフトにより、
国内製造業は空洞化。下請け型のものづくりをしてきた
中小製造業は、新たな受託先を見つけるか、または、
自社製品を開発、新たな販路を見つけるかという
選択を迫られるようになりました。

そこで期待されたのは、デザインの活用です。
「ものづくりとデザインの融合による世界ブランドの創出」
といった標語が掲げられ、中小製造業とデザイナーとの
マッチングを行い、商品開発をサポートするといった
デザイン振興施策が図られてきました。

ところで、商品を開発して市場投入するにあたっては、
企画・開発段階で十分なマーケティングを行う、
開発した商品を売る販路を開拓する、
効果的なプロモーションを行う、といった動き全体を
コントロールする必要があります。

今回の事業の画期的な点は、外部デザイナーだけでなく
プロジェクト全体の推進を担う外部プロデューサーに
業務を委託するに当たって、大阪府が助成することにした
という点にあります。

そして僕の役割は、助成を受けた企業が、外部の人的資源を
活用しつつプロジェクトを進める状況をウォッチし
適宜アドバイスをする、という役割です。


来る5/23(月)には、同事業の説明会と
キックオフセミナーが開催されます。
http://www.pref.osaka.jp/mono/oidc/produce.html

事業申請の主体として想定されているのは、
実際にリスクを負って商品開発を行なう中小企業ですが
デザイナー側からクライアント企業に提案いただき
連携して応募いただくこともできますので
そうした案件をお持ちの方は、ひとつご検討ください。


2011/05/05(木)
『明かしえぬ共同体』を読む








3月の江弘毅さんとのレヴィナス談義の時に
「次回はブランショでいきましょう」と決まったことで
ここ1ヶ月ほどの間、予備知識ゼロの状態から
研究を進めています。


モーリス・ブランショは、『明かしえぬ共同体』(1983)において
<共同体>というテーマを論じるにあたって
二つの話題を取り上げています。

一つは、ジョルジュ・バタイユが1930年代に、
政治や文学の周辺に形成されたいくつかのグループの
うちに求めて見失い、孤独な内的体験の探求のうちに
むしろ失うという形で見出した<共同体>。

もうひとつは、マルグリット・デュラスが『死の病い』に
おいて描いた奇妙な男女の不可能な愛の世界です。

そしてこの本は、全体としては、
ジャン・リュック・ナンシーの『無為の共同体』(1982)に
呼応する形で書かれています。


なので、『明かしえぬ共同体』をちゃんと理解するには、
バタイユ、デュラス、ナンシーの著作も読み込まないと
いけないのですが、さらに彼と同時代に生き、深い影響を与えた
レヴィナス、バルト、デリダらが共有していた
フランス現代思想ののエクリチュールを理解していないと
読みこなせないのです。

そのことに、開催を決めた後に気づきました...


なので今回のサロンは、「教える」というスタンスではなく、
「一緒に考える」というスタンスでいこうと思います。

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モーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』を読む

ナビゲーター:江弘毅(140B)×山納 洋(common cafe)
5月24日(火)19:30−21:30 @common cafe
参加料:500円(1ドリンク付)

お申込みはこちら

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このGWは、難解な本ばかり読んで過ごしています。
こういう時期も人生には必要かと腹をくくりつつ。



2011/05/02(月)
MC研究会
夕方にコモンカフェに寄り、食事をしながら
ネリキッチンのネリさんと、お手伝いのなおちゃん、
歌手のヨーコさんと喋っている間に、

“人前で喋るのって、苦手”

という話になりました。

そういえば僕もそうだったのですが
扇町Talkin'Aboutで喋ったり司会したりを
何百回も繰り返している間に
何百人を前にしても緊張せずに
喋れるようになっていました。

たぶん、場数を踏めば誰でもそこそこ
喋れるようになると思うのですが
普通の人が場数を踏む場所って
世の中にあまりないですよね。

話し方教室に行ってもいい金額を取られて
早口言葉やイントネーションを教わっていたりするし。

じゃあ、集まったメンバーが、
誰かにメソッドを教わるのではなく
定期的に集まって、自己紹介をしたり、
最近あったことを話したり、笑いを取りに行ったり、
伝えたいことを喋ってみたりといった場数を踏みつつ、
自分のメソッドを見つけるための「研究会」を
作ってみては、という話になりました。

名付けて「MC研究会」。
突然ですが、第1回を、5/23(月)19時より
コモンカフェにて開催してみます。

参加料は無料。
お茶とお菓子(またはお食事)を
ご注文いただく形で、と考えています。

第1回目は、僕も参加しますが、
そのうちに自主的に集まるサークルのようにでもなればと。

興味ありましたら、覗いてみてください。


2011/05/01(日)
扇町キャンプ







阪急上新庄駅の程近くにある「だるまや」。

駅前でばったり出会った波平とマス夫が
「ちょっと行こうか」「いいですねえ」
と立ち寄りそうなこの居酒屋に
大学での講義の後に、入ろうか入るまいかと
かなり考えた末に足を踏み入れました。

胃の調子が悪く、1ヶ月ほどお酒を抜いていて
こういう局面で及び腰になっていたのですが
数日前からなぜか体調が回復していて
ここは攻めなければいけないだろうと。

カウンターのみ5席の、小さなお店です。
20代でお店を始めてもう42年になるという
女店主と常連さんとの会話は、堂に入っています。

ビール1本か2本で帰ろうと思っていましたが
お店の雰囲気がとても心地良くて
ああこういう酒場がまだ健在なんだと嬉しくなり
ついつい深酒をしてしまいました。


さて、そんな感じに体調も整ったところで
5月6日には、扇町公園の丘の上で、
ひっそりとお酒を飲むという
個人的なお店10周年イベントを開催いたします。

スタートは、6時半頃に。
積極的に告知をしていないので
あまり人は来ないかと思いますが
「扇町キャンプ」の雰囲気を味わいたい人は
お酒や食べ物を持ってお集まりください。


2011/04/13(水)
次回の「博覧強記の夕べ」は4/19(火)です
大震災から一ヶ月が経ちました。

個人的に思うところが多いのですが
立場上書きにくいことも多々あり
引き続き沈黙していようと思います。

さて、次回の「博覧強記の夕べ」ですが
当初の予定を個人的都合により変更させていただき
4/19(火)19:30〜@淀屋橋DINGHYにて開催いたします。

20(水)でご予定いただいていたみなさま、
すみませんが、予定の変更をお願いいたします...


2011/04/05(火)
アイスポットの可能性
さて、遅くなりましたが、3/30(水)に
アイスポットにて開催いたしました
御堂筋Talkin'About「大阪のお土産」
好評のうちに終了いたしました。

参加者は34名。
2時間=120分をこの人数で割ると
一人あたま4分弱しかないというのが
心苦しいところでした...

この回のレポートは、CITE紀本さんによる
「大阪のまちづくりブログ」に掲載されています。
http://blog.goo.ne.jp/cite-osaka/e/3eeeac1a3140f49f067b189ab02b4dea


そして次回ですが、

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

御堂筋Talkin’About in アイ・スポット vol.4

「萌えおこしの可能性」

2011年4月26日(火)7:00p.m.〜9:00p.m.
場所:アイ・スポット(淀屋橋ODONA2F) 
参加料:無 料

話題提供:  谷島 雄一郎(大阪ガス)
ナビゲーター:生駒 伸夫(生駒ビルヂングオーナー)
       小川 清(平岡珈琲店店主)
       山納 洋(大阪ガス)

今回のテーマは「萌えおこし」。
アニメや漫画、ゲームの中で描かれた「萌えキャラクター」や
作品を資源ととらえ、まちおこしに活用する「萌えおこし」について、
事例をレポートいただき、その可能性について考えます。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

僕と同じ部署の谷島君が「萌えおこし」について
かなり詳しくリサーチしていて面白いので
彼の話をきっかけに、関係者を含めた多くの方々に
大阪での可能性について、話し合っていただこうかと。


そしてもう一つ、情報です。

この4月より、アイスポットの運営を
現在「月刊島民中之島」「大阪人」の編集にあたり
「ナカノシマ大学」の運営も精力的に行なっている
株式会社140Bが行なうことになりました。

この場所は、もともと愛日小学校跡地を開発する際に
大阪のまちづくりに資する情報発信拠点として
大阪市が設置したものです。
http://www.city.osaka.lg.jp/keikakuchosei/page/0000018184.html

おそらく今後、その趣旨を高度に実現する場として
機能していくことでしょう。
こうした趣旨にかなう事業がありましたら
ぜひご提案ください。


2011/04/01(金)
common cafe7周年と







さて、本日、common cafeが
7周年を迎えました。

大阪ガスに戻ってちょうど1年。
どうにか続けられています。

そして来る5月6日には
僕がCommon Bar SINGLESをはじめて
ちょうど10年になります。

日々がイベントのようなので
周年にイベントをするということは
基本的にしないのですが、5月6日は、
昔を懐かしんで、扇町公園の丘の上で、
ひっそりとお酒を飲むという
個人的なイベントをすることにします。


2011/03/30(水)
レヴィナス談義







レヴィナス談義、さきほど終わりました。

江さんは、今回の内田センセイの本2冊とも
どこに何が書いてあるか覚えているほど
読み込んでおられ、それを自身の解釈を交えて
分かりやすく話していただいたので
僕も聞いていて面白かったです。

実は4月から大学で教える仕事があり
このシリーズは今回で一段落と思っていたのですが
場の勢いで、次回が決まりました。


モーリス・ブランショ『明かしえぬ共同体』を読む

ナビゲーター:江弘毅(140B)×山納 洋(common cafe)
5月24日(火)19:30−21:30 @common cafe

また追って詳しく告知します。
そして本日30日19:00-「大阪のお土産」@アイスポットです。


2011/03/27(日)
他者をめぐる冒険
江さんとのレヴィナス談義が、あと2日と迫りました。
http://www.talkin-about.com/cafelog/?itemid=1260

内田樹さんの「レヴィナスと愛の現象学」
「他者と死者―ラカンによるレヴィナス」を
3回ずつ読み、今資料をまとめつつあります。


 パロールについて偉大な思想家たちが教えることは
 ほとんど寸分も変わらない。それは、聴き取る用意のある者、
 外部から到来することばを解そうと欲望する者の耳にだけ、
 ことばは届く、ということである。


あらかじめ意味があって、それを理解するのではなく
伝えようとする欲望と、聴き取ろうとする欲望が
交錯するその瞬間に、意味が生成される。


 テクストを読むとき、読み手はどこかで「私」であることを
 止めて、テクストに固有の「知の周波数」に同調してしまう
 ときがある。そのときの状態は「テクストを私が読んでいる」
 というよりは、「テクストに沿って私自身が分節されている」
 というのに近い。


自分の了解可能な「他我」としてではなく
了解不能な「他者」として出会った思想と、
いつの間にか想像的に一体化していく。

こんな感じの話に、なりそうです。


2011/03/22(火)
加藤文太郎になる







今晩のコモンカフェでの
石原正一さんの「ヨミすぎ!」では
参加者8名で、二人芝居である『山の声』を
リレーで読み進んでいただきました。

今回、僕にも出番が回ってきました。
登山者1、加藤文太郎の役です。

人前でセリフを読んだり演技をしたりすることへの
心理的な壁はあいかわらずあるのですが
ずっと観たり聴いたりしてきた芝居なので
案外スムーズに入れました。

この作品を、後世に語り継がれる作品にするには
誰かに演じてもらって観たり聴いたりするだけでなく
多くの人が、自分で読んだり演じたりするのが早い。

前にも書いたこの方法のビジョンが
自分の中で、徐々に具体的になってきました。

石原さん、ありがとうございました!


2011/03/20(日)
秋田のイストワール
秋田市はもともと秋田藩の城下町で
千秋公園(久保田城跡)の周りは武家屋敷
旭川を渡った西側は商業の街となっていましたが
そのさらに西側には、寺院が立ち並ぶ寺町があります。
http://ameblo.jp/akitacityblog03/entry-10731736698.html

立ち並ぶ寺院には、日蓮宗、真宗大谷派・時宗など、
救済仏教の色合いの強い宗派が目立ち、敷地内には
多くのお墓が立ち並んでいます。
あたりには静謐な空気が漂っていて
京都や奈良のお寺とは雰囲気が違います。

あるお墓の門のところに、こんな句が書かれていました。

 たちならぶ 三世の仏を ながむれば 
 苦しみのみぞ まさるみすがた

あとで調べてみると、この地においては、
多くの人が不幸な亡くなり方をした歴史がある
ということが分かりました。

天保年間(1830年代)には冷害のため
五年続けて不作となり、秋田藩40万の人口のうち
10万人が飢えにより亡くなったと云われています。
http://www.pref.akita.jp/fpd/taiko.edo/edo-07.htm

東北地方では、こうした悲しみの歴史が
繰り返されてきたと知るにつれ
その悲しみを乗り越えるために何ができるだろう
と考えるようになりました。


秋田では1829年に「感恩講」という
民営による窮民・孤児救済機関が
日本ではじめて誕生しています。

興したのは、秋田藩の御用商人・
那波祐生(なば・すけなり)。

火事により邸宅その他一切を失い
貧困のうちに成長した祐生は、たび重なる凶作と
飢餓により生活に困窮する町民を救済するため
献金を募り、その金銀で農地を買い入れ、
そこから上がる年貢収入で、平年は貧民を救済し、
凶作の年には飢餓に苦しむ人たちを助けました。
http://20century.blog2.fc2.com/blog-entry-48.html

この話、秋田の人でも知る人は多くないそうです。

こうした歴史=物語が、地域の心の支えになり
さらに今の時代の新たな動きを鼓舞する。

そういう可能性のことを、考えています。


2011/03/20(日)
『山の声』を逃したみなさまへ
ということで、ラジオドラマ『山の声』
お楽しみいただけましたでしょうか?

土曜のゴールデンタイムに1時間半ラジオを聴く
というのは、普通の行動パターンではありませんよね。
そしてラジオは、不在時の録音となると
テレビよりもはるかにハードルが高い。

そのうちに再放送されるのではと思いますが
4/11(月)夜に僕がコモンカフェに入るので
午後8時から9時半まで流そうと思っています。
入場無料、1ドリンクご注文、という感じで。

来られる際には、ハンカチをお忘れなきように。

また3/22(火)午後7時半からの、
石原正一さんの「ヨミすぎ!」では
参加いただく方に『山の声』を読んでいただきます。
長ゼリフが多いですが、ぜひ挑んでみてください。
http://www.talkin-about.com/cafelog/?itemid=1242

さらに6月には、神戸学院大学において
くじら企画による『山の声』』(出演:戎屋海老・村尾オサム)
の再演が行なわれます。
1ステージのみ、入場無料で、学外の方でも入れるそうです。

このページでそのうちに告知されると思います。
今度こそ、お見逃しなきように。 
http://www.kobegakuin.ac.jp/student-life/green.html


2011/03/19(土)
秋田最前線








秋田滞在中に、面白い活動をしている
若い人たちにお会いしました。

「アキタ朝大学」という勉強会を
1年前からはじめた金澤太郎さん。
これまでに13回開催、twitterとweb、メールのみの告知で
のべ400人以上を集めています。
http://taroloves2eat.blog70.fc2.com/

 これをやっていたら安泰というものがない時代に
 若い人が地方で生きていくのは、なかなか難しい。
 自分はこれから何に打ち込んでいけばいいのか。
 上の世代の人に経験則でアドバイスをもらっても
 自分たちにあてはまらない。
 同じような世代の人たちが集まって話してみる
 そういう場所がこれまでなかったので、勉強会を始めた。

地域にある資源を再発見し、そこにデザインを加え、
事業や商品、仕組みを生み出そうとしている
「casane・tsumugu」の田宮慎さん。
http://www.casane-tsumugu.jp/

 以前は東京にいて、全国の商業施設の
 デザイン・プロデュースの仕事をしていたが
 「どうやって消費させるか」という流行の世界に疲れ
 デザインや企画の力を使って、もう少し地に足のついた
 ことをやりたいと考え、故郷の秋田に戻ってきた。

徳島に生まれ、高知女子大、奈良女子大大学院で
建築・文化財・地域づくりを学んだ後、秋田に移住し
秋田市教育委員会に勤めるかたわら、さまざまな
地域でのプロジェクトにかかわる平元美沙緒さん。
http://section-a.jugem.jp/ 

 秋田に来て3年。四国や関西とはいろんなことが違い
 発見が多く、とても面白い。
  
他県民だからこそ見えてくる視点を大事にして
地域づくりに活かしておられます。

写真左は、平元さんにセッティングいただき
金澤さん(左)、田宮さん(この時はまだおられず)、
平元さん(右)と、秋田駅近くにある
地球食堂bonoboでお話ししていた時の風景です。
中央は店長の牛込謙治さん。


その後、川反というやや寂れた繁華街の一角で
ギャラリー「ココラボラトリー」を運営している
笹尾千草さんにもお会いしました。
http://www.cocolab.net/

京都で学生時代を過ごし、秋田に戻ってから、
7年前にギャラリーを始めておられます。
同じビルにはいい感じの書店や珈琲屋も入り
文化的女子が集まりそうな一角を形成しています。

笹尾さん、京都時代には、扇町ミュージアムスクエアにも
よくお越しいただいていたそうです。

ただ、行ったのが震災直後で
街全体が停電し、余震も続き危険な状態だったので
十分にお話しできませんでしたが...(写真右)


あと、お会いしてはいませんが
秋田県横手市では、twitterを活用した「ヨコッター」で
地域おこしに取り組んでいる人たちがいます。
http://www.asahi.com/special/gekihen/TKY201005140589.html

横手市の情報を発信するだけでなく
誰かが「横手」とつぶやくとフォローし
案内や情報を送ったりもするそうで
「いま、横手にいます」と学生がつぶやいたところ
「じゃあ、合流しましょう」と横手の人たちが集まり
そのまま居酒屋に行った、という話もあったそうです。

また、こんなブログサイトがあります。
二〇世紀ひみつ基地 
●土地の記憶●歴史●民俗●路上観察●広告●音楽●
二〇世紀ノスタルジア・・・秋田市を中心に
http://20century.blog2.fc2.com/

これはお会いできていないどころか
地元秋田でも、誰が運営しているか分からない
謎のブロガーなのだそうです。


地方都市は実際問題として、人口も減少し
経済的に見ると衰退しつつあるのですが
まちを面白がる才能が集まれば、
できることはいろいろある。

そういう息吹を、秋田に感じました。


2011/03/17(木)
3/19(土)MBSラジオドラマ「イストワール 第1回 『山の声』」 放送について
さて、若干ヒヤッとする状況もありましたが
今後大きな環境変化がなければ、
ラジオドラマは3/19(土)に放送予定です。

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 来る3月19日(土)夜、大阪ガス提供ラジオドラマ「イストワール第1回 『山の声 〜ある登山者の追想〜』」が放送されます。

 「イストワール」とは、当社が主催する「OMS戯曲賞」の最終選考に残った劇作家が書き下ろす作品を、毎日放送のラジオドラマとして放送するシリーズ企画です。関西に実在した人物やエピソードをドラマとして取り上げ、その業績や文化的意義を伝えていくことを目的としています。

 第1回目は、登山家の加藤文太郎氏の遭難を描いたドラマ「山の声 〜ある登山者の追想〜」を放送いたします。2009年に第16回OMS戯曲賞大賞を受賞した同名の舞台劇(作:大竹野正典氏)を、今回ラジオドラマとしてお届けいたします。

 つきましては、是非多くの方に、お聴きいただければと思います。

                                記

ラジオドラマシリーズ「イストワール histoire 第1回 『山の声 〜ある登山者の追想〜』」

放 送 日 時:平成23年3月19日(土)19時30分〜21時00分
出   演:日活JOE 山本忠
音 楽 演 奏:ギター 角谷芳徳 バイオリン 西村恵一
原   作:大竹野正典
企画・制作:毎日放送ラジオ局、大阪ガス
提   供:大阪ガス


2011/03/13(日)
秋田から戻りました







さて、みなさまには多々ご心配をおかけしましたが
さきほど無事、秋田から戻りました。

僕は11(金)に、仙台市ではなく、秋田市に入りました。
秋田では震度5でしたが、被害はほとんど出ていません。
滞在しているホテルでは丸一日電気と水道が止まり
水と食糧の確保には若干苦労しましたが
現地の知人に大いに助けてもらい事無きを得ました。

テレビが見られるようになってはじめて
状況の重大さに気付きました。
亡くなられた多くの方のご冥福をお祈りいたします。


2011/03/09(水)
仙台で戯曲賞を語る
3/12(土)には、仙台でシンポジウムに出ます。

連続シンポジウム『劇都仙台のこれから』#7
『戯曲賞+演劇プロデュース公演 - 地域における戯曲賞の意義』
14時〜17時 @せんだいメディアテーク
http://www.gekito.jp/blog01/index.cgi/permalink/20110301153858

仙台市と(財)仙台市市民文化事業団では
「劇のまち戯曲賞」を4期8年続けてきましたが
今年度、仙台市からの補助金がゼロ査定となり
募集を休止しています。

そこで、これまで大阪ガスグループが17年間
続けてきた「OMS戯曲賞」の取り組みを参考に
「劇都仙台」における戯曲賞や演劇プロデュース公演に
ついて考えるというのが、趣旨だそうです。

今やっと、資料が完成しました。

なぜ再演支援金という制度を作ったり
最終選考作を語る会を開催したり
ラジオドラマという企画を始めたのかを
仙台で熱く語ってこようと思います。


2011/03/08(火)
ラジオドラマのプレスリリース
大阪ガス株式会社は、関西発の戯曲賞「OMS戯曲賞」の最終選考に残った劇作家が書き下ろすドラマを、MBSラジオ「イストワールhistoire」で放送します。
http://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2011/1192162_4332.html


2011/03/07(月)
御堂筋Talkin'About「大阪のお土産」







2/28(月)には、ODONA2階アイスポットにて
御堂筋Talkin'About「御堂筋界隈の記憶」を開催しました。
生駒さんと小川さんと僕の3人でもいいや
と思っていたのですが、
結果22名の方にご参加いただきました。

北船場界隈の近代建築ビルのオーナーが何人かおられ
昔懐かしいお話をいろいろ聞かせていただきました。

詳しくは、大阪市都市工学情報センターの紀本さんが
レポートして下さっているので、こちらをご覧ください。
http://blog.goo.ne.jp/cite-osaka/e/870386b79ebddc7f8a86a57e08a108df


次回は、3/30(水)にやります。


★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

御堂筋Talkin’About inアイ・スポット

「大阪のお土産」

2011年3月30日(水)7:00p.m.〜9:00p.m.
場所:アイ・スポット(淀屋橋ODONA2F) 
参加料:無 料

ナビゲーター:生駒 伸夫(生駒ビルヂングオーナー)
       小川 清(平岡珈琲店店主)
       山納 洋(大阪ガス)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 幾多の企業が本社ビルを連ねるオフィス街
 百貨店やブランドブティックが立ち並ぶショッピング街
 通りを一歩奥に入れば、商人の町・船場のたたずまいを残す街並み
 そして近年には住宅も増え、居住地としての発展を遂げつつある街

 そんな御堂筋界隈には、バックグラウンドの異なる多くの人たちが日々集まっています。
 そこには面白い発想を持った人、様々な知識やノウハウを持った人、新しく何かを始めたいと思っている人がいっぱいいるはずです。
 しかしながら、そうした人たちが、組織や現在のネットワークの壁を超えて出会う機会は、それほど多くはありません。

 「御堂筋Talkin’About」は、あるテーマについて興味・関心を持った人たちが集まり語り合う“サロン”です。
 思いある人たちが自由に集い、情報を交換し、ネットワークを広げ、そこから自然なかたちで新しいアイデアやコラボレーションが生まれていく、そうした場づくりを目指しています。


今回のテーマは「大阪のお土産」。
大阪に旅行や出張でやって来た人にとって、魅力的なお土産とは何か、
また大阪として知ってほしい名品・逸品は何か、などについて、集まったメンバーで話し合います。

*先着10名様には、平岡珈琲店さんご提供のコーヒーとドーナツをお楽しみいただけます。



2011/03/06(日)
レヴィナス的視点について考える。









この一年間に、社会学や哲学の本を紹介するサロンを
コモンカフェで継続的に開催してきました。

きっかけは去年、140Bの江弘毅さんとの雑談の中で
ブルデューの「文化資本」を一度きっちりやりましょう
と盛り上がったことでした。

かなりハードルの高い挑戦ではありましたが
参加いただいた方には好評価をいただきつつ
どうにか続いてきました。

江さんとのセッションは、ブルデューの後、
スティグレールと続きましたが、次回3/29(火)には
江さんの発案で、レヴィナスを取り上げることになりました。

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内田樹『レヴィナスと愛の現象学』『他者と死者 ラカンによるレヴィナス』
からレヴィナスを読む」


 ナビゲーター:江弘毅(140B)×山納洋(common cafe)
 3月29日(火)19:30−21:30 @common cafe 参加料:1500円
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エマニュエル・レヴィナス(Emmanuel Lévinas、1906-1995)
フランスのユダヤ人哲学者・タルムード学者。
リトアニアのカウナス出身。現象学や実存主義、
ユダヤ思想を背景にした独自の倫理学思想を展開した。

江さんの師匠ともいえる内田樹さんは
レヴィナスの本を数多く翻訳し、またレヴィナスの思想を
紹介する書籍を何冊か出しておられますが、
今回はその内田センセイの2冊の著書を通じて、
レヴィナス的視点について考えるというスタイルを取ります。

内田樹「レヴィナスと愛の現象学」せりか書房 2001年
内田樹「他者と死者―ラカンによるレヴィナス」海鳥社 2004年


このお題を受けて僕は、レヴィナスの「時間と他者」を読み、
「全体性と無限」にも取り掛かりましたが、
江さんが言うように“超絶的に難しい”です。

ただ、レヴィナスの難解さは、こちらに知的リソースが
足りないから解らないというよりは、あえて一つの意味に
収斂してしまわないように書いているがゆえに難解
というもののようです。


 認識するとは暴露し、命名し、それによって分類することである。パロールは一つの顔に向けて発される。認識とは対象をつかむことである。所有するとは存在を傷つけぬようにしながらその自立性を否定することである。所有は被所有物を否定しつつ生きながらえさせる。だが、顔は侵犯不能である。人間の身体のうちでもっとも裸な器官である目は、絶対的に無防備でありながら、所有されることに対して絶対的な抵抗を示す。この絶対的抵抗のなかに、殺害者を誘惑するもの−絶対的否定への誘惑−が読みとられる。他者とは殺害の誘惑をかき立てられる唯一の存在である。殺したい、しかし殺すことができない。これが顔のヴィジョンそのものを構成する。顔を見ること、それはすでに「汝殺すなかれ」の戒律に従うことである。そして「汝殺すなかれ」に従うことは「社会正義」の何たるかを理解することである。そして不可視のものたる神から私が聴きうることのすべては、このただ一つの同じ声を経由して私のもとに届いたはずなのである。
(レヴィナス『困難な自由』内田樹訳より)


この難解さを「早急に何とかしたい」と思い
レヴィナスを師と仰いで研究してきたのが
内田樹さんで、その内田センセイを通じて
レヴィナスを追いかける江さんがいます。

この師弟関係の連鎖の末席に身を置くと、何が見えてくるか
今回のサロンでは、そういうことを考えてみたいと思います。

お申込みはこちらから。


2011/03/04(金)
松山カフェ紀行(5)







27日。朝食を摂り、職場のみんなと別れてから
ふたたび三津浜・木村邸へ。

玄関の扉が開いていて、入っていくと
中島さんが一人寝ていました。
昨日のどぶロックフェスの気配が
そのまま残っていました。

起きてきた中島さんと
三津浜や木村邸の活性化の方法について
いろいろ話し合っていると
自主的に屋根を直していた
大工のシゲちゃんに呼ばれました。

このトイレを早く直したほうがええ
あんなに人が来るのに
外の公衆便所しか使えんのはいかん
なんぼもかけんでもできるけん、と。

みんなで寄木細工を作るように
力を合わせて、一つずつ前向きに進めていく
木村邸の場の魅力は、みんなが少しずつかけた
力の積分によって生まれているようです。


その後やって来た岡崎さんと中島さんと3人で、
梅津寺にある、海の家を使った
カフェレストラン「ブエナビスタ」へ(左)。

店主の坂本さんは、大阪出身。
2004年にこの場所でお店を始めています。
ブログを見ると、かなり有名な人を呼んで
ライブをやっておられるようです。
80年代の関西小劇場の状況もよくご存知でした。
http://imag032.exblog.jp/

木村邸の対岸にある、湊三嶋神社。
階段を登ると、三津の港が一望できます(右)。
日がな一日、ここで本を読んで過ごしてみたいなと。

松山での2日間は、こんな感じでした。
また遠からず、足を運ぶことになるでしょう。


2011/03/04(金)
松山カフェ紀行(4)







そんな木村邸で行なわれていた
どぶロックフェスティバルの模様です(左)。

松山市の隣にある東温市は「どぶろく特区」に認定され
合法的にどぶろくを製造、販売できるそうです。
ボランティアの中島さんの友達がそのどぶろくの
蔵元だったことで実現したこのイベントには
面白そうな人たちが集結して盛り上がっていました。


その後夕方には、道後温泉の大和屋本店へ。
そもそも今回の訪松は、職場の部内旅行です。
大広間で宴会があって、その後部屋で二次会がありました。

そしてその後、みんながそろそろ寝ようかという時に
一人宿を脱出して、大街道へ。

木村邸で知り合った人に誘われ、一軒のバーへ(右)。
もと1285.coffeeというカフェだったお店を
ミライカナイという、松山のアンダーグラウンドシーンを
支えてきたカフェの店主、ダイチさんが継いで
営業していました。

 前のカフェではイベントをいっぱいやってきた。
 それは充実していたけれど、どこかから
 自分がイメージしていたものとズレてきた。
 それでお店を閉めたけれど、お客さんとの距離を
 もう少し縮めたところでできることをと思い
 このお店をやらせてもらうことにした。

 前のお店を作るときには、お店に3日間寝泊りした。
 それだけの時間をお店の中で過ごしていると、
 僕が何をしたいか、ではなく、
 このお店がどうしたいかが、分かってくる。
 今回は1日だったけれど。

 頭で考えすぎると、うまくいかなくなる
 そういうときは、心で考えるようにしている。


松山の夜で出会ったのは、宝石のような時間でした。
出かけるのを、よさなくて良かったと。


2011/03/02(水)
松山カフェ紀行(3)









伊予三津浜に木村邸が建ったのは、明治14年。
隣家の廻船問屋であった藤内家が建てた商家を
僕の曽祖父の木村松次郎が購入しています。

木村家は三津浜で十代にわたり廻船問屋を営んだ商家で
松次郎の息子、僕からは大叔父の木村又三郎(写真左)は
日露戦争に出征した後、町会議員になったり
三津浜銀行を創立したりと
地元の大立者として活躍したそうです。

又三郎がいろんな仕事に携わったこと
そして物を捨てない人だったことで
木村邸の物置には、明治から昭和にかけての
珍しい文物や、書籍や、手紙などが残されています。

それを調べ上げている郷土史家の方がおられ
又三郎という人物の横顔が、かなり見えてきています。

明治28年、夏目漱石が旧制松山中学の
英語教師として赴任した年に同学の1年生だったとか
日露戦争への召集令状が出てきたとか
秋山真之の銅像を建てるときに尽力したとか
「坂之上の雲」のサブストーリーを構成しそうな
物語が見えてきています。

また、物置を整理していると、
明治時代の引き札(今でいう広告チラシ)や
明治28年に道後温泉本館が建って間もない頃の
絵地図(写真右)など、いろんな珍品が出てきます。

建物がまた、ディテールにこだわり倒しています。
詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.kimuratei.com/cat2/

木村邸の現在の持主は、僕よりも本家に近い末裔で
今は関西に住んでおられます。

放っておくと朽ちていくばかりのこの家に
愛着を寄せる人たちがボランティアとして集まり
この場所で月2回カフェを営業したり
壊れかけている屋根を直すために
チャリテーライブを開いたりという努力を
もう3年も続けておられ、それが三津浜という
今では鄙びた町の中に、ひとつの磁場を生み始めています。


2011/03/02(水)
松山カフェ紀行(2)







「WAKUWAKU」で食事をいただいてから
木村邸の岡崎さんの車に乗せてもらい、三津浜へ。

僕は5歳の頃にここを訪れたことがあります。
母方の祖父の7回忌に、木村家の親戚一同で。
朧ろげに街の風景が記憶に残っています。
ただ、木村邸に立ち寄った記憶は、なぜかありません。

海運が主要な交通手段であった時代には
三津浜は大いに栄えたそうです。
木村邸の前は細い路地にしか見えませんが
江戸から明治の初めまでは賑わいのある通りだったと。

そんな木村邸に、初めて足を踏み入れました。
どぶロックフェスティバルが開催されていました。

木村邸web http://www.kimuratei.com/


2011/03/01(火)
松山カフェ紀行(1)









2月26日(土)。朝6時の電車に乗り
松山には朝10時に到着。

朝11時から、フェアトレードカフェ「WAKUWAKU」で
コモンカフェをはじめとしたプロデュースについて
お話ししてきました。

店内の写真がうまく撮れなかったのですが
こじんまりした隠れ家的なお店でした。
普通のカフェよりも、人と人との距離が近く
コミュニティの結節点として
機能しはじめている感じがしました。

このお店では、ワンデイシェフによる営業
という取り組みを始めておられます。
もともとコモンカフェに入っていた瓜生さんがいるので
そのうち近いシステムになっていくのかも。


2011/02/22(火)
朗読続き








今日は終日MBSスタジオ@USJ。
ラジオドラマ「山の声」の収録でした。

演劇公演の作り方と大きく違うのは
場面を切って読む、間違えたら録り直すという部分で
JOEさん、山忠さんもテンションをキープするのが
大変と言っていました。

仕上がりは、相当なものです。
油断して聴くと、涙が止まらないのでご注意。

放送は3/19(土)19:30-21:00 @1179MBS です。


収録は、夜7時前に終了。
そこから大急ぎでコモンカフェへ。

夜7時半からは、東野ひろあきさんの
『モンティ・パイソン朗読の夕べ〜関西風味〜』。
http://homepage1.nifty.com/hobos/

東野さんは『モンティ・パイソン』のコントを
関西風味に翻訳したスケッチ集を出していますが
http://shouwadou.net/book.html
これを、役者さんと読むイベントです。

今日のゲストは、川下大洋さん、
スクエアの森澤匡春さんでした。
お客さんが一杯でかなり焦りました。


2011/02/20(日)
クレオ・チャレンジカフェの試み









昨日は四天王寺前夕陽丘へ。
チャレンジカフェ次期オーナーの選考会がありました。

クレオ・チャレンジカフェは、2007年にスタート。
クレオ大阪中央3Fのスペースにカフェを設置し
期間6ヶ月、家賃2万円(光熱費込み)の格安家賃で
自分のカフェを持てるというシクミです。

これまでに7名が店主を経験し、
その後開業に漕ぎつけた方も何人かおられます。
http://www.creo-osaka.or.jp/o-challenge/cafe/index.html

最初の頃は公共施設ということもあり
厳し目の意見を仰るお客さんも多かったのですが
最近では館利用者の中にも、この取り組みを
温かく見守って下さっている方も多いようです。
常連のお客さんも増え、また会議室への
コーヒーやケーキセットの出前注文なども
定着してきています。

またこのカフェは後付けなので、
厨房にガスも水道も来ておらず
調理をするのはなかなか大変
洗い物は少し離れた授乳室でしないといけない
といったハードルがあるのですが、
店主が代を重ねるにつれて
攻略法をどんどん編み出しておられます。

最近、これまでの取り組みを
紹介する冊子ができました。

ディレクションは狩野哲也さん、イラストは日々野尚子さん。
コモンカフェで昼休みによく顔を合わせるメンバーが
まとめたものです。
http://kanotetsuya-and-company.blogspot.com/2011/02/creo-osaka.html

コモンカフェは店主が日々替わるシクミですが
定期的に店主が替わるチャレンジカフェも
これからの時代に必要とされるインフラになるのではと。


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