過去の日記 46

2010/05/11(火)
DESTINATION KANSAI








去年の12月6日の日記に書いていました
外国人の視点で関西の魅力を紹介するという
近畿経済産業局のプロジェクトが、
まもなく小冊子にまとまります。
名づけて「DESTINATION KANSAI」。

このプロジェクトでは、関西にある33の観光資源スポットについて
英文と写真で紹介した上で、「知っている?」「行ったことがある?」
「興味ある?」という3つの質問を設定し、167人の在関西外国人の
方々に答えていただきました。

「行ったことがあり、興味もある」という切り口でみると
大阪城、ミナミ、清水寺、金閣寺、東大寺といった
外国人が行くことになっている王道スポットが上位に上がるのですが

「行ったことはないが、興味がある」という切り口からみると
本宮温泉郷、近江八幡、熊野三山、一乗谷朝倉氏遺跡、越前陶芸村、
といったマイナースポットが、なぜか上位に躍り出ています。

答えると、知らなかった観光地について知ってしまう
というこのアンケートは、思わぬ結果をもたらしてくれました。

この結果は、小冊子となって来週頃に発行されます。
日本語版は2千部、英語版は3千部刷られるそうですので
どこかで見かけられるかも知れませんが
このサイトから、ダウンロードもできます。
http://www.kansai.meti.go.jp/3-1toukou/destination/index.html


2010/05/09(日)
〈子供〉の誕生









フランスの歴史家、フィリップ・アリエス(1914〜1984)。

彼が1960年に著した「〈子供〉の誕生」では
中世の図像記述や墓名碑、日誌、書簡などを
丹念に分析し、現代では当たり前となっている
<子供>という概念が中世には存在しておらず
近代になってから<家族>とともに生まれた
ということを述べています。

かなりエポックメイキングな本です。
その後彼の研究を反証する良書も出ています。
http://www.suntory.co.jp/sfnd/gakugei/gei_bun0030.html

アリエスは、社会学の文脈でも紹介される人です。
この「一般的にはこう思われていますが
きちんと調べてみると、違うんですよ。」
という物言いが、とても社会学的なのです。

そして彼がまた面白いのは
大学の教職に就かずに、熱帯農業に関する
調査機関で働くかたわら歴史研究をつづけた
「日曜歴史家」だったということです。
なんとも親近感が持てます。

ということで、アリエスの「〈子供〉の誕生」について
紹介する社会学サロンを、6/29(火)夜に
コモンカフェで開催いたします。
http://www.talkin-about.com/cafelog/?itemid=1062

興味ありましたら、お運びください。

ちなみにあさって12(水)夜には
久々にcommon styleのマスターとして
お店に立っています。こちらもお時間ありましたら。


2010/05/08(土)
喫茶モーニン









「喫茶モーニン」は、JR長居駅から
南に5分ほどの住宅街にあります。
カウンターのみ9席の、小さなお店です。

このお店のオープンは昭和54年、
店主のおばあちゃんは現在71歳です。

子供が中学生になるまでは子育てをしていて
その間は地域活動などに関わってきました。
私もそろそろ何かしたい、と思っていたときに
近所の喫茶店の旦那さんが倒れたので
1ヶ月間ご奉公をして、その時に
喫茶店の運営を学びました。

その時に目をかけてもらった人から
お店を任せたい、と譲られたのが開業のきっかけです。

「喫茶モーニン」では、とても明るく元気で
話し好きな店主のもとに、常連客が集まっています。
カウンターで隣り合わせに座った人どうしでも
自然に会話が始まる、サロンのようなお店です。

一見でやってきた僕にも、近所の方のおすそわけの
おせんべいを回してくれたり、コーヒーのおかわりを
いれてくれたりと、上手に気を遣いつつ
楽しそうに話しています。

お店の中はとても綺麗で、
クリーム色に塗られた壁には
日めくりのカレンダーが掛かっています。
花瓶にはカーネーションが挿してありました。

店主は今でも、お店に立っているのが
楽しくて仕方がない、といった趣です。
お店という、人が集まる場を
正しくつかさどっています。

こういうお店に行くと、コミュニティカフェと
ことさらに言わなくてもいいよな、と思います。

今、お店をやりたいと思っている人は
すべからく「喫茶モーニン」を訪れることを
お薦めします。

喫茶モーニン
大阪市住吉区我孫子西1丁目8−23
06-6694-4870 日曜休 


2010/05/06(木)
中崎町ミュージアムスクエア









今日のお昼過ぎに、コモンカフェでは
ある企画の記者会見が行なわれていました。

その企画とは、石原正一ショーによる
中崎町ミュージアムスクエア(NMS)」です。


チラシにある趣旨文を転載しますと、

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2010年5月より、大阪はキタの中崎町
コモンカフェにて、新たな歴史が始まる・・・。

劇作家+俳優+石原正一で
お贈りする新プロジェクト

関西演劇界を拠点に活躍する石原正一が
演劇生活20周年を迎え更なる挑戦に出る。

現在活躍中の「劇作家」の戯曲を
個性派「俳優」と共に、
石原正一が共演し、演出する、2人芝居企画。

カフェシアター40席の小空間にてお贈りする濃密な作品。
役者の息遣いまで伝わる臨場感の中、
隔月で登場する、新しい物語。
丁寧に、じっくりと、創り上げる劇世界たち。

関西小劇場のメッカとも言われた今はなき
「扇町ミュージアムスクエア」の冠を大胆にも拝借し、
小劇場演劇の醍醐味をキタに取り戻す

其の名も、
NMS 中崎町ミュージアムスクエア

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各公演の上演時間は約1時間。
2ステージ限りですので
見られるのは80名のみです。

第1回公演は5月30日(日)。
劇作家は久馬歩(ザ・プラン9)です。

そして今後の予定としては、

蟷螂襲(PM/飛ぶ教室)
稲田真理(伏兵コード)
大塚雅史
覚王山(ザ・プラン9)
末満健一(ピースピット)
山浦徹(化石オートバイ)
山崎彬(悪い芝居)
横山拓也(売込隊ビーム)
竜崎だいち(ミジンコターボ)他

と続いていきます。

石原正一さんの人脈と企画力は、すごいです...


もう知っている人はほぼいないと思いますが、
扇町ミュージアムスクエアでは91年から93年
7月から8月の平日夜に「扇町夜遊びシアター」という
上演時間約1時間の演劇公演シリーズをやっていました。

そして92年から2001年までは、若手劇団の登竜門として
「扇町アクト・トライアル」というシリーズ公演を
続けていいました。

オモシロそうなことは、とりあえずすぐやってしまう。
OMSにはそんな伝統がありました。

この企画がずっと続いていって、関西から新たな才能や
素晴らしい作品がどんどん出てくる、という状況が
もう一度生まれたら。

記者会見を見ていて、そんなことを思いました。


2010/05/05(水)
六甲山とアメリカ村









見事に晴天の続いた連休でしたね。

この連休中、六甲山カフェには
かなりの頻度で顔を出していました。
なにせ家から車で10分なので。

お店を出て空を見上げると、こんな景色です(左)。

六甲山カフェでは、店主が入れ替わりで
カレーを出していました。
中川あゆみさんは、毎日朝7時からお店に入り
モーニング営業を試していました。
ゴールデンウィークは人出も多く
いいアピールの機会になったようです。

そしてカフェで話しているうちに、
次回のゆずりまいりの予定が決まりました。
5月29日(土)午後3時〜@高座の滝前 です。

また6月5日(土)には、六甲山上駅の方で
「六甲山SUMMIT(仮)」というイベントがありそうです。
おそらく僕も参加しています。


連休後半は、日限萬里子さんの映画のための
リサーチをしていました。

萬里子さんが、今のアメリカ村三角公園の北側で
カフェ「ループ」を始めたのは、1969年。
そして閉めたのは、1976年。

この間、お店では、街では、どんな時間が流れていたのか
その手がかりをつかもうと、当時の状況が分かりそうな
資料を集めて読み込んでいます。


2010/05/03(月)
修正完了!
天気が良い休日が続く中
ひたすら家で本の原稿を直していました。

そしてそれがたった今終わりました!

タイトルは「カフェ進化論(仮)」としています。
去年2月にはいったん完成し、6月に書き直して
出版社に出した原稿を、再度書き直したものです。

書き直したのは、この1年間で状況が変化して
カフェ開業についての語り口を変える必要がある
と感じたからです。

端的にいうと、カフェのシェアという方法論や
自宅や事務所を活用してのサロン的展開というものを
今後の現実的な選択として、より前面に出しています。

今度のでOKが出るかどうかは、まだ分かりません。
また時代が変わると大変なので、早く世に出してしまいたいです。


2010/04/28(水)
六甲山カレー特集
今日夕方の朝日放送「NEWSゆうプラス」(18:17〜18:54)の
「六甲山カレー特集」の中で、六甲山カフェが紹介されます。


2010/04/27(火)
御堂筋の博覧強記









さて、告知しておりました通り
昨晩大阪ガス御堂筋東ビル1Fの「DINGHY」にて
「博覧強記の夕べ」を開催いたしました。

中崎町で開催していた時には
固定のメンバーでのセッションになっていましたが
御堂筋で開催すると、新たなメンバーが増える
ということが分かりました。

紹介された本:
 スタンレー・ミルグラム「服従の心理」
 シドニー・ローゼン「私の声はあなたとともに 
  〜ミルトン・エリクソンのいやしのストーリー〜」
 千野帽子「文学少女の友」
 都築響一「TOKYO STYLE」
 W・ハイゼンベルグ「部分と全体」
 J・モノー「偶然と必然」
 多田富雄「生命の意味論」
 E・フロム「自由からの逃走」
 公文俊平「ネディスンの時代」
 K・ヤスパース「哲学の学校」
 高田公理「酒場の社会学」
 羽海野チカ「ハチミツとクローバー イラスト集」
 「よくわかる世界の妖怪事典」
 フリーペーパー「SCRAP」

19時半に始まり、23時までやっていました...

次回は5月24日(月)19時半〜@DINGHYです。


*おまけ
 鍋騒動が産経新聞で紹介されました。
 http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100423/trd1004232134011-n1.htm



2010/04/26(月)
co-design これからの大阪を、みんなでデザインしよう。









大阪デザインセンターがこの6月に開講する
デザイン塾のパンフレットができました。

塾の名前は「co-design」。
これからの大阪を、みんなでデザインする
という意図を含めています。

そして趣旨をこう表現してみました。

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戦後アメリカを視察した松下幸之助氏は、帰国して空港に
降り立つや「これからはデザインの時代やで」と語りました。
その後日本の企業はインハウス・デザイナーという形で
デザイナーを社内に置き、エンジニアリングとデザインの
緊密な連携のもと、ハイ・クオリティな製品を世界に
示してきました。

しかしながら、近年アジア諸国がデザイン戦略を重視し、
多くの優秀なデザイナーを輩出するようになったことで、
これまで日本のデザインが持っていた優位性は
揺らぎつつあります。
またプロダクト、インテリア、グラフィックといった
ジャンルの境界を越えて、ライフスタイル全般において
消費者の感性に寄り添うデザイン、消費者自身がいまだ意識
していないニーズを形にして普及させるためのプロデュース
が求められるなど、デザインに求められる役割は急速に進化
しつつあります。さらにフリーランス・デザイナーが存在感
を発揮するなど、デザイナーの置かれる環境が変わりつつ
ある中で、デザイナーは、デザインについての本質と、
自らが培うべき能力について問い直すべき時期を迎えています。

“日本のデザインは、これから大きく変わっていかなければいけない。

(財)大阪デザインセンターでは、そうした思いを共有する
“意識場”を作り、問題の発見と課題の解決が図れる人材、
新しいビジネスを創造できる人材を育成することを目的に、
中之島BANKSを拠点にデザイン塾「Co-Design」を開講し、
少数精鋭、年間20名、5年間で100名の世界で活躍できる
人材の発掘・育成を図ります。
..............................................................................................................

詳細は、こちらになります。
http://www.osakadc.jp/event/co-design2010.html

この塾、半年間コースで受講料10万円と
かなりハードルが高いものですが、傍聴もできます。
またよろしければ、チェックしてみてください。


2010/04/24(土)
御堂筋Talkin'About







大阪ガスの本社は、淀屋橋の御堂筋沿いにありますが
その北東側(御堂筋をはさんで反対側)のビルを
最近取得しています。

このビルの1Fに、ダイニングバー「DINGHY」が
先週オープンしました。そしてこのお店の活性化策を
考えるという仕事が、僕のところにやって来ました。
情報発信機能を、このお店に持たせたい、と。

「DINGHY」はガラス張りのお洒落なお店で
奥に写真のようなサロンスペースがあります。
OMSにあった「スタッフ」を髣髴させる空間です。

では、ここで「御堂筋Talkin'About」と題して
御堂筋界隈にある企業の自主勉強会を集め
誰でも参加できるようにしましょう
という企画書を、さっそく書いてみました。

そして試しに、26(月)の夜に予定していた
「博覧強記の夕べ」を、ここで開催することにしました。
自分が紹介したい本を持ち寄り、一人15分の持ち時間で
その本を紹介する、というサロンです。

御堂筋界隈には、面白い人たちがたくさんいて
それぞれの会社で才能を発揮しています。
その人たちが出会い、お互いに触発される
オープン・イノベーションの場を
この街にデザインできるか、という課題に
今とても興味を持っています。

ということで、興味ありましたら、紹介したい本を持って
26日午後7時半に「DINGHY」にお集まりください。
場所はここです。


2010/04/22(木)
OCC!の縮減
すでにお気づきの方もおられるかと思いますが
SINGLES PROJECTのサイトの中から
OCC!(扇町クリエイティブカレッジ!)のバナーが消えて
Rokko Cafe(六甲山カフェ)のバナーに変わっています。
http://www.talkin-about.com/cafelog/

これは、別サイトとして動いていたOCC!サイトの
更新作業の手が回らないのと、大阪ガスの仕事が忙しく
講座企画を充実させるのが難しいのとによっています。

そのかわりに、このサイトに掲載できていなかった
六甲山カフェの動きをフォローできるようにしました。
OCC!情報は、今後コモンカフェのトップページにある
ブログでご紹介していきます。

大阪ガス近畿圏部での仕事が始まり3週間。
相変わらず京都に滋賀に堺にとバタバタしています。
行政の若手職員を対象に、各地で勉強会を開催するのも
仕事のうちなのですが、つまり、去年コモンカフェで
ひたすらやってきたようなことが「仕事」なのです。

OCC!(扇町クリエイティブカレッジ!)は、なくなりません。
ただし頻度が少し減ります。

そしてほかの幾つかのお店とともに展開し、
月刊島民に情報を掲載いただいている
OCC!!(大阪カルチャークラスター!!)が、
まちなかの学びの場を創出、というミッションを
全体として体現するようになるかと。


2010/04/17(土)
大阪の霊性
何年か前に、生国魂神社の近くの道を
夕方に歩いていた時のこと。
道に立っていた老人が、歩いてきた僕に
ずんずんと近づいてきました。
どういうわけか、憤怒の表情です。

まったく意味がわからないのですが
近づいてきて、僕の顔を睨んでいます。
僕は「あ、どうも」とか言いつつ、
足早にその老人から離れていきました。

50mほど行ってから振り返ると、その老人は
次に通りかかったお婆さんに近づいていきました。
誰にでもなのかと思いつつ歩き出しましたが
その後「何するの!?」という声が聞こえてきました。
どうやら老人がお婆さんを叩いたらしく
両者は緊迫した雰囲気で対峙していました。

それ以上大したことにはならなさそうだったので
僕はそのまま立ち去りましたが、歩きながら
この憤怒の老人は、単なる怒りっぽい人ではなく
上町台地の地霊を一身に背負った存在なのでは
とか妄想していました。


昨日の夜は、ナカノシマ大学。
中沢新一×釈徹宗「大阪アースダイバーへの道」の
司会をしてきました。
会場には400人が集まり
内田樹さんや平松市長も来られていました。


今から5,6千年前の縄文時代には
海水面は今よりも50メートルほど高く
東京の地は洪積台地の間に海水が入り込んだ
フィヨルドのような地形をしていた。
崖から海を臨む当時の海岸線沿いは
この世とあの世の境目のような場所であり、
そこにお墓が作られ、今はそこがお寺、神社、
稲荷、道祖神などに姿を変えて残っている。

東京の不思議な魅力は、そこかしこに、
この縄文時代の文脈が残されているところにある。

中沢新一さんが2005年に出した「アースダイバー」は
東京の街の見え方を変えるエポックメイキングな本でした。
この大阪版が、今年の夏から週刊現代に連載されます。

昨日はそのキックオフ的意味合いでのセッションでした。

上町台地は、縄文海進期の大阪で
唯一水没しなかった場所で、大阪城あたりを先端にした
半島のような形をしていました。
その付け根の部分にあたり、西に大阪湾を臨む
崖地であった四天王寺や生国魂神社のあたりは
この縄文由来の霊性を色濃く残した場所なのだそうです。

なるほど、だからあの憤怒の老人なのか、と
合点がいったという話でした。


2010/04/13(火)
みんなでつくるカフェ
島根県松江市で起業家支援の活動をしている
NPO法人・Gasshoの目黒さん達が
今日大阪ガスに寄ってくれました。

2008年1月に、彼らに呼ばれて
松江でカフェセミナーをしたのですが、
その後彼らは「みんなでつくるカフェ」という名前の
日替わりオーナーカフェを松江に作ったそうです。
http://www.min-cafe.com/

公共施設を買い取った民間施設の中に
日替わりカフェを作り、もう半年運営しています。
スケジュールも埋まり、いい感じに回っているようで。

こういう取り組み、今後増えてくるのかも。


2010/04/10(土)
大阪鍋騒動









以前の日記でお伝えしておりました
大阪の鍋料理をフィーチャーした冊子が
完成しております。

A5版・フルカラー・24ページで
大阪ガスから広告協賛を頂いたことで
結局5000部を刷ることができました。

大阪発祥・大阪名物の鍋料理屋の紹介、
石毛直道さん、熊谷真菜さんによるコラム、
大阪人100人鍋アンケート、鍋の東西比較、
名物シェフの闇鍋、新名物「なにわ鍋」対談など
盛り沢山な内容となっています。

今後各方面で配布されます。
大阪ガスビル1Fと、コモンカフェにも
置いておりますので、興味ありましたらどうぞ。


2010/04/08(木)
会社生活の味わい
本社勤務になってから、1週間余りが経ちましたが
これが楽しくて仕方ありません。

僕がいる近畿圏部は、外部にネットワークを広げたり
情報を集めてきたりするところなのですが
動く範囲が京都や滋賀や堺や和歌山にまで及びます。
歴史や気配を読みながら街を歩くチャンスに
かなり恵まれます。

また、デザイン、インキュベーション、
地域活性化に関わる文化事業などにも積極的に
関わる部署なので、このあたりは今までと
全く変わりなく動けます。
むしろ自由度は、今まで以上です。

14年間も出向していたので、僕はおそらく、
本社でいちばんガスのことを知らない社員です。

スマートグリッドとかハイブリッド発電とか
エコジョーズとかエネファームとか
耳慣れない言葉が職場で飛び交っています。
前にあった14巻を全く読まずに
15巻からマンガを読み始めたような気分です。
これがまたゲームみたいで面白い。

昼休みには、相変わらずコモンカフェに現れています。
毎日とはいきませんが、かなりの頻度で。
逆に夕方は遠出をしていることも多く
今までのようなペースで講座を運営するのは
ちょっと難しそうですが...

サラリーマン生活に戻った、というよりも
会社というリソースを、存分に味わっている感じです。


2010/04/04(日)
ブルデューを読む







3/30(火)には、140Bの江弘毅さんと、
ピエール・ブルデュー『ディスタンクシオン』の
読書会イベントをやりました。

なぜ江さんとブルデューなのかというと

1.大阪の文化のあり方について考えるときに
  ほとんど誰も「卓越化」という視点を持たずに
  語っているのがもどかしく、一度ブルデューを
  きちんとやってみようと思っていた。

2.江さんは、自身のテーマである「街論」を
  構成するにあたり、ブルデュー的視点を援用している。
  内田樹さんもブログの中で、江さんのあり方について
  ブルデューに言及しつつ紹介している。

ということだったのでした。

当日は、石井洋二郎氏の
「差異と欲望―ブルデュー『ディスタンクシオン』を読む」
の抜粋を読みつつ、ブルデューが1979年のフランスで提示した
「文化資本」や「卓越化」「文化的正統性」といった視点を
2010年の日本にどう活かすことができるか、といった話をしました。


僕は大学で、社会学を専攻していました。
真面目に勉強をしない学生でしたが
社会学的地図がどうなっているかは
かろうじて分かります。

ですが、こういうことが分かる人って
実社会にほとんどいない、ということに
最近あらためて気づいてきました。

社会学系読書会、これからも続けようかと。
次回はハーバーマスを考えています。


2010/04/03(土)
六甲山日和(3)









そして午後3時からは「ゆずりまいり」です。

今回朝日、読売、神戸、京都の4紙に告知記事が載り
特に朝日と京都は詳しい取材記事だったので
ものすごく人が集まったらどうしようと
心配していたのですが、杞憂に終わりました。

*朝日新聞記事
http://mytown.asahi.com/hyogo/news.php?k_id=29000001003260002

集まったのは30〜40人ぐらい。
知り合いが多いので、新聞を見て、という方は
20人いたかどうか、ぐらいでしょうか。


参加するには、ちょっとハードルが高い。
でもそのハードルを超えて参加すると、だいぶ楽しい。
決して多くの人は集まらないけれど
イベントの存在自体は、多くの人が知ってしまっている。

こういうイベントの作り方が
僕はどうも好きなようです。


自分にとっていらなくなったものと
自分にとって新鮮なものを交換するだけの営みですが
それだけで、不思議な高揚感が生まれます。

「ゆずりまいり」
この実験は、まだ続けていこうと思います。
次回は、秋ごろにでも。


2010/04/03(土)
六甲山日和(2)








昼12時から午後3時までは
リュックサックマーケットとフリーライブを開催。

高座の滝前は場所が狭いので
リュックサックマーケットはあえて広く告知せず
知り合い数組に出店いただきました。

ライブも2組。船津さんの友人のバンドと
松平こうたさん(右)に登場いただきました。

松平さんは、2月にコモンカフェであった
Kansai Music Conference OPEN MIKEに出演していて
あまりに良かったので、今回声をかけました。
ブルースを自分のスタイルにしています。

ちなみに彼は、今晩コモンカフェである
OPEN MIKEにも出る予定です。



2010/04/03(土)
六甲山日和(1)









さて、遅くなりましたが
3/28(日)の「六甲山日和」の様子をお届けします。

六甲山カフェは、現在3組の店主が
週末ごとに入れ替わってお店に入っていますが
この日には3組全員が出店しました。

cafe ATEYAの勅使河原さん・原田さんは
大谷茶屋の前でキッシュ、コロッケなどを販売(左)。
キッシュは午前中で売り切れていました。

船津さんは、カフェの前でブイヤベースを販売。
こちらも写真を撮るまでに売り切れていました。

カフェの中では、いつも通りに
中川さんがおでんとコーヒー、ケーキを出していました。

アウトドア情報センターの下城さんは
六甲山みやげとして「美人マシュマロ」と
バーベキュー味のスナックを販売していました(右)。


2010/03/31(水)
放蕩息子の帰還
今日は大阪21世紀協会での勤務最終日でした。

4年間在籍しましたが、当初の目論見だった
大阪を動かすようなプロデュースは実現することなく
マネジメントをせず、趣味的な命令をする上の人と
不毛な喧嘩を繰り返してきた、というのが現状です。

コモンカフェを続けるにはいい環境だったことと
文化プロデュースを仕事にできることとで
ここまで続けてきましたが、組織の雰囲気が
どんどん悪くなっていくので、まあ潮時かと。

今日はメーラーに溜まりに溜まったメールから
重要なデータを救出する作業を何時間もかけて行い、
その後明日から必要になる荷物をタクシーに積んで、
淀屋橋にある大阪ガス本社へ。

会社に戻るのは、14年ぶり。
この放蕩息子を温かく迎えてくれる雰囲気を
今はとてもありがたく思っています。

そして明日、コモンカフェは
ひっそりと6周年を迎えます。


2010/03/22(月)
六甲山日和









さて、来週28(日)には、芦屋ロックガーデン・高座の滝にて
イベント「六甲山日和」を開催いたします。

今回は、昼12時から3時までは「リュックサックマーケット」、
昼3時からは「ゆずりまいり」という形で行います。

つまり、午後3時になると、お金の使用が禁止され
交換するか譲るかしかできなくなるのです。

今回、チラシを作って企画書を書いたところで
僕は力尽きていたのですが、そこから先の情宣を
六甲山カフェメンバーの原田さんに上手にやっていただき
情報が新聞4紙に載ることになりました。

ということで、多くの方が集まる可能性があります。

つきましては、この日にパフォーマンスをしたり、
リュックサックマーケットに参加したいという方が
おられましたら、ぜひぜひご連絡ください。
ボランタリーにお手伝いいただける方も歓迎いたします。

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六甲山カフェイベント「六甲山日和」

■開催日時  2010年3月28日(日)12:00〜16:00
■開催場所  芦屋ロックガーデン 高座の滝
        兵庫県芦屋市山芦屋町1(阪急芦屋川駅より歩20分)

■内 容  
 ◇六甲山マルシェ(普段週替りで3組のマスターで営業していますが、3組ともオープンカフェを出店します)、
 ◇リュックサックマーケット(野菜・石鹸の販売、六甲山みやげなど)
 ◇投げ銭ライブ 12:00〜15:00

 ◇「ゆずりまいり」の開催 15:00〜16:00
  ○参加される方には「自分にはもう必要ないけれど、きっと誰かの役に立つもの」を持参いただきます。
  ○参加される方には、目印として、首からスプーンを提げてきていただきます。
  ○持ってきたものをお互いに交換していただきます。
  ※誰も引き取り手がいなかったものは、各自責任を持ってお持ち帰りください。
  ※主催者は、天災その他の原因によって、参加者、一般公衆、その他の第三者が被る事故または損害に対して責任を負わないものとします。
  
■「ゆずりまいり」趣旨  

 近世の日本では“おかげまいり”と呼ばれる伊勢神宮への集団的な巡礼運動が周期的に繰り返され、参加者はある時は200万、ある時は500万に達していました。お伊勢さんのお札が降ったという噂をきっかけに、どこかの村で集団参宮が始まると、それが周辺の村々に波及していきました。 おかげまいり(御蔭参り)はまた“ぬけまいり(抜参り)”とも言われていました。

 多くの人達が、往来手形もなく、主人や親の許可を得ることもなく、仕事を中途で投げ打って、十分な旅行の準備も、路用の金も持たずに、着のみ着のまま衝動的に出かけて行ったのですが、それを沿道の人々の“施行(せぎょう)”が支えていました。彼らに対して金品や食料を施したり、宿泊の世話をしたりする者が少なからずいたことによって、おかげまいりは成立していました。

 ここには神に対する報施の観念や、熱狂的な解放状態にある民衆の略奪に対する有産階級の予防措置という意味合いもあったようですが、この時代の富は紙幣や預金残高というデータではなく、貴金属や物品など、物理的なモノの形をしているので、ある程度以上の蓄財にはあまり意味がないということが、今よりも実感しやすかったのではないでしょうか。

 「ゆずりまいり」は、交換経済が進んだ現在社会において、“贈る”“施す”というふるまいを取り戻すための一つの実験です。

■「六甲山カフェ」プロジェクト趣旨

 明治末期に英国人グルームによって開かれ、大正末期には藤木九三らRCC(ロック・クライミング・クラブ)の開拓により近代登山発祥の地として全国に知られて以来、毎日登山と全山縦走に象徴される独特の登山文化を生み出してきた「六甲山」。海から近く、市街地に直結した環境から多くの登山者に親しまれ、誰もが気軽に山歩きと自然を楽しめる山として、今でも多くの登山者を受け入れています。

 一方で、「登山」自体が若い人たちにとってはメジャーなものではなくなりつつあります。さまざまな娯楽にあふれる現代において、わざわざ山に登ることの楽しみを、世代を超えた一般的なものとしていくためには、いったい何が必要なのか?

  「六甲山カフェ」プロジェクトでは、六甲山麓にある芦屋ロックガーデン・大谷茶屋でのカフェ営業をベースに置きつつ、「山」の文化と「街」の文化をつなぎ、世代を超えて人が出会い、語らい、刺激を受け、文化や意識をゆるやかに共有させてくれる、そんな空間を作り出すことをめざしています。

■主 催  
  六甲山カフェ メンバー  

  山納 洋 「コモンカフェ」プロデューサー   
  船津智美 「六甲山カフェ」店主  
  中川あゆみ・原田ゆかり・勅使河原圭子 「六甲山カフェ」メンバー   
  中村圭志 山と渓谷「ヤマケイ関西」ディレクター  
  下城民夫 アウトドア情報センター

■お問い合わせ
  コモンカフェ 大阪市北区中崎西1-1-6 吉村ビルB1F  Tel 06-6371-1800 singles@do.ai
 六甲山カフェ 芦屋市山芦屋町1 大谷茶屋内 


2010/03/19(金)
そして企みはつづく
本日、大阪ガス本社で発令があり
本社近畿圏部勤務と決まりました。

ここは、都市活性化に取り組む部署です。
ミッションは、地域開発への参画、
地域活性化への関わり、環境への対応などです。

先ほど受けたブリーフィングでは

 基本的には“個人商店”です。
 どんどん外に出て行ってください。
 広い意味で本業に関わることなら
 やりたいことを積極的に提案してください。

と言われました。

ということで、4月からも、僕の動き方は
あまり変わらなさそうです。
ちなみに本社は淀屋橋のガスビルです。

みなさま、これからも引き続き
よろしくお願いいたします。

*扇町クリエイティブカレッジ!も
 さっそく企画を始めたいと思います。


2010/03/18(木)
変化の季節
この春は、いろんな変化があります。

僕が草創期の3年間を過ごしたメビック扇町が、3月末で閉館。
4月からは西天満のデジタルエイトビル(旧関テレ)に移転し、
クリエイティブネットワークセンター大阪(仮称)開設準備室として
新たな一歩を歩み始めます。
http://www.mebic.com/

3/24(水)-27(土)には、ファイナルイベントが行われます。


僕がこの1年間所属していた、南森町のオルタナティブスペース
「208」が、3/23をもって活動を終了します。
http://www.mediapicnic.com/208/

3/20(土)-21(日)には、ファイナルイベントが行われます。


そしてさきほど大阪ガス本社から電話がかかってきました。
明日朝一に、異動発令を受けます。
ということで、僕は3月末で、大阪21世紀協会を離れます。


念のために。
コモンカフェは続けますよ。

ただし勤務地が京都や神戸や滋賀や和歌山に
なってしまうと、運営に大きく支障が出るため
そうならないことを祈っています。

そして扇町クリエイティブカレッジ!(OCC!)は
3月末でいったん終了します。

4月以降の仕事の様子を見て、やれそうであれば
ぼちぼち再開していこうと思います。


2010/03/17(水)
“喫茶店”の陥穽
今、カフェの本の修正を行っていますが
誰かに対して喋る時にはうまく伝えられるのに
原稿に向かい合った途端に表現が硬くなって
なんだか伝わりにくいものになってしまう
というジレンマを感じています。

自分で書かずにまず喋って、
それを起こして書いたほうがよっぽど早そうです。
人間の頭って、そう出来ているんでしょうか。


さて、この本のタイトルを「喫茶店入門」でいきます
と以前に書いたことがありますが、その後方向転換し
現在は「カフェ進化論」と想定して書いています。
まだ変更の可能性はありますが。

ここ1〜2年、“カフェ”ではなく
“喫茶店”を開く、というという傾向があり
去年にはそういう本も出始めていました。

僕の周りにも「喫茶○○」という名前で
開業する方がおられるのですが、実際お店を訪ねてみると
あれ?と思う状況に出会うことがままあります。

12月末に開業したお店。
2度行きましたが、2度とも同じ男性が
カウンター席にいて、自分のことばかり喋っていたり
突っ伏して寝ていたりしました。
ランチタイムになると、近所の工事現場で働いていた人が
入ってきて「ランチ4つ」と当たり前に注文します。

3月に開業したお店。
オープンして間もないのですが、すでに日に3度
お店に来る常連さんがいます。
僕が行ったときには、お店の中で買ってきた弁当を
食べていました。カウンターにはスポーツ新聞。

開店前に「スポーツ新聞を置いて」と言われても、
嫌だったら断るようにとアドバイスしていたのですが
聞いてみると、お客さんが自分で買って読んだものを
「置いといて」と置いていったのだそうです。

つまり“喫茶店”と名づけてそれっぽいお店を作った途端に
“喫茶店”になら入れるタイプの男性がやって来て
強力なカスタマイズ力をもって蹂躙しにかかるのです。
スポーツ新聞、コーヒーチケット、カレンダーなどが
強いリクエストとともにお店の場を占めるようになり
空間がだんだんヤニで汚れてきます。

これは日本の独特の喫茶店のありようを示しています。
日本では70年代まで、喫茶店は男性文化として
発達したのです。

コーヒー専門店の根底にはオヤジ文化があるんじゃなかろうか。
(中略)「違いのわかる男たち」は「○○は知っている」と
いわんばかりに、ブルマンのアロマがどうの、キリマンの酸味が
どうのとウンチクをたれる。
日本酒の地酒かあるいは希少なワインがたくさんあればあるほど
本格的な店とみなすのがオヤジ。質もさることながら、
いっぱい並んでいることが大切なのだ。
(ハナコウエスト1996.10月号「日本独自(?)の珈琲専門店に
 オヤジ文化のエッセンスをみた」文:永浜敬子)


雑誌などで「喫茶店開業」について調べてみると
最近“喫茶店”を開業している店主は、
かなり高い割合で飲食プロパーでないことに気づきます。

調理技術が高くなくても、焙煎や抽出技術を極めることで
お店に立てること、原材料のロス率が低いことなど
素人でも始めやすいという部分があってのブームだと
思いますが、女性が「喫茶○○」というお店を
開業する際には、男性常連客のカスタマイズに対して
一線を設けて臨むことをお薦めします。


2010/03/16(火)
生姜生活者
先日書いた「諦酒」という日記を読んだ方から
「それなら生姜紅茶を飲むといいですよ」
というお便りをいただきました。

作り方は「紅茶」+「すりおろし生姜」+「黒砂糖」で
一日3杯くらい飲んでいると、2週間くらいで、
酒後のしんどさが嘘みたいに全くなくなったそうです。
生姜が体温を上げるのがいいようです。

で、言われたとおり、この1週間、
生姜生活を続けています。
本当に効きますね、これ。
胃腸の調子が格段に違います。

まだお酒は再開していませんが
近いうちに復活できるのではと。


2010/03/14(日)
趣味と思想の存在拘束性
フランスの社会学者、ピエール・ブルデュー(1930-2002)。

彼は主著『ディスタンクシオン』の中で
「文化資本」という概念を提唱しています。

これは「経済資本」(=金銭・財力)と同じように
社会生活において一種の資本として機能することが
できる種々の文化的要素のことを指しています。

具体的には、学校などの教育機関によって教えこまれた
さまざまな知識、書物やテレビその他、多様なメディアを
通して獲得された全般的な教養、育った家庭環境や
周囲の友人関係を通して涵養された趣味、芸術との接触や
種々の人生経験によって培われた感性、さらには一定期間の
実践的な訓練によって習得されたもろもろの技能のことです。

この文化資本の中には、自然なふるまいとして
その保有者に身体化されるもの、家庭や階級の中で
継承されるものがあり、その継承が経済資本や
社会関係資本にやがて転化し、階級的卓越化を
再生産することを、ブルデューは指摘しています。


3/30(火)の夜にコモンカフェで
140Bの江弘毅さんと、このブルデューの
『ディスタンクシオン』の読書会をやります。

当日は原書の訳者でもある石井洋二郎さんの
差異と欲望―ブルデュー『ディスタンクシオン』を読む
の中から抜粋して、読んでいく予定です。

石井さんのこの本、とてもいいです。
ブルデューはかなり難解な物言いをする人で
原書は読みにくいのですが、この本は
ブルデューの言っていることを噛み砕いて説明しろ
と言われたらこう書くだろうなという本です。

この本を手がかりに、当日は現代の日本社会において
「ディスタンクシオン」はどのような現れ方を
しているのかを考えてみたいと思います。

ということで、もし興味ありましたら
3/30(火)、ご参加ください。
http://www.talkin-about.com/cafelog/?itemid=1024

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余談ですが、ブルデューが取り組んだ
「階級」というテーマについて、
もう少し深掘りをしてみようと、今は
オルテガ・イ・ガセット(1883-1955)の「大衆の反逆」と
カール・マンハイム(1893-1947)の「イデオロギーとユートピア」に
さらっと目を通しています。

オルテガの「大衆の反逆」はかなり読みやすい本です。
かつて指導される立場にあった大衆が、今や全てのものを
支配する権力の座に登ったという事実、その傾向と原因、
そして対策について書いています。

カール・マンハイムの「イデオロギーとユートピア」は
知識や思想というものは、それを考える人が所属する
集団や抱えている歴史的背景に拘束されている
ということを指摘し、このことを深く分析するには
階級的帰属による束縛から免れている〈インテリゲンツィア〉
がその担い手になるべきだと言っています。

ちょっとややこしく聞こえますが
3人とも「人が当たり前に自分のものだと思っている
趣味や振舞いや知識や思想は、実はその人を取り巻く
社会によってだいぶ規定されていますよ」
と言っている点で共通しています。

こんな話を、当日はしようと思っています。

ついでながら、3/23(火)19:30〜の、カフェ太陽ノ塔での
「博覧強記の夕べ」では、僕は「大衆の反逆」について
紹介しようと思っています。

こちらの方も、興味ありましたらお越しください。


2010/03/11(木)
龍馬伝中毒









にかかりました。

大河ドラマを見るようなタイプでも
そんな時間帯に家にいる人でもなかったのですが
正月の番宣を見て興味を持ち、第1回を観てから
すっかりはまってしまっています。

いいドラマの要素として
単に感動する、ということではなく
その世界の中にずっと浸っていたいとか
自分も末席に座ってずっと見ていたい
と思えること、というのがありますが
そんな感じです。

自分もものをプロデュースする側に
身を置いている立場上、この名状しがたい感じは
いったいどういうスパイスによって
もたらされているのだろう、とか考えます。
ひとつ、音楽の効果が大きいのではとみています。

毎回クライマックスに差し掛かる頃にかかる
ハミングのような音楽があるのですが
この曲がかかる時には、主人公たちはたいてい
夜の闇の中で意識を研ぎ澄ませています。

この時間に主人公たちは
現実や未来に向かい合うための
あるたたずまいを見せます。

龍馬が黒船に憧れたり
山本琢磨を逃がしたり
弥太郎が江戸に思いを馳せたり
牢屋の中で商売に目覚めたりするのです。

この音楽とこの演出にドライブされて
僕は中毒にかかっているのではと。

今日が日曜日でないことが心外です。


2010/03/10(水)
六甲山日和









先週末から、六甲山カフェの営業が始まりました。
http://www.yamacafe.com/

冬の間はお客さんが少なくなるので閉めるのですが
これから秋までは、週末には基本的には3組の店主が
お店を開けています。

僕は日曜の朝に上がってきました。
去年大動脈瘤破裂で一命を取り留め
今は健康のために毎日大谷茶屋まで上がってくる
というおばあさんとひとしきり話し込みました。


さて、来る3月28日(日)に、芦屋ロックガーデン・
高座の滝にて「六甲山日和」という催しを行います。

これは、六甲山カフェが大谷茶屋さんをお借りして
常設のカフェを開業することになって丸2年になるのを
記念してのイベントです。

昼の12時から3時までの間には
リュックサックマーケットをやったり
護摩堂の前でフリーライブをやったり
六甲山カフェ3組合同でカフェを営業したりします。

そして昼の3時になると、お金のやりとりを一切行わない
「ゆずりまいり」に移行します。

今回は多くの人を集めるというよりは
気の置けない仲間たちで春先にピクニック気分で集まる
という感じでいこうと思っております。

とはいえ、出店は自由、ライブも参加歓迎です。
興味ありましたら、singles@do.ai までご一報ください。
.............................................................................................................

「六甲山日和」

■開催日時  2010年3月28日(日)12:00〜16:00

■開催場所  芦屋ロックガーデン 高座の滝
兵庫県芦屋市山芦屋町1(阪急芦屋川駅より歩20分)

■内 容

◇六甲山カフェ営業、リュックサックマーケット、投げ銭ライブ 12:00〜15:00

◇「ゆずりまいり」の開催 15:00〜16:00

○参加される方には「自分にはもう必要ないけれど、きっと誰かの役に立つもの」を持参いただきます。
○参加される方には、目印として、首からスプーンを提げてきていただきます。
○持ってきたものをお互いに交換していただきます。

※誰も引き取り手がいなかったものは、各自責任を持ってお持ち帰りください。


2010/03/07(日)
大阪鍋談義









たった今、確定申告が終了しました。

これであと、外国人に関西を紹介するプロモーションツール
「DESTINATION KANSAI」と、「大阪鍋談義」パンフを作り、
カフェ本の原稿修正を仕上げ、ピエール・ブルデューの
「ディスタンクシオン」を読んで江さんとの勉強会の
準備をして、3/28(日)にイベント「六甲山日和」をすれば
ぶじ3月が終われます。

つまりまだまだ忙しい日々が続きます...

さて、今さらっと書いた大阪鍋の話をしましょう。


2年ほど前に、今の組織の上司から
「大阪の食ブランドを発信するにあたり、大阪の鍋料理に
 注目すると面白いと思う。ついては君、担当ね。」
と言い渡されました。

なんで大阪で鍋がブランドになるのかが
まったく理解も納得もできなかったので、
何人かの有識者に話を聞いたりしたものの、
そのままうっちゃっていたところ

「予算もつけたから、今年度中に必ず成果物を作るように」
と最近督促がありました。

この件ではこれまでいらぬ喧嘩を何度も重ねてきましたが
まったく聞いてもらえる気配もないので観念して、
大阪の鍋をフィーチャーした小冊子を作ることが
自分に課せられた課題だと割り切りました。

で、食方面、特に鍋料理に強い編集プロダクションを
知り合いに紹介いただき、一緒に企画を練り、
先週から一緒に取材活動を続けています。

「大阪の食ブランド」という切り口なので
美々卯のうどんすき、づぼらやのでっちり、
スエヒロのしゃぶしゃぶといった発祥系から
淀家のバカス鍋、マルミットの西洋鍋など
独自の創作鍋を出しているお店までを回り
創業から今に至るまでの話や、具材・だしに
ついてなど、いろいろ話を聞いています。

食材の選定と仕込みでは一切妥協をしない
職人としての矜持を持った大将やシェフの
話をじかに聞けるのは、とてもいい経験です。
実際に鍋をいただくことも多いのですが
料理というものの奥深さに、心打たれます。

鍋料理が大阪ブランドかどうかはさておき
これらのお店のことは、もっと多くの人に
知ってほしいと思います。

この小冊子は、3月末には上がる予定です。
予算上そんなに多くの部数は刷れないのですが
興味ある方はまたお声かけください。

(写真左)布施・岸田堂にある「海老蔵」のちゃんこ鍋。
伊勢海老や毛ガニやアワビがはいった豪華鍋に
一味とうがらしをふんだんにかけていただきます。

(写真右)「づぼらや」で頂いたふぐのひれ酒。
諦酒中ではありますが、「うちのひれ酒は絶品や!」
と勧められたからには、頂くしかありません。
絶品です。ホント。
ちなみに「づぼらや」には一日ひれをあぶっている
職人さんがいるそうです。


2010/03/02(火)
諦 酒
必殺に忙しい日が続いています。
日記を書いている暇もないほどです。

確定申告の時期になると
自分がいかにするべき仕事をしないで
日々過ごしていたかを実感します。

時間を無駄に過ごしているわけではないのですが
やりたい勉強をしたり、飛んでくる新たな仕事を
こなしている間に、根雪のようになっている仕事が
いつまでも溶けずに残ってしまっている感じです。

この2ヶ月近く、ほとんどお酒を飲まない
日々を過ごしています。

1日飲むと3日ほど体調が悪くなるので
これはそろそろ辞めないとまずいかなというのと
この際人生に対する態度を悔い改めようというのとで。

そして2ヶ月もお酒をほぼ飲まないでかかっても
消えてくれない根雪のような仕事群には、途方に暮れます。

書いておきたい話はいっぱいありますが
根を詰めて書く時間がないので、流すように
今後いくつかを書いていきたいと思います。


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