過去の日記 41

2009/05/06(水)
島に暮らすということ(4)








海士町には近年、Iターンの人たちが増えてきています。

島での自給自足生活を体現している人
デザインや編集など、クリエイティブな部分で
才能を発揮する人や、ネットワーカーとして
外の人たちに海士の魅力を伝える人など
いろんな方面で活躍するようになってきています。

海士の土地が多くの人を惹きつけ
そうしてやって来た人たちが
また土地の魅力を増していく。

そういうサイクルにあるように、感じられます。


承久の乱の後に41歳で島に流された後鳥羽上皇は
60歳で亡くなるまで、この地で暮らしました。

3歳で天皇に即位し、17歳で譲位し、
以降3代23年間に渡り上皇として院政を敷き
鎌倉幕府を倒そうと戦った京都政界の中心人物。

彼はまた、中世屈指にして史上有数の歌人でもあり
和歌所を設けて新古今和歌集を撰させるなど
文化の面でも大きな足跡を残しています。

武芸百般を修め、流鏑馬、狩猟、相撲、水泳を好む一方で、
有職故実に通じ、和歌、管弦、囲碁にも長じたスーパースター。

こういう人が、すべてを失った後の20年間に
この地に暮らし、島の人たちと関わってきたということが
この島の持つ風通しの良さとバイタリティに
つながっているのでは、と思います。

たった3日間の滞在でしたが
そこで吸収したことが自分の中で
欠くことのできない大事な部分になっている

そんな経験をしました。
またきっと行くことになるでしょう。


2009/05/06(水)
島に暮らすということ(3)








さて、コモンカフェな話のほうですが
海士の若手で組織している人間力推進プロジェクトの
メンバーの方に現状を聞いたり、島にある喫茶店に
足を運んでみたりしました。

写真左は元保育所。港から車で10分の所にあります。
緑に囲まれていて、庭も広く、ここでなら
半日でもゆったりと過ごせそうです。

しかし、島全体でスローライフを体現しているところに
スローなカフェは受け入れられるのか
これはなかなか難しい問題です。

島には数軒の喫茶店があります。
いまどきのカフェのようなものはなく
近所の噂話で盛り上がっているような感じでした。

島には大学がないこともあり
若い人たちは多くが島から出て行きます。
いくらかの人は、何年かするとUターンで帰ってきます。
本土からパートナーを連れて帰ってくることもあります。

またゴールデンウィークには帰省してきたり
逆に島を出てどこかに遊びに行ったりしています。

そこでこうした喫茶店では、誰がどこに行った、
誰が今帰省している、誰それはどこから来た人だ、
という情報がかけめぐっています。

こういうことも、実際に行ってみないと見えないものです。


2日目には若い人たちが企画したフットサル大会があり
島外からも何チームを招いて参加していました。
そして夕方には菱浦港にあるキンニャモニャセンター前で
打ち上げとしてビアガーデンが催されていました。

そこにはフットサルの参加者だけでなく
島の活性化に取り組んでいるNPOの人たちや
役場の教育委員会の人たち、島の住民たちや
島に移り住んだ人たち、そして島に惹かれて
島外からやってきた人たちが集まっていました。

やっていたことはフットサルの表彰式と
島のバンドメンバーによる演奏、そして屋台を出しての
ビアガーデンというシンプルなものだったのですが
集まった人たちの意識が一つになったとみんなが感じる
ピースフルなイベントになっていました。

ああ、島にはこうして、島の人と外の人とが
自然に集まって出会うことができ、そこから先に
何かが起こるんじゃないかと期待が持てる場が
必要なんだな、と実感できる夜でした。


2009/05/06(水)
島に暮らすということ(2)









但馬屋は、家族経営の民宿です。
宿だけでなく、渡船、農業、漁業、
ナマコ工場、畳屋までを営んでいます。

その民宿で、群馬県出身で東京の大学を出た
宮崎雅也さんが働き始めて、4年目になります。

海士の中学生が修学旅行で彼の大学を訪れたのが
きっかけで海士を訪れ、そこで役場の人に
但馬屋のじっちゃんを紹介されたことが
彼の人生を大きく変えることになりました。

このあたりのエピソードは、ぜひ「だとこんた」を
読んでいただきたい。
http://www.ama-webdepart.com/fs/amadep/gr10/gd9

但馬屋の朝は早い。

朝4時に起き、釣りのお客さんを磯まで送り
それから漁船を出して、前日に沖に立てた網を揚げて
かかった獲物を外して、それから朝ごはん。

その後も畑に出たり、田んぼの手入れをしたり
料理や宿のお客さんの接客をしたり
夕方になったら網を仕掛けにいったりと
休む暇なく働いておられます。

こうした自給自足の生活に魅せられて
但馬屋で修行を積む宮崎さん。
とても充実した日々を送っておられます。

僕も2日間、漁船に乗せていただいて
網揚げのお手伝いをしてきました。

船は三郎岩のそばをかすめて走ります。
仕掛けた網を巻き取って船に載せ
陸に上がってからかかった魚を網から外します。

メバル、カサゴ、アジ、タコ、フグ、カワハギなどが
いっぱいかかっていて、それを網から外していきます。
1日目には60センチの鯛もかかっていました。

魚は進行方向に網から抜くと背ビレのトゲが引っかからないので
上手に抜けるのですが、その作業を宮崎さんと
じっちゃん、ばっちゃんが手際良くこなしていきます。
僕も2日やって、メバルのアゴを割って頭から抜く
という作業のコツをつかみました。


2009/05/06(水)
島に暮らすということ(1)









この2月に、隠岐の海士町(あまちょう)から
5人の方々が、コモンカフェに見学に来られました。

海士町は、中ノ島というところにあります。
本土からはフェリーで3時間ほどかかります。
人口が2400人のこの島で、コモンカフェのようなものが
できないかと考え、わざわざお越しいただいたのでした。

海士には承久の乱で配流になった
後鳥羽上皇に縁ある神社や資料館
また風光明媚な海岸や灯台などがあり
年間3万人の観光客が訪れているそうです。

とはいえ、基本的には地元の人たちに支えられなければ
お店はなかなか成立しません。

島中ほとんどが顔見知りという中で
人と人とが出会う場はどう成立するのか
むしろ人目を気にすることなく
リラックスできる場所が必要なのでは。

そういったことが、実際に足を運んでみないと
わからないなと、お話をうかがっていて思いました。


海士町から来られた方が
「da to conta(だとこんた)」という本を
コモンカフェに置いていってくれていました。
海士町の魅力を、そこに暮らす人々に焦点をあてて
紹介している本です。
http://jigemonshop.blog123.fc2.com/blog-entry-24.html

この本を読んでいて、但馬屋という民宿の存在を知り
これは行かなければいけないという思いに駆られて
昨日まで3日間、島を訪れていました。


2009/05/01(金)
OCC! 再開講









扇町クリエイティブカレッジ!(OCC!)の
チラシが出来上がりました!

デザインは、以前にもOCC!チラシや、OMSの
フリーペーパーデザインをお願いしていた
工藤公洋さん。

今回1万枚を刷ってみました。
力一杯まいていきたいと思います。

そしてwebサイトも立ち上がりました。
http://www.talkin-about.com/occ/

こちらは、(株)マインドフリーさんにお願いしました。

今回のOCC!では、20名の方々に
3ヶ月に1回のペースで講座をお願いしています。
中には月1回、という方もおられます。

スタートは5/25(月)です。
学びの場、そして面白い人たちと出会う場として
ぜひご活用ください。


2009/04/30(木)
メビック扇町の閉館
3月にメビック扇町で行われた
「この街のクリエイター博覧会」のレポートが
こちらに掲載されています。
http://www.mebic.com/report/1176.html

「クリエイターがかける魔法。」
「すごいですね〜」以外にずいぶん喋っていることが
ここでばれてしまっています...


4/25(土)の読売新聞にも出ていましたが
メビック扇町は、2010年3月末をメドに
閉館することが決まっています。
理由は「耐震性が低いため」。

2003年に扇町ミュージアムスクエアが閉館し
“文化の灯が消える”と言われたのが6年前。

新たに扇町に立ち上がった才能発掘、育成の場が
なくなってしまうというのは、とても淋しい限りです。


2009/04/28(火)
自分はこう動かすこともできるという話
昨日の夜は中崎町サロン文化大学で
「考え方サロン〜自分OSを見つける〜」
という話をしました。
http://nakazakicho-u.blogspot.com/

今回は「天才」「超人」という存在を特別視しない
というテーマのもと、

・中学受験の算数問題
・「へぇ!」「なるほど!」の科学
・自分が囚われているリミットの話
・スティーブ・ジョブスの「点と点との繋がり」
・「能力と超能力」の話

を、お集まりいただいたみなさんに投げかけてみました。

自分の中で十分に整理できていない状態での
投げかけでしたが、いろんな話が出てきて
このテーマをさらに深掘りするための糸口が
いくつか見つかりました。

セレンディピティ
何かを探している時に、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能を指す言葉である。平たく云えば、ふとした偶然をきっかけに、幸運を掴むことである。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BB%E3%83%AC%E3%83%B3%E3%83%87%E3%82%A3%E3%83%94%E3%83%86%E3%82%A3

ゾーン
スポーツや武道の試合などでプレイヤーに現れる現象。
ゾーンに入ると、異常に集中度が増して、
神経が研ぎ澄まされ、洗練された感覚になる。
言わば超感性の状態になるためため、通常の20〜100%
アップの能力を発揮することができる。これは、
人間の脳内で普段活動していない部分が働くためである。
「火事場の馬鹿力」も同じような現象である。


サクセスストーリーの体現者や
芸術家やアスリートや修行者が
体得している方法論の原理を知り
それを自分で使ってみる。

そういうところに、広がりそうです。

自分らしさを見つけるというよりは
自分はこう動かすこともできる
という「自分OS」のお話でした。


おまけ:算数問題

A寺、B寺という2つの寺があり、大晦日の夜12時ちょうどからどちらの寺も除夜の鐘をつき始める。Aの鐘は30秒に1回、B寺の鐘は20秒に1回鳴る。どちらの寺も108回鐘をつく。2つの寺の鐘が同時に鳴る時は1回と数えるものとすると、150回目が鳴るのは何時何分何秒か?。


*ちなみにこの問題は、「植木算」「最小公倍数」という概念に
 慣れてさえいれば、小学生でも解けます。
 こういうのを早く解けるようになるといい学校に行けます。

 そういう訓練の積み重ねが規定する「賢さ」というものを
 絶対視するのをやめてみましょう、という話でした。

「私だって、わかるまで教えてもらえばわかるもん」(GABA CMコピーより)


2009/04/19(日)
首から提げるスプーン







ゆずりまいりのルールの中には

 参加される方には、目印として、首からスプーンを
 提げてきていただきます。

というものがあります。

これは、お伊勢さんの「おかげまいり」では
参宮者が手にひしゃくを持っていたことを
下敷きにしているのですが、ルールにしたものの
どうやってスプーンを首から提げるのかを
考えていませんでした。

今日は大谷茶屋と岡本・芦屋川界隈のお店に
チラシをまいて回っていたのですが
芦屋川駅近くのマンションの一室でやっている
アウトドアショップ「Sky High Mountain Works」で
バッチリなのを色々見つけました(左)。

なるほど、アウトドア道具のスプーンには
穴が開いているんですね。

そのスプーンとアウトドアなひもを買って
作ってみるとこんな感じになりました(右)。

ということで、首から提げるスプーンをお探しの方は
Sky High Mountain Worksにお立ち寄りください。


首からスプーンを提げるというルール。
これは、「ゆずりまいり」がすごく流行った暁に

“スプーンを提げている人=譲ってもいいものを持っている人”

という一人歩きが起こって、イベントの日でなくても
スプーンを提げている人には気軽に声をかけられる
という現象を期待してのことなのですが
さて、そんなことが現実になるかどうか。


2009/04/18(土)
ゆずりまいりのチラシ







5/17(日)ゆずりまいりのチラシができました。
お札みたいなチラシです。
これが降ってきたら、みんなが六甲山に詣でる
そんなイメージです。

参加無料、申込不要ですので
ぜひみなさん、こぞってお越しください。


今回会場の許可などの都合で岡本側が外れ
大谷茶屋・六甲山カフェのみでの開催となりました。

また今日は摩耶山リュックだったのですが
チラシが届いたのが夕方5時。
絶好の告知の機会を逃してしまいました...

これから各方面にお札チラシを撒いていきます。
ぜひぜひ告知の方にもご協力ください。


■イベント「ゆずりまいり」の開催 平成21年5月17日(日)11:00〜15:00

 ○参加される方には「自分にはもう必要ないけれど、
  きっと誰かの役に立つもの」を持参いただきます。
 ○参加される方には、目印として、首からスプーンを
  提げてきていただきます。
 ○芦屋ロックガーデン・高座の滝前の護摩堂に参拝してから
  会場に移動し、持ってきたものを交換していただきます。

■開催場所
 芦屋ロックガーデン 高座谷
 高座の滝(芦屋市山芦屋町:阪急芦屋川駅より歩25分)から5分ほど上った所にある堰堤。

■お問い合わせ
 コモンカフェ Tel: 06-6371-1800  singles@do.ai
 六甲山カフェ Tel: 080-6107-7600 


2009/04/17(金)
習慣化とアドレナリンドライブ
ミシマ社に行った時に「これ、参考になりますよ」と
「仕事ができる人はなぜ筋トレをするのか」(山本ケイイチ著)
という本を紹介されました。

 ビジネスパーソンがこれからの時代に生き残るのに
 有益なスキルは、「英語」「IT」「金融知識」と
 よく言われる。私はここに「筋肉」を加えたい。

という書き出しに笑い、そのまま読み進みました。


ジムに通い、コーチの指導のもとに筋トレをすることは
今後きっとないのですが、筋トレを続けるためには
それを習慣にして、やらないと気持ち悪い、という
状態をつくることが大切だという話にかなり納得しました。

僕は基本的には「これ、面白い!」という
アドレナリンの分泌に任せて物事を動かしていることが
多いのですが、このやり方では、その時々で
テンションの上がっている案件を優先してしまい
そうでない案件を寝かしてしまうことがあります。

関わる案件がずいぶん増えてきたのと
年齢的にアドレナリンドライブに体がついていかなく
なってきたのとで、やり方を変えないとな
と思っていたところだったので
この習慣化の力をうまく使うことに
今関心を寄せています。

たとえば、

朝起きると竹山の散歩をして
JRに乗るときには古事記を読み
地下鉄に乗るときには英字雑誌を読み
4階の仕事場までは階段で上がり
週に2、3回は家で筋トレをして
家で夜時間があったら聖書を読む

という習慣を作ってみて、8割ぐらい守る
ということをしています。

仕事の方もまあそんな感じで
今日はこの仕事を進めることにする
と決めて淡々とやる、という時間を
取るようにしています。

脱アドレナリン化。
まだあまり体が馴染んでいないのですが
きっとこの方が先まで行けるんだろうなと。


2009/04/12(日)
サロンが街に増えつつある
中崎町流行通信というサイトを運営している
ライター・編集者の狩野哲也さんが
4月から新たに事務所を借りて
中崎町サロン文化大学という営みを始めています。
http://nakazakicho-u.blogspot.com/search/label/concept

いろいろな人が気軽に参加できて
面白いことを学べる場、というコンセプトのもと
和菓子・マクロビ・ヨガ・手芸・英会話・
デザイン・働き方などをテーマにしたサロンが
次々に開かれています。

僕も4月27日に「考え方サロン」というのを
やることになりました。
http://nakazakicho-u.blogspot.com/

テーマは「自分OSを見つける」。

自分にとってのあり得る/あり得ないが
どこにあるのかを知ることから始めて
自分の考え方や動き方が
どんなルールに従っているのかを
考えてみる、という趣向です。


最近カフェ・ギャラリーだけでなく
事務所や自宅の一角、マンションの一室を使って
講座・ワークショップやサロンなどを開く
という動きが増えてきています。

カフェがその営業を、飲食から
ワークショップスペースに変えていく
という動きも、いくつも見られます。

いろんな人が出会い、何かを学んでいく場を作りたい、という
カフェ的欲求は、飲食営業を介在させなくても成立する。

そういうことに、みんな、気付き始めているのかも。

コモンカフェで始めるOCC!も
基本的には飲食物を提供せず
あの場所を教室として使う予定です。

実は講座を組みすぎて、自分がバー営業で
お店に立つスキマがなくなってしまったので
講座が終わってから、そのまま飲みましょう
という雰囲気になった時だけ、
ひっそりと営業しようと思います。

p.s.
6月にはまた、クレオ大阪中央で
カフェセミナーをすることになりました。
http://www.creo-osaka.or.jp/webapp/AppMain.php?koza_preview=1383

今の時代にはカフェは難しいですよ
それでも成立している人はこうやっていますよ
という話をします。たぶん。

*このセミナーの受講者の中から、クレオ大阪中央3Fにある
 「クレオdeカフェ」の運営者が選ばれます。
 http://www.creo-osaka.or.jp/cafe/index.html


2009/04/10(金)
古事記と聖書
浅野温子さんの古事記朗読に行くのに先立ち
五月女ケイ子さんの「レッツ!古事記」を読み
今は福永武彦訳「現代語訳古事記」を読んでいます。

それと並行して、旧約聖書を読み始めています。
この二つを同時に読むと、いろんなことに気づきます。

■どちらも天と地とが分かれていないところから、
 歴史が始まる。

■神と人とが混在する時代が描かれる。
 それはきっと覇権争いの歴史の神話化。

■ノアの箱舟、ソドムなど、主はその教えに
 従わない人々に対してけっこう残酷。
 日本の神々は、もっと人々っぽい。

■主がすべてを創造するユダヤ・キリスト教と、
 イザナギ・イザナミが島と神をつぎつぎに作り、
 その神がまた何かを創るという連鎖的創造の
 モデルを持つ日本、という違いが見える。

こういった始原の物語が、実は、
西洋人と日本人のOSの根本的な違いを
形作っているように思えます。

日本人って、ある意味リナックス的な
分散型、分権型のモデルを根底に持っているのかも。


2009/04/09(木)
そして二重生活は続く
大阪21世紀協会に今年もいることになった
ということを、書いていませんでしたね...

実はこの組織には大変動があって
4月1日から大阪府・大阪市の人とお金が
抜けています。

予算は昨年度の3分の1ほどになり
しかも来年度にはさらに組織が縮小するようです。

こんなややこしい時期に、新しい人を出すよりは
勝手の分かった、仕事を見つけられる人に
引き続き頑張ってもらう方がいい
といった感じで、残留し、4年目を迎えています。

*僕は今も大阪ガスという会社に籍を置いていて
 そこからこの財団に出向しています。

そして4年目にして、事業全体を見渡すことができ
企画を提案できる立場を得たので、だいぶいい感じです。

ここにいる間に、大阪の文化状況を変える
いくつかの大事な仕事を、形にしたいと思っています。

コモンカフェは5周年を迎え
相変わらず、いろんな人がやりたいことを試し
いろんな人が出会う場所として回っています。
僕は相変わらず昼休みにはだいたいいます。

5月下旬からの扇町クリエイティブカレッジ(OCC!)は
徐々にブッキングが進んできています。
やはり20人に講師をお願いして一人でまとめるのは
だいぶ骨が折れます...

一斉告知はもう少し先になりますが
現状は、こちらをご参照ください。

2009年5月 http://www.talkin-about.com/cafe/next.html
2009年6月 http://www.talkin-about.com/cafe/200906.html
2009年7月 http://www.talkin-about.com/cafe/200907.html


2009/04/01(水)
ミシマ社訪問









140B中島さんのご紹介を得て
自由が丘にある、ミシマ社という出版社を訪れました。
http://www.mishimasha.com/

住宅街の中にある日本家屋が
この出版社のオフィスです。

設立して2年余りですが、すでに、
鳥越俊太郎氏・しりあがり寿氏・香山リカ氏・
内田樹氏・金井壽宏氏といった
錚々たる方々の本を出しています。

そして本を出すだけでなく、この日本家屋で
展覧会を企画したり、出張ワークショップを
したりしておられます。

京都的、大阪で言えば中崎町的な雰囲気の中で
本づくりをされている感じが、いいなと。

社長の三島邦弘さんのインタビューは
こちらで読むことができます。
http://www.freestyle-life.net/free-100-page-27.htm


今回の訪問で、三島さんに、
本を通じて自分の伝えたいことを伝える上で
貴重なアドバイスをいただきました。
4月は書き直し月間になりそうです。


さて、実にさりげなく
コモンカフェは今日5周年を迎えました。

今年はいろいろ仕掛けていく年にしたいと思います。
みなさま、引き続きご愛顧、お力添えのほど
どうぞよろしくお願いいたします。


2009/03/31(火)
巣鴨的








先週末に、東京に行きました。

ちょっと時間があったので、
巣鴨界隈をウロウロしました。

とげぬき地蔵のある地蔵通り商店街は
ご年配の参拝客でいっぱいです。
ちょうどドラマの撮影をしていて
額に老人党という鉢巻きをした人が
いっぱいいました。
http://yanaken.cocolog-nifty.com/extra/cat21109177/index.html

商店街には、ミセス洋品店がいっぱいあります。
地元の商店街にあるとさっぱりな感じの品揃えですが
どこも飛ぶように商品が売れています。

また地方の産品を売るお店が、いくつも出店しています。
五島列島名物の「あごだしうどん」(*あご=トビウオ)
のお店で昼食を取りながらいろいろ聞いてみましたが
全国各地からの人がやって来て、地元の懐かしい食材を
買ったり、食事をしたりするのだそうです。

お店の人は、五島列島出身、東京育ちだそうです。

江戸時代にあったような、物見遊山のふるまいが
かなり良い保存状態で残っている街、ですね。


2009/03/26(木)
日本神話への誘い
去年の1月10日の日記に、イタリア総領事への
インタビューで聞いた話として、こんなことを書いていました。
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「ライフ・イズ・ビューティフル」の監督で
俳優・演出家・芸人でもあるロベルト・ベニーニが
14世紀の詩人、ダンテ・アリギエーリの「神曲」を
コメディーとして上演し、その作品が2007年の
イタリアのNo.1ヒットになり、100万人が
劇場に足を運んだそうです。

「神曲」はイタリアでは学校で必ず習う古典で
たいていのイタリア人は退屈な作品だという
イメージを持ってしまっていますが、
ベニーニはこの古典を、素晴らしいエンタテインメントに
作り上げるのに成功したのだそうです。

世論風刺のおしゃべりに始まり
「神曲」をわかりやすく解説してから
本編の一部を朗読するというスタイルだそうです。

そして2007年は、劇場に行く人の数が
スタジアムに行く人の数をはじめて超えたそうです。
サッカーではなく、演劇やコンサートに
より多くの人が足を運ぶようになるという
文化的変化の兆候なのだろう、と。

日本でいえば、源氏物語の朗読が
一大エンタテインメントになる
ということなのでしょう。

そういう可能性も、あるんですね。
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この間新聞を読んでいて、女優の浅野温子さんが、
「古事記」の語り舞台を続けておられることを知りました。
http://www.kataributai-nihonshinwa.com/

で、5/2の石清水八幡宮での公演を、予約してみました。


“学校で習っていて、聞いたことはある。
 でも詳しくは知らない”ものは、
 コンテンツとして化ける可能性がある

という推論を、確かめてみたいなと。


*おまけ
 五月女ケイ子さんも「古事記」を描いてますね。 
 http://blogs.yomiuri.co.jp/book/2008/09/post-81f0.html


2009/03/24(火)
メビックでの2日間
ピクトのヤマモトヒロユキさんと飲んでいる時に頼まれ
26日にもメビックで司会をすることになりました。

「キタ vs ミナミ クリエイターズバトル」
http://www.mebic.com/expo/1157.html

25日の「クリエイターがかける"魔法"」には
100名を超える申し込みがあったそうです。
http://www.mebic.com/expo/1139.html

僕は「すごいですね〜」しか言わないのですが
クリエイターの方々のメッセージが
多くの人に届くように頑張りたいと思います。


2009/03/17(火)
消失景









うちの家の前には、こんな風景があります。

左側には、2千坪ほどの竹山があり
その横に舗装されていない坂道が通っています。

この風景に惹かれて10年ほど住んできましたが
昨年この竹山の持ち主が亡くなり、相続に当たって
竹山は売りに出され、ハウスメーカーの手に渡りました。

そしてこの4月から、竹山は
21軒分の住宅用地に造成されるようです。

この坂道は神戸市水道局の所有で
造成に合わせて、舗装路と階段に変わるようです。

竹山があったことで、
家のすぐ前に筍が生えてきたり
家の中にムカデが出たり、夏は鬼のように
蚊に刺されたりと大変でもあったのですが
この風景がなくなってしまうのがとても淋しく
これが見納めと竹山の周りを毎朝散歩しています。

オチはない話なのですが...


2009/03/16(月)
ゆずりまいり日程変更








さてうっかりしていましたが
5/16(土)は摩耶山のリュックサックマーケットと
日がかぶってしまっていました...

ということで“ゆずりまいり”は
5/17(日)に開催することになりました。
すみませんがみなさま、手帖の書き替えをお願いいたします...

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昨日は高座の滝まで上がり
大谷茶屋さんに護摩堂の由来を聞いていました。

もともと信者さんが集まって講をつくり
数十年前にお堂をこしらえたそうですが
今では講元さんはみな亡くなられ
大谷さんが管理されているそうです。

すぐそばには祠が二つ。
一つは芦屋のお金持ちが、一つは宝塚の魚屋が
数十年前に奉納したものだそうです。
こちらも今はあまりお見えにならないようです。

今後お堂や祠が老朽化してしまったら
どうやって建て替えるのか?

こういう話って、全国のあちこちにあるんでしょうね...


2009/03/14(土)
ゆずりまいり









近世の日本では“おかげまいり”と呼ばれる
伊勢神宮への集団的な巡礼運動が
周期的に繰り返されていました。

参加者はある時は200万、ある時は
500万に達していたそうです。
お伊勢さんのお札が降ったという噂をきっかけに
どこかの村で集団参宮が始まると
それが周辺の村々に波及していったようです。

おかげまいり(御蔭参り)はまた、
“ぬけまいり(抜参り)”とも言われていました。

往来手形もなく、主人や親の許可を得ることもなく、
仕事を中途で投げ打って、十分な旅行の準備も、
路用の金も持たずに、着のみ着のまま
衝動的に出かけて行ったそうです。

そうした無鉄砲な彼らの伊勢行きを支えたのは
沿道の人々の“施行(せぎょう)”です。

彼らに対して金品や食料を施したり、宿泊の世話を
したりする者が少なからずいたことによって
おかげまいりは成立していたのだそうです。

ここには神に対する報施の観念や
熱狂的な解放状態にある民衆の略奪に対する
有産階級の予防措置という意味合いもあったようです。

この時代の富は紙幣や預金残高というデータではなく
物理的なモノの形をしているので、ある程度以上の
蓄財にはあまり意味がないということが、今よりも
実感しやすかったのでは、と個人的には見ています。


おとつい、岡本にある「ミドリカフェ」で
六甲山でのイベントについてのミーティングをしました。

そして、先の日記でお伝えしていた、4/11(土)の
「わらしべ貿易」というイベントのタイトルと日程を
少し変更することにしました。

ということで、5/17(日)11:00〜15:00に
“ゆずりまいり”というイベントを開催いたします。

会場は保久良山と高座谷の2ヶ所。

参加される方には「自分にはもう必要ないけれど
きっと誰かの役に立つもの」を持参いただき
岡本駅側から来た方は保久良神社に
芦屋川駅側からの方は高座の滝前の護摩堂に
それぞれ参拝してから会場に移動し
持ってきたものをゆずり合う、という内容です。

(“わらしべ”だと、価値のないものを
 価値のあるものに変えようという人ばかりが集まると
 成立しないのでは、ということでした...)

詳細は追って告知いたします。
みなさま、5/17(日)はぜひ六甲山にご参集ください。


2009/03/09(月)
OCC!と OCC!!
最近はOCC!(扇町クリエイティブカレッジ!)
のための打合せを重ねています。

20名ほどの方々に、3ヶ月に1回のペースで
講座かワークショップをやってください
とお願いしていて、ようやく半分の方と
打合せが終わったところです。
詳しく告知できるのは4月になるかと。

これが実現すると、コモンカフェの夜営業は
週に2日はOCC!となります。
僕がお店に入る隙間がなくなりそうで
たまには講座が終わってから
静かに営業しようかと思っています。


そしてもう一つ、OCC!!(大阪カルチャーセンター!!)
という企画を進めつつあります。

これは、大阪にあるカフェ、ギャラリーや
オルタナティブスペースで自主的に行われている
講座・ワークショップを、WEB上で一堂に集めて
紹介する、という企画です。

その参加を募るべく、最近はいろんなお店に行って
打合せを重ねていて、これまでに10ヶ所ほどのお店に
賛同、協力いただけることになっています。


講座・ワークショップを依頼するのは
ごく小さな仕事を発注する作業です。
そしてこんなすごい人、こんな面白い人が
いるということを、紹介する作業でもあります。
その取り組みを通じて、ネットワークは広がっていきます。

そんなに大きくはないお店や空間で、月に2〜3回でも
こうした講座企画に取り組む場所が何十ヶ所かできれば
街にいくらか仕事が増えて、才能ある人が世に出やすくなる
そしてこれまで以上にさまざまなつながりが生まれる
そんなサイクルを作れないものかと考えています。

OCC!! については、コモンカフェとしてではなく
大阪21世紀協会の事業として、よりパブリックな
ものになるよう、イメージしています。

今ハコを持っている方で、
こんな話に興味あるという方はおられませんか?


2009/03/03(火)
もうすぐ5年
しばらくごぶさたしました。

先週末に引っ越しをしていて
寝ないで梱包したり開梱したりしていました。
ようやくものが考えられるようになってきました。

さて、今朝の産経新聞に
コモンカフェの記事を載せていただきました。
http://www.sankei-kansai.com/2009/03/03/20090303-006990.php

写真には、毎週月曜にお店に入っておられる
cafe MULOTの進藤さんが写っています。

この記事の中で先に紹介いただきましたが
コモンカフェでは5周年を迎えるのを機に
5月から新たに講座やワークショップを始めます。

名称は“OCC!”(扇町クリエイティブカレッジ!)。
どこかで聞いたような名前です。

この企画の詳細は、また追ってお伝えいたします。
平日夜に週2日ほど開催する予定です。

どうぞご期待ください。


2009/02/24(火)
クリエイターがかける“魔法”
クリエイターとは「創造する人(creator)」です。
それはクライアントから依頼を受けた仕事でも、
直接自分の作品を世に問う場合でも同じことです。

クリエイティブとは、独りよがりな営みではなく、
多くの人にはまだはっきりと見えていないけれど、
社会にとって必要となるものを、形にする作業です。

自分には見えている新たな地平を切り開き、
それをまだイメージできていない人に伝えていく作業。
クリエイターの仕事は、そういう要素を持っています。


クリエイターがかける“魔法”


それは、クリエイターが自分の仕事に徹底したこだわりを持ち、
そのこだわりを、クライアントに対して、また生活者に対して
伝えていくために、欠かすことのできない技術です。

今回の座談会では、クリエイターの方々に、そういうお話をうかがってみたいと思っています。

............................................................................................................

ということで、久々にメビック扇町のお仕事。

3月に開催される「この街のクリエイター博覧会」の
「クリエイターズセッション」の司会をしてきます。
http://www.mebic.com/expo/1139.html

タイトルとコンセプトで僕の仕事はほぼ終わっているので
当日は「すごいですね〜」というセリフだけで
回してみるのはどうだろう、と。


2009/02/20(金)
江戸眼鏡をかけて現代を見る
2月18日の京都新聞に、法政大学教授の
田中優子さんが「浪費で社会は良くなるか」
と題した文章を寄稿しています。

“定額給付金で世の中が良くなるのか”

というテーマを、江戸中期に藩政改革を実行し
領地返上寸前の米沢藩再生のきっかけを作った
米沢藩主・上杉鷹山(うえすぎようざん)の事例を
紹介しながら述べておられます。

鷹山は、賄賂や不正を止めさせ、
自分自身も率先して倹約し、
また産業振興を積極的に行うことで、
農村を荒廃と飢饉から救い、江戸時代屈指の
名君として知られるようになりました。

 倹約とは、未来を見通し、今の無駄をなくして
 合理的に暮らすことである。

 浪費と消費とは違う。浪費は結局、
 次の仕事も次の生活も変革も生み出さない。

 刹那(せつな)のための空費ではなく
 未来の社会に投資することこそ、改革の方法であり、
 税金の使い方なのではないのか。

田中優子さん。

TBSサンデーモーニングに着物で出ている方ですが
タレント学者さんなどでは全くありません。
江戸を徹底的に知り、そこから現代社会を相対化する視点と
編集感覚を持っているすごい人だなと思います。

江戸はネットワーク」「カムイ伝講義」あたり
ぜひ一度読んでみてください。


2009/02/19(木)
風向を読んでいる
橋下府知事の予算発表は、霞が関への挑戦的態度が
一番のトピックスになり、各方面への予算削減は
あまり紹介されませんでした。
のでちょっと解説を。

平成21年度の大阪府・大阪市予算には
僕が在籍する協会への補助金は盛り込まれていません。
http://www.sankei-kansai.com/2009/02/17/20090217-006482.html

もともとサントリー会長・大阪商工会議所会頭の
佐治敬三さんの肝煎りで、経済界が府・市に協力を仰いで
1982年に設立されたこの協会は、ここにきて
民の力だけで維持していかなければならなくなった
ということです。

16日の座談会で「存続の方針を打ち出した」ように
この組織は、予算を3分の1ぐらいに減らしつつ
今後とも続いていく模様です。

文化を枠組みだけで語ることには違和感があり
また厄介な“やっ太君”がはびこっている現状では
できることは多くはなかったのですが、
風向が変わる今、どう動くべきだろうかと考えています。

もう3年ほど居るので
本当ならそろそろ失礼するところではありますが...

世の中のためになることに、本気で取り組みたいですよね。


2009/02/17(火)
雑 記
どうやら景気はずいぶん悪いようで
僕が在籍する協会も大波をかぶる模様。
詳しくは明日になるのですが
今朝の産経にフライング的に出ています。

ここ3ヶ月ほどじんましんが断続的に続き
先々週に牡蠣に当たった時にひどくなり
ひっかいたら全身世界地図のようになり
ステロイド剤でおさえるとすぐに引きましたが
薬の影響で無気力な人になるので投薬をやめ
無理をしない生活をしています。

じんましんの原因は玄米によるデトックス効果
のようにも思えるのですが、どうもはっきりしない。
そろそろ治りそうな感じですが。

カフェの本を書き上げて出版社に持ち込み
大学の試験の採点を終え
あと確定申告が控えているのですが
ちょっと時間の余裕が生まれつつあります。

それでいろんな本を読む生活をしていますが
それだけでは甲斐がないので
アウトプットの場所を意識的に作りたいと思っています。

2/19(木)には本のサロン(19:00〜@太陽ノ塔)
26(木)にはCDのサロン(20:00〜@oops)があるので
とりあえずそこを目標にしています。

今晩はちょっと久しぶりにコモンカフェに立っています。
もしお時間ありましたら、お立ち寄りください。


2009/02/10(火)
今年のメセナセミナー









来る2/26(木)、大阪21世紀協会・企業メセナ協議会主催の
企業メセナセミナーが開催されます。
http://www.osaka21.or.jp/colabo/mecenat2009/seminar.html

今年のテーマは「地域から見る、企業メセナの可能性」。
大阪と別府の事例から、「企業」と「アート」と「地域」が
支え合うシクミをどうデザインするか、という話になります。

今回のコーディネーターは、21協会の古谷晃一郎さん。
チラシはオカダデザイン・日比野尚子さん。
いい感じのイベントになりそうです。
僕は今回は見守る人でいきます。 


2009/02/04(水)
輝く水道筋









昨日は夕方から訪灘。

ナダタマの慈さん夫妻と、六甲山カフェメンバーの
下城さん・クリモトさんと、水道筋で飲んでいました。

畑原市場にある醉宵食堂バー「チンタ」。
このお店では本格的に自転車が流行っています。
みんなで自転車で京都の立呑屋まで
飲みに行ったりしているそうです。
お店の前にはすごいロードレーサーが並んでいます。

一枚を撮ってみたら、光り輝く写真になりました。
この雰囲気、昔通い詰めたRino's Pointに似ています。

いい刺激を受けました。
今年は体を鍛えなおして
チンタ主催の輪行イベント参加してみようかと。


2009/02/03(火)
茶房みどり







阪神西ノ宮駅のすぐ北側にある「茶房みどり」。
昭和31年(1956)に開店した画廊喫茶です。

開店当時はあたりに喫茶店はなく、すぐそばに
市役所、警察、市民病院、図書館などがあり
そこで働く人、そこを訪れる人が来店し
お店は大いに繁盛しました。

今年89歳になる店主の美知子さんは画家で、
「緑美会」という絵画の会を自ら主宰しています。
お店の壁面には会のメンバーの絵が飾られていますが、
この壁面はメンバーに無料で貸し出され、
絵はメンバーにより毎月架け替えられています。

アマチュアの芸術家を応援したいという思いから、
こうした営みをもう53年も続けておられます。
今では娘さんが経営を引き継いでいます。

 50年以上もやっていると、昔働いていた人
 昔図書館で勉強していた人が、若い頃の自分の足跡を
 たどるように、お店に現れることがあります。
 それもこれだけの間続けたからこそと有り難く思います。

立地に恵まれ、商売が長らく繁盛してきたこと、
そして今では大きく稼ぐ必要がないことで、
成立している、知られざる「個人メセナ」です。


2009/02/02(月)
演劇ロボットは電気羊の夢を見るか?






来る2/10(火)に、堂島リバーフォーラムにて
平田オリザ氏作・演出のロボット演劇「働く私」が
再演されます。
http://www.global-osakaforum.org/

初演は、昨年11/25に行われています。
今回の再演にあわせて、紹介記事をこちらに書きました。
http://www.osaka-brand.jp/kaleidoscope/robot/index.html


平田オリザ氏は、90年代以降「静かな演劇」の旗手として
演劇界で注目を集めてきた存在です。

彼の作品では、日常の一場面を切り取ったような会話が
舞台上で繰り広げられますが、その淡々とした展開を
凝視していると、その中から一つのテーマが浮かび上がってきます。

彼は演劇というものを「ある場所で、観客の目の前で、
作り手の作為がもたらす何らかの出来事」と捉えています。

つまり、作り手が作為をもって構築した世界であれば
そこに起承転結からなるドラマや、役者の特権的な肉体がなくても
演劇として成立する、という考え方です。

だからこそ平田氏は、他の劇作家・演出家よりも
「ロボット演劇」を手掛けるのに適任だったのでしょう。

青年団の普段の芝居に見られるような
セリフの間や、言い淀みや、発話と動きのズレを
ロボットの演技にも活かしているので
意思を持たないはずのロボットが
本当に悩んでいるように見えます。

“夕焼けって、好きな人と見るのがいいんじゃない
“でも僕たちはまだ、そこまで進化していない。”

この公演、あちこちからオファーが来ているようです。
興味ありましたら、ぜひ足を運んでみてください。


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