2003/07/13(日)
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会すれど見(まみ)えず
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もう何年も前に 新長田の行きつけのバーで飲んでいたとき 向かいに座った酔っ払いのおじさんが 漢詩の話とかをいろいろ話しかけてきました。
まだ若くてすかしていた頃で 話もあまり面白くなかったので 話を適当に切りあげて本を読み出したところ 「会すれど見(まみ)えず」ちゅうやつやな、と。
そのおじさんの顔などはすっかり思い出せませんが その言葉だけは今でも覚えています。 どこを調べても出てこないところをみると おじさんの造語なのでしょう。
電車に乗っていて この車両に乗り合わせた人たちとは 大きな事故でも起こらない限り 深く知り合うことはないだろうと 思うことがあります。
パーティで名刺交換した相手でも 名刺交換しただけで、何の信頼関係も築くことなく 終わることがほとんどです。
人と人とが本当に「出会う」環境があって 相手を信頼してつながることができれば 何とかなることは一杯あります。
社会は全体的状況の微分ではなく 個々の活動の積分によって成り立っています。 不景気だからすべての物事が うまくいかない,ということではなく 信頼を前提にしたネットワークが 十分に成熟していない今の社会では 「不景気」という前提のもとでは 循環が滞る、ということのように思います。
まあ、そのおじさんと今会っても ちゃんと喋るかどうかは怪しいところですが・・・
今日はずっと雨。 ほとんど家にいて 英気を養っていました。
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