2006/06/17(土)
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大阪というまちの存立基盤(1)
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今日は大阪市大創造都市研究科のシンポジウムでした。
今回は事前にかなり勉強をしていて 喋りたいことが一杯あったのですが 会場に着いてから時間が10分しかないと聞かされ 無理矢理喋ったので、ちょっと消化不良気味でした。
ということで、ここに書きます。 長いので、興味ある方はお暇なときにお読みください。
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創造都市論に影響を与えたとされるアメリカの都市経済学者ジェイン・ジェイコブズは、その著書『Cities and the Wealth of Nations,1984 』(邦題「都市の経済学」)において、都市の成長と経済的多様化の要因として「輸入代替」を挙げています。
「輸入代替」とは、かつては輸入していた財を、自力でつくる財で代替することをいいます。
輸入代替を得意とするようになった地域は、都市になる。 そして、爆発的な輸入代替のエピソードをくり返し 経験する都市では、その経済は時代に即応したものに なり、イノベーションに基づく輸出の仕事を間断なく 続けることができる。 (ジェイン・ジェイコブズ著『都市の経済学』より)
ジェイコブズ氏の論が面白いのは、都市の発展についての楽観論だけでなく、都市の衰退についての鋭い視点を持っているところにあります。
都市地域の中核をなす都市が停滞し衰退する場合、 その原因は、もはやそこでは輸入代替にまつわるあの 重要なエピソードが経験されなくなったということで ある。停滞した都市経済は、しだいに先細りになり、 時代に取り残される。そこでは、旧来の輸出の損失を あらたな輸出の仕事で補うことができず、したがって その都市地域、他の諸都市、都市のない諸地域に対する 市場としてはしだいに貧弱になる。 (中略)都市の仕事を求めてその地域を離れる若者は、 地域内の都市を素通りして、仕事さえあれば遠方の 都市に行こうとする。 (ジェイン・ジェイコブズ著『都市の経済学』より)
都市再生の鍵を握っているこの「輸入代替」の機能を これまで実質的に担ってきたのは、商社でした。
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