過去の日記 16

2004/11/11(木)
一方このことも書いておいた方が
強盗に殴られ意識不明の男性死亡

先月26日午前2時頃、大阪市北区の繁華街で3人組の男に頭を殴られ、バッグを奪われた会社員戸野竜秀さん(28)が7日午前1時45分ごろ、入院中の大阪市内の病院で死亡した。

曽根崎署は容疑を強盗致傷から強盗致死に切り替え、被害品の確認など捜査を進めている。

調べでは、戸野さんは大阪市北区堂山町を1人で通行中、20歳前後の男3人に突然路地に連れ込まれ、殴られるなどしてバッグを奪われた。戸野さんは意識不明のまま入院していた。

戸野さんは起業家になるのを夢見て、ホームページ「起業WEB」を主宰していた。事件の3日前、配信していたメールマガジンにこう記されていた。「ほんとにここ数ヶ月、突っ走ってきた」「また整理して、選択と集中をして、成長していこうと思います」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先月25日は「裏説教バー」でした。
ニアミスもいいところです。

また先月29日の午前3時頃には
シングルズの下のお店で傷害事件が起きています。
こちらは客同士の喧嘩のようで
大事には至っていないようですが。

お店のマスターやお客さんに万一のことがあってはと
やはり思うわけです。


2004/11/11(木)
「決意表明」
さて、唐突ですが、僕が2001年5月5日に
「Bar SINGLES」の掲示板に書いた文章を添付いたします。

当時この文章を書いた背景
そして今なぜこの文章を引っ張り出してくるのかについては
あえて説明いたしませんので
いろんな方向から拾ってみてください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

明日、5月6日に「Common Bar SINGLES」はオープンします。

新しいお店は、約30人のマスター候補が
日替わりで店に入る、というシステムで運営されます。

基本スタンスは、「BARとしてちゃんと営業する」
というより、「それぞれが応分の負担のもとに
空間を維持する」ということにしており
各マスターにもそう伝えています。

各マスターは、一日に12000円〜15000円の
ノルマを持って店に入ります。
もし売上がノルマに届かなければ、本人が自腹を切ります。
またノルマを超えても、バイト代にもならない程度の
報酬しか支払われません。

つまり、店に入るのは、それだけのリスクを背負ってでも
自分の空間を持ちたい、という人たちです。

中にはカクテルを作らないマスター
酒に関する知識が不十分なマスターもいるかと思います
(だから4日間も実習をしているのですが)。

当然いいかげんな気持ちで店に立つ人は
排除していきますが、このシステムでしか
お店を維持することはできなかった、ということは
あらためてご理解ください
(しかも、このシステムはかなり危ういバランスの上に
 成立しています)。

(僕自身は今回のプロジェクトに、私財130万円と
 莫大な手間をかけています。
またこのプロジェクトで、僕は一銭も儲けるつもりは
 ありません。
そして初期費用として投じた130万円が回収できれば、
 このプロジェクトはいったん終了します。)

新しいシングルズは、30人のマスターが30通りの
カラーを出すお店になります。
個々のマスターのネットワークで、かなり多くの人が
出入りすることになると思います。
こうした人たちをつなぐサロン空間として
お店を機能させる時に、常に開かれた空間にしておく
ということを意識していて、各マスターにも伝えています
(「内輪の飲み会にはしない」「一見客を排除しない」)。

新聞に大きく取り上げられて、各マスターも
プレッシャーを感じています(ちょっと反省)。
このシステムが自走するようになるには
たぶん半年から1年はかかると思うので
しばらくは取材を制限して、その間に力をつけていこうと
思っています。

この試み自体実験的なもので、実際うまくいくのか
僕にも分かりません。
ひとつ、長い目、温かい目で見守ってください。


2004/11/10(水)
スタート!
グッドデザイン博覧会
どうにか午後1時のオープンに
間に合いました。

現在パラパラと
お客さんが来られています。



雰囲気をちょっとご紹介。
写真左は宇宙計画・清水勝さんの
スタンドランプと多機能家具。

写真右はkram・酒井礼子さんの
スツールとベンチです。

吉永健一さんによる
common cafe tableも展示されています。
こちらはまた追ってご紹介いたします。


2004/11/10(水)
Good De-Sign Expo
プロダクトデザイン。
それは消費者が実際に使用して
満足できる商品をデザインすることであり、
商品自体に付加価値をつけることでもあります。
それはあくまでも消費者の立場で
社会性を持って行われるべきものです。

一方、デザイナー個人にとって
デザインとは創造であり、
「de-sign=記号からの逸脱」であり
自己アイデンティティ発揮の場でもあります。

「グッドデザイン博覧会」は
こうした両義的な意味合いをもつプロダクトデザインを
デザイナー、ディレクター、クライアント、消費者の
それぞれの立場からあらためて捉えなおすことを
めざしています。


さて、明日10日(水)より16日(火)まで、メビック扇町において
「グッドデザイン博覧会」を開催いたします。
http://www.mebic.com/event/index.htm

この企画は、昨年2月にCommon Bar SINGLESで始まり
昨年6月からは会場をメビック扇町に移して
昨年12月まで毎月開催してきた企画の焼き直しです。

当初は誰でも出展OK
自分でいいデザインだと思ったものを出展して
販売も可能という趣旨で始めた企画でしたが
プロダクトデザイナーの持つジレンマや
建築家やインテリアデザイナーの方法論などを踏まえ
そこから昇華させた企画としてリバイバルしました。


今日は一日仕込み作業を行っていました。
ずいぶん形になってきました。
みなさま、ぜひ会期中にはお越しください。


2004/11/08(月)
表現者として表現者に対峙する
演劇や映像やアートにかかわる仕事をしていた時には
表現者と呼ばれる人たちと数多く接していました。
それは華やかな世界ですが、同時に
表現者の毒にあおられる世界でもあります。

人は何のために表現するのか?
それは人さまざまですが
生きざまとして表現にかかわる人にとって、表現行為とは
起死回生を狙った一撃である場合があります。

「幸せだったらものなんて作らないよね」(沼田元気氏)
「なぜ表現するのか?・・・自分を超えたいからだろ?」(畠山直哉氏)
※それぞれ何年か前のトークセッションでの発言より

自らの中に割り切れないものを抱えて
それをいかに引き受けるかと葛藤する中で生まれてくる「表現」。
それは何の悩みもなく生きている人たちに対する
ルサンチマンでもあります。

そうした毒にあおられる中で働いた防衛本能。
それは、自分自身が表現者となること。
僕の場合それは、演劇や映像やアートの表現をするのではなく
「表現のための器・システムを作るという表現」をするという方向に進みました。
僕がこれまでやってきたことは、実はそういうことだったりします。

が、最近、そんなものを抱えて表現する人が
ずいぶん少なくなったように思います。
それは社会としてはずいぶん幸せなことですが
表現が生きざまになった僕にとっては
物足りない時代でもあります。


2004/11/04(木)
今やらなければならないこと
を書き出してみると50もありました。

優先順位をつけて仕事をしなさい。
よく言われることですが
急いだ方がいい仕事が
50もある場合、どうしたらいいのか?


とりあえず2時間ほどかけて
簡単に片付きそうなものから
10個ほど消してみました。


今日の昼のコモンカフェは
松田朋子さん&堀居千春さんの 『MICHKA※2』。
大阪スクールオブキャリナリーアートで
カフェ開業をめざして勉強中のお二人です。
ふだんはそれぞれ別のカフェでアルバイト中。

メニューもしっかりと作っておられます。
フード・スウィーツとも頂きましたが
やはりクオリティが高い。
ぜひスムーズに開業まで行っていただきたいものです。

夜は「common style」として僕が入っていました。
4名の方が新マスターとして実習を受けられました。
実習を通じてそれぞれの方が知り合うというのも
なかなか見ていていい光景です。

みんなが帰ってから
今日は念入りに掃除と片付け。
その後大音量でフィッシュマンズの
「Long Season」をかけながら一人でハイネケン。

この時間のためにお店に入っているような気がします。


2004/11/03(水)
実験劇場としてのカフェ
コモンカフェでの
イベント宣伝を2つ。

喫茶芝居「贅沢な日常カタログ(※)」
作・演出・出演/国木田かっぱ&嶋田典子

第1回目 12/13(月)
開場18:30 開演19:30くらい

チケット:900円(別途ドリンク代が必要です)
席数:限定25名。

コモンカフェを使った約1時間の即興芝居です。
こういう実験はとても楽しみです。

この企画は今後月1回、1年間続く予定です。
詳細はこちらを。
http://www.kappapie.ne.nu


もう一つは「ヤクシマカフェ」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

わたしたちにとって途方もない、想像もつかない
遥か昔から生きている杉の木たち。

そんな木々もわたしたちも
同じ空を見上げているんですね。

大学のゼミ仲間で屋久島に行ってきました。
そこで見たもの・感じたものを
みなさんに伝えたいと思っています。

11/7(日)12:00〜18:00 入場無料

企画メンバー
 竹内 陽子 平野 麻衣子 松本 愉加子 三浦 喜世
 澤本 絵美 古一 麻由子 山崎 大介

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

屋久島で撮ってきた写真や映像を
お見せしながらの営業だそうです。

詳細はこちらを。
http://k.excite.co.jp/hp/u/yksmyksm


2004/11/02(火)
Mont Branc -白い山-
洋菓子の「モンブラン」は
東京発祥の洋菓子なのだそうです。

東京・自由が丘の洋菓子店主がスイスに旅行した際
ヨーロッパアルプスの最高峰・モンブラン
(Mont Branc -白い山-)の美しさに魅せられて
店名とケーキの名称に「モンブラン」の名を
いただいたのがその名の由来だということで。

マロンペーストは岩肌を
白いクリームは万年雪をイメージして
その店主が独自に開発したのだそうですが、
あえて商標登録をせずに「知的公共財」として
公開したので、日本中のどこのケーキ屋さんでも
見られるようになったそうです。

ちなみにモンブランはこんな山。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/1003/gallery/france/chamonix_mont_branc.htm

またMont Brancという名の万年筆もあったりします。

こんな感じで「六甲山」「Mt.Rokko」というブランドが
洋菓子や楽曲や文房具の名前として流通すればいいなと
「六甲山カフェ」のミーティングでよく話しています。


2004/10/31(日)
スーパーマーケットを微分する
生鮮食料品や加工食品
生活必需品が
所狭しと並ぶスーパーマーケット。

ここをうろつきながら
商品を作っている人
デザインを作っている人
そしてそれを買う人のことを
考えてみるという遊び。

一玉300円のキャベツ、700円の白菜を前に
みんながどんな顔をしているのか

TVなどのマス媒体で宣伝されていて
あとはそれと確認してもらうだけでいい
ブランド商品に対抗するために
零細食品メーカーがどんな
デザインコミュニケーションを図っているか

そして買い物に来ている人たちは
今から2時間後にどんな料理を食卓に載せるのか

そんなことを考えてうろつくと
1日遊べそうな気がしてきます。

行かなければならなかったので
遊びにしてしまったというだけの話ですが・・・


写真は気に入ったパッケージデザイン。
ゆばの袋にデザインされた山椒の葉と
バターの箱にデザインされた
ジャガバターとアスパラバター。

ミニマルながら購買者のイメージを
立体化させようという工夫がいいなと。


はい、そうです。
のんびりした休日を過ごしておりました。


2004/10/31(日)
デザインにお金を払う人の顔をよく見ておく
夕方に六甲にあるACTUSへ。
全国に直営ショップ9店舗
パートナーショップ33店舗を持つ
インテリアショップです。
http://www.actus-interior.com/

今は北欧の有名デザイナーの
名作家具フェアなどもやっています。

このショップが、広い店舗スペースのどこで
ブランドイメージを作り、どこで売上を上げているのか
そしてインテリアを買いに来るのはどんな人たちなのか
そんなことを見ていました。

おそらく新婚生活を始めるであろうカップル
家を住み替えるであろう家族連れ
二世帯で住むであろう親・子・孫
お店を経営しているであろうお洒落な中年男性
そんな方々が多かったように思います。

デザインの消費の現場をよく見ておくことは
また大いに勉強になります。


写真はアルネ・ヤコブセンのエッグチェア。

左はフリッツハンセン社とmina perhonenとの
コラボレーションで作られたものです。
買うと80万円ぐらいします。

右はACTUS横のthe Re_vival cafeにあるもの。
こちらで約70万円。
今日はここに座ってカフェラテを飲みました。


2004/10/31(日)
クリエイティブの郵便的不安
昨日は夕方に本町のmitteへ。
OSAKA DESIGNER'S WEEKのトークイベントへ。

infixの間宮吉彦さん、grafの服部滋樹さん、ケイオスの澤田充さん、
大阪市立近代美術館 建設準備室学芸員の菅谷富夫さん
といった顔ぶれで、司会進行は藤田幸恵さん。
200人近い参加者があり、会場は一杯でした。

デザインをする立場、デザインを使う立場、
デザインを研究する立場ということで
いろいろとお話を展開されておられました。
デザインとアートの違い、という話が
ずいぶん時間が割いて行われていました。

実は11月13日(土)に行う「グッドデザイン博覧会」
トークセッションの司会進行を務めるのですが
こういうイベントにはどういう人たちが
どういう興味関心で集まるのかを参考にしていました。
http://www.mebic.com/event/index.htm

その後STREET FURNITUREのオークションと
パーティに参加し、キーになっている方々と情報交換。

こんな仕事というか立ち回りをするようになって1年半
そろそろ大阪のデザインをめぐる状況とその本質が
分かってきたような気がします。

一つだけ書いておきます。
デザインに関するイベントの
クリエイティブ・ディレクションが甘いという状況。
東京と大阪とのやり取りの問題が多分にあるようですが
デザインの専門家とディレクションの専門家という
整理ができていないことが大きいのでは、と。
(この構図は劇場をめぐる状況にも通じています)


その後コモンカフェへ。
シングルズのマスターも務めている阿部大地さんが
フードを出したり、ライブをしたり、映像を上映したりと
盛り沢山なイベントをしていました。
あいにくライブには間に合わず
人が一杯で盛り上がっていたので長居せず
裏の「巣バコ」でジャズ聴きながら飲んでました。


2004/10/30(土)
29日のカフェ/バー
29日のコモンカフェは
平林之英♪音楽の旅 session2。

劇団☆世界一団の平林さんと
ミュージシャン・タップダンサー・
役者によるライブです。

世界一団や劇団赤鬼といった
神戸アートビレッジセンター時代に
よく知っていた人たちも集まっていて
僕にとってはちょっと懐かしいイベントでした。

シングルズは村上聡一 さん。
應典院でのアートマネージメントセミナーで
知り合った方々が集まっていたそうです。


2004/10/30(土)
クリエイティブ・ディレクションの時代
僕が扇町ミュージアムスクエア(OMS)に行った
'97年頃は、フォーラムと呼ばれるスペースは
ほぼ演劇公演で埋まっていました。

小劇場演劇が80年代後半から
90年代初めにかけての小劇場ブームを過ぎて
客層の固定化が進んでいた頃です。

大阪ガスが始めた
何だかよく分からないが面白い場所。
'85年のオープン時にはそんな評価を受けていた場所が
いつしか小劇場のメッカと呼ばれるようになっていました。

僕らがフォーラムの企画運営にあたって意識したこと
それは、今芸大に行っているような
感性の尖った人たちにとって
OMSは行っておかないとまずいぞ
そう思ってもらえるような場所にすることでした。

みうらじゅん大物産展やトーキョーNEOアチャラカ大行進
80年代的!映画祭やTIP COLLECTION(※)
といった企画を打ち出していったことは
僕らにとって、時代の感性との競争でした
(※)この2つは元OMSスタッフ・吉田和睦氏の企画です

こうした企画のビジュアル面での打ち出しや
フリーペーパーを使ってのアピールという部分に
随分こまかい配慮を行ってきました。

そしてこうした企画を打ち出している場所で
若手・中堅劇団の公演を行っていくことで
演劇以外に関心を持っている感性の尖った層に
演劇の面白さを伝えていくこと
それをかなり意識していました。


広告の世界では
“クリエイティブ・ディレクション”という言葉が
よく使われています。

企業のメッセージをターゲットとなる顧客に伝えるために
映像・グラフィックデザイン・コピーなどの
クリエイティブを正しく方向づけしていくこと
まあ、そういう意味の言葉です。

商品やサービスだけでなく、それを顧客に届ける手段まで
十分に趣向を凝らし、正しいコミュニケーションを行うこと。
この作業が、今や広告だけでなくあらゆるジャンルに
欠かせないものになってきていると感じています。


ここのところ、大阪には
劇場として使えるスペースが随分増えました。
OMS・近鉄劇場・近鉄小劇場が閉館すると
随分マスコミにも騒がれた後に
さまざまな方々の英断があっての現状です。

それらの場所が、お金を払って芝居を観に来る観客にとって
正しいクリエイティブ・ディレクションを行っているか?
今の劇場バブル的状況を、そういう視点で問い直してみる必要が
多分にあるような気がしています。


2004/10/29(金)
うしろ姿
25日にシングルズに入ったときに
キムさんの時代のお客さんだった
ケースケさんとマコさんが来てくれました。
で、いろいろと昔話をしていました。

あの時キムさんのお店に通っていなかったら
今の自分はずいぶん違っていただろう
そんな話を聞いてハッとしました。


そう。キムさんのシングルズに通っていなかったら
僕がバーやカフェを経営することはなかったでしょう。

そしてそもそも堺・上野芝にあった
リノポイントに通っていなかったら
扇町ミュージアムスクエアに行くことはなかったでしょう。

カウンターの中にいた人が魅力的だったこと
そしてそれ以上に、カウンターの中にいた人が
背負っていたものの大きさに僕らは惹きつけられ
そして変わっていく。

もしかしたらそれは大いなる勘違いだったかもしれない。
でもきっと、勘違いから生まれる文化があるんだろうね。

そんな渋い話をしながら笑ってました。


シングルズはあと1ヶ月で「移店」です。
この4年間にこの場所で起こったことを
あと1ヶ月かけて、ゆっくりと
振り返っていきたいと思っています。


2004/10/28(木)
プロダクトデザインの流通を考える
NIKKEI DESIGNの11月号で
「家具&雑貨店大全」という
特集が組まれています。
これはデザイン関係者でなくても
ぜひ読んでみてください。

プロダクトデザイナーが
自らのデザインを市場に届けるために
インテリアショップや雑貨店と組むケースが
最近は増えてきています。

商品を売る場所であるショップが
企画展やパーティなどを開催して
デザイナーやメーカー、ユーザー、
そしてメディアをつなげていくこともあります。
CIBONE http://www.cibone.com/
IDEEsputnik pad http://www.sputnik.ac/

それはショップがデザイン流通のインフラとして
重要な役割を果たし始めているということですが
惜しむらくはそのほとんどが東京にあるということです。


昨日は昼過ぎに堺市北花田にある「八木コレクション」へ。
若手デザイナーを起用して
店舗・ショールーム用の家具を
製造して卸しておられるメーカーです。

今回のグッドデザイン博覧会に出展いただく
平沼孝啓さんと大縄順一さんのデザインの椅子を
出しておられます。

家具メーカーという業界で差別化を図っていくには
デザインと価格はとても重要な要素。
うちも若い会社なので、若いデザイナーと組んで
一緒に伸びていきたい。

やはり関西では貴重な立ち回りです。


夕方に本町のレストランmitteへ。
http://www.mitte.ne.jp/
OSAKA DESIGNER'S WEEKイベントの一つ
大阪デザイン展"Street Furniture"を覗きました。

面白いな、と思った2点を勝手にご紹介。
実物はぜひ現地に足を運んでご覧ください。

出展作品は最終日にオークションにかかるそうです。
これもまたプロダクトデザインの流通。

その後mitteの山中夫妻と久々にお会いして情報交換。
OMSでレストラン「STAFF」(改装後「REPAIR」)を
運営されておられた方々です。


夜にメビックで、ハーベストプロダクツの
坂本麻夕美さんと打合せ。

デザイン流通のインフラとしてのショップを
関西でどうにか立ち上げられないだろうか。
そんな話をしていました。


2004/10/27(水)
六甲山をプロデュースしたイギリス人
神戸の居留地に暮らしていた
イギリス人貿易商A.H.グルームは
それまでハゲ山同然で打ち捨てられていた
六甲山の眺望と水の豊かな高原美に魅入られ
明治28年頃、三国池付近に別荘を建てました。

その後、彼はよい土地を選んでは家を建て
それを次々と外国人に譲り
次々と山上の住宅を増やしていきました。
数年で、外国人別荘が20〜30軒も建ち
山上に一つの外国人村ができました。

明治36年には山頂の高原に周囲8kmのゴルフ場を建設。
これが日本にはじめてできたゴルフ場です。

やがて六甲山の名は海外にも知られ
香港や上海からも外国人が来訪。
大正の半ばには「東洋でのバカンスは神戸で」と
言われるほどになり、その頃には別荘の数は
50軒ほどに膨れあがっていました。

グルームには"六甲山市長"の名が与えられたそうです。


このお話、下北沢に5軒の劇場をつくった
本多一夫さんの話にどこか似ているような気がします。


2004/10/24(日)
六甲山カフェ@大谷茶屋
今日は朝9時に阪急芦屋川駅集合。
「六甲山カフェ」メンバーによる
現地下見です。

朝9時に来たのは
松本秀浩さん、操本都さん、上田素子さん
5分遅刻して僕。

メンバーはみなさんシングルズのマスターにして
アウトドアや山登りに慣れた人達です。

そこから歩いて25分。
芦屋ロックガーデン入り口の
「滝の茶屋」「大谷茶屋」にごあいさつ。
それから山に登りました。


ロックガーデン中央尾根は
花崗岩の露出した岩肌を登り続ける
ダイナミックなコースです。
すぐに後ろには岩肌と街並と海が見えてきて
とても気持ちの良いコースです。

45分ほどで到着する風吹岩は標高447m。
多くの人が休憩するサロン的スポット。

そこから5分歩き、林を抜けたところにある横池は
実世界と切り離されたような雰囲気の場所です(写真左)。
池には大きく育った金魚の群れが泳いでいます。

そんな山歩きを楽しんでから「大谷茶屋」へ。
アウトドア情報センターの下城民夫さん
「ヤマケイ関西」ディレクターの中村圭志さんも合流して
一日カフェ実施にあたっての打ち合わせをしました。
 

僕と下城さんの、シングルズでの戯言から始まった
「六甲山カフェ」は、2度のTalkin'Aboutを経て
中村さんの大いなるバックアップを受けて
11月23日に実現する運びとなりました
やはり何でも口に出してみるものです。

今回は、街中のカフェを完全に山に再現するのではなく
街中のカフェを山に持ち込み、さまざまな世代の集う
サロンにするための方法をみんなで考える、という
スタイルにしたいと考えています。

みなさま、どうぞ足をお運びいただき
いろいろなご意見をいただければ。

「六甲山カフェ」11月23日(火・祝)10:00〜15:00@大谷茶屋
 ※11:00〜12:30にはシンポジウムを予定しています。

詳細はまた追って。


2004/10/24(日)
団地・ダンメン・ピクトさん
23日夜のコモンカフェは
「団地・ダンメン・ピクトさん」。

「キョート*ダンメンロシュツ」の
ウェブマスターであり
コモンカフェの設計者でもある
吉永健一さん主催のスライドショー企画です。
http://www.ne.jp/asahi/yos/studio/danmen/page067.html

解体された町屋の切断面をリサーチした
「キョート*ダンメンロシュツ」
http://www.ne.jp/asahi/yos/studio/danmen/
団地を執拗に取り上げた
「住宅都市整理公団」
http://homepage2.nifty.com/danti/
標識に見られる記号化された人物ピクトサインを観察する
「日本ピクトさん学会」
http://ww35.tiki.ne.jp/~picto/index.html
のウェブマスターによるスライドショー。
立ち見の大盛況でした。

ある対象を徹底的に集めて面白可笑しく整理する時に
面白いだけでは終わらない何かを拾っていることがある。

以前にOMSで「みうらじゅん大物産展」を開催したときに
感じたことです。
それに近いものを見たような気がします。


2004/10/23(土)
自発的になることを教えるというのはそもそも
僕は本業のメビック扇町の仕事で
年間に100ほどの講座を
企画・運営していますが
さいきんこの講座という形式に
大きなジレンマを感じています。



講師が受講者に教える、という形は
さまざまな情報やノウハウを
伝えることができますが
受講者の自発的な問題解決能力を
育てることにはなっていないのでは、と。

扇町クリエイティブカレッジ!(OCC!)の
秋講座がまもなくスタートいたします。
http://www.mebic.com/seminer_info/index.shtml

今回のシリーズでは、OCC!の新たな方向性を
模索していきたいと考えています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

22日の夜はコモンカフェにて「Work Style Cafe」。
http://www.talkin-about.com/xoops/modules/eCal/

今回は「雑誌編集のお仕事」。
ランチ仲間の狩野哲也さんにお願いしました。

カノさんはフリーランス編集者兼ライターとして
主にアルバイト情報誌「an」の編集の仕事をしつつ
フリーペーパー「ウクレレよいこ新聞」の
編集長をされています。
http://ha4.seikyou.ne.jp/home/T-Kano/

カノさんから編集者の実際の現場のおシゴトについて
まず1時間ほど紙芝居形式でご紹介いただきました。
その後参加された方からの質問にカノさんが答える
という形で1時間ほど。

ゲストだけでなく参加者の「質問力」が
サロンの良し悪しを決める。
Work Style Cafeではそんなスタンスをとっています。

参加者は僕とカノさんも入れると20名。
熱心な方、いい質問をされる方が多かったようです。


2004/10/22(金)
まちづくりの遊撃手
そうそう、今度こんなのをやります。





扇町クリエイティブコンファレンス vol.5「まちづくりの遊撃手」

パネラー:
 小関道幸氏 朝日放送 報道情報局次長
 北川公彦氏 大丸心斎橋店 周辺店舗部長 
 小原啓渡氏 アートコンプレックス1928 プロデューサー
 西水卓矢氏 宝塚クリエイティブアーツ 取締役メディア事業部長
 渡辺敏幸氏 新風館 館長


 アメリカ村・南船場・堀江・空堀・中崎町に象徴される、個店の集積からはじまるまちづくりが最近注目を集めています。20世紀における大阪の都市開発は、基本的には梅田・心斎橋・難波に象徴される大規模なターミナル開発を軸に展開されてきましたが、こうしたマクロレベルのプロデュースについては、今ではプロデューサーの顔が見えにくくなってきています。

 まちを大きく変えようとしているのは誰? そこにはどんな思いが込められているのか?
 今回のコンファレンスでは、マクロなまちづくりにかかわっているプロデューサーの方々にお集まりいただき、それぞれのプロデュース論について熱く語っていただきます。


日時:2004年12月4日(土)5:00 p.m.〜7:00 p.m.
会場:扇町インキュベーションプラザ(メビック扇町)
〒530-0052 大阪市北区南扇町6-28 水道局扇町庁舎2F
参加料:2000円
交流パーティ 7:00p.m.〜8:30 p.m.(参加料1500円)

主 催:扇町インキュベーションプラザ(Mebic扇町)

ご予約・お問い合わせ:扇町インキュベーションプラザ(Mebic扇町)
〒530-0052大阪市北区南扇町6-28 水道局扇町庁舎2F
Tel:06-6316-8780(平日10:00〜17:00)
Fax:06-6316-8781
e-mail:info@mebic.com http://www.mebic.com/

チラシのイラストは、キリタニさんの日にシングルズに
よく来られるヤマサキタツヤさんにお願いしました。
http://www.yamasakki.com/


2004/10/22(金)
広畑さんの苦労
毎週木曜の夜と金曜の昼に
カフェ「太陽ノ塔」の広畑さんに
コモンカフェに入ってもらっています。

「太陽ノ塔」はコモンカフェから
歩いて4分ほどの、中崎西の住宅街の
中にあるカフェです。
http://datapot.com/~cafemania/cafe_k/kansai25.html

広畑典子さんと岡本真矢さんの
2人でやっておられます。
築70年になる印刷所の倉庫を改修してできた
いわゆる町屋改装カフェです。

このお店が抱えている大きな問題。
それは、隣家とのトラブル。

戦災を免れた町に古くから住んでいる住民と
最近やって来てカフェや雑貨店を開業する若者との
価値観の相違やディスコミュニケーション。
それはこの町の一般論ですが
このお店の場合は常識の度合いを超えています。

夜になったら毎日のように怒鳴り込んで来る。
階段を2階に上がる音がするだけでやって来る。
一時は調停沙汰になっていました。

で、今日はお店の扉のガラスを割っていったそうです。
警察が来る騒ぎになっていたようです。


彼女たちが本当にやりたいのは
昼間はカフェ、夜はお酒を出しての営業なのですが
夜営業がここでは思い通りにできない状況。

じつは広畑さんがコモンカフェに入ってくれているのは
夜に気兼ねなく営業できる場所がほしい
という理由なのです。

もしもいい物件の話などあれば
ぜひ彼女たちにご紹介いただければと。

写真はコモンカフェに入っている
広畑さん(左)と岡本さん(右)。


2004/10/21(木)
イベントの交通整理
大阪近辺では、10月下旬から11月上旬にかけて
デザインやアートに関するイベントが
矢継ぎ早に開催されます。

■Osaka Designer's Week 10/27 wed.〜31 sun.
 http://www.tdwa.com/odw_04/index.html

■Kyoto Designer's Week 10/30 sat.〜11/3 hol.
 http://www.tdwa.com/odw_04/index.html

■大阪ミナミ芸術祭 11/1 mon. 〜7 sun.
 http://www.m-a-f.jp/event_list.html

■第6回オオサカデザインフォーラム 11/6 sat.
 http://www.osaka-design-forum.jp/

これはとてもゴージャスな状況なのですが
この全てのイベントを把握している人は多くないはずです。
こういうことに関心のある方、お見逃しなきよう。


またこんなイベントも。

■天満埠頭 10/30 sat.〜11/7 sun.
 http://www.suito-osaka.net/tenma-futou/

アートアンドクラフトの中谷ノボルさんが
深く関わっている企画です。
僕の中の「六甲山カフェ」のイメージと多少かぶります。

そして手前味噌ながら

■グッドデザイン博覧会 11/10 wed.〜16 tue.
 http://www.mebic.com/event/index.htm

メビック扇町の主催事業です。
最近この準備で忙しくしています。

■六甲山カフェ 11/23 hol.
 やることだけはどうにか決まりました。
 詳細はしばしお待ちください。


2004/10/20(水)
プロデュサーの球筋を読む
愛知県・奥三河の湯谷温泉にある「はづ別館」に
『料金はお客様が決めて下さい』という
型破りな料金システムを昭和57年に導入したのは
2代目の加藤浩章氏。
先代は三河湾にある幡豆の出身で、
昭和24年に「はづ別館」を創業。

その独特なシステムで
全国にその名を知られたはづ別館は
その後も個性的な宿を次々と誕生させていきました。

富山から合掌造りを2棟移築した
「はづ合掌」(平成3年〜)。
地元で割烹旅館として使われていた建物を活かし
設計を凝らして改築した「はづ木」(平成6年〜)。
大型観光ホテルをリニューアルして
アロマテラピーサロンや「藍染め」「陶芸」などの
体験コースを取り入れた「湯の風HAZU」(平成8年〜)。
http://www.hazu.co.jp/

そして平成13年には愛知県・三河湾の西浦温泉に
リゾートブライダルと充実したエステメニューを備えた
「和のリゾート はづ」をリニューアルオープン。
http://www.hazu.co.jp/wahazu/index.html

これらのプロデュースを通じて加藤氏は
旅人にとっての宿の価値にこだわり続けてきました。

「特別なことではありません。こだわりを持って
 旅人をもてなす想いでやっています」


家族サービスで行った温泉旅行で
偶然入手した情報からたどった物語です。

プロデューサーとは、その功績を掘り起こさないと
なかなかその価値が見えてこない存在なのですね。


2004/10/17(日)
峠の茶屋つながり
16日。
夕方に阪急甲東園の「D2」へ。
ヤマケイのディレクターの
中村圭志さんがマスターでした。
ビル・エバンスを聴きながら
六甲山カフェの打ち合わせを少し。

まだ茶屋には話が通っていませんが
11月23日に実施する方向で
各方面に働きかけていただいております。

ちなみに10月24日(日)には
有志で朝9時から現地の下見に行く予定です。


コモンカフェは、笑撃武芸団による「侍カフェ」。
元日光江戸村をはじめとする時代村グループから
独立した、関西在住の役者三人組です。
http://www10.ocn.ne.jp/~cmc/00info_news.htm

飲み物・食べ物を出しながら
南京玉すだれや大根切り、時代劇などを
注文を受けるたびに見せておられました。
芸のある方々です。

コモンカフェが、峠の茶屋のようなことになっていました。


2004/10/16(土)
デジタルの端と端はアナログ
14日のシングルズは
松本さん(右)と吉田さん(左)。

彼らの日には、IT系を中心とした
起業家、起業志望者が集まっています。
いいサロンになっています。

松本さんは、17日が誕生日だそうで。
ケーキのおすそわけにあずかりました。


2004/10/16(土)
まちの動きを踏まえて
シングルズのある
阪急東通商店街のアーケードが
途切れるあたりは、ここ2年ほどで
ずいぶん風俗街化が進みました。




ぼったくり防止条例ができた頃から
風俗店を紹介する無料紹介所が出てきて
派手なバルーンと電光パネルで
まちの風景を変えていきました。

飲食店や衣料品店がつぶれるたびに
風俗店と無料紹介所が増えていくサイクル。
一時沈静化していた悪質な客引きはいつの間にか復活し
界隈は夜とても歩きにくい場所になりました。

文化は悪場所から生まれるといわれますが
いろんな人に足を運んでもらいにくい状況は
やはりしんどいなと。

 左写真の左上の方に
 シングルズのオレンジ色の看板が見えています。


東通商店街奥の道路建設予定地で
頑なに立ち退きを拒否していた古美術屋が
北野病院の北の方に移転しました。
これにより、北浜から中崎町に抜ける大通りが
おそらく今年度中に開通するでしょう。

この道は、コモンカフェの正面で
都島通りに交わることになります。

 右写真の真ん中の、屋上に広告塔があるビルの
 地下1Fにコモンカフェはあります。


11月末のシングルズのコモンカフェへの“移店”は
こうした動きを踏まえてのことなのです。

※シングルズの“移店”については、お手数ですが
 8月27日付の日記をご覧ください。


2004/10/14(木)
昨日今日のつれづれ
12日の夜は
メビック扇町のロビーで
work Style Cafe。
http://wkstylcafe.s60.xrea.com/



元扇町ミュージアムスクエア
(OMS)の映画館支配人で
現神戸アートビレッジセンターの
坂本潤也さんにお越しいただきました。

チェーン・単館系・配給会社系・
そしてシネコンの映画館の現状について
いろいろお話しいただきました。

その後メビックの松井さん、元OMSの宮本さん、
南河内万歳一座制作の奈良さんといった
OMSなメンバーで「ダイワ」で飲み。
元ぴあの金田さんもお店にいたりと
とても懐かしい雰囲気でした。


13日のシングルズ。
松本さん、高橋さん、桐谷さん、シビタさん、藤田さんと
カウンターに5人のマスターが立っていました(左)。

その後東通商店街奥の「サードストーン」へ。
マスターの藤井さんと話し込んでいました(右)。

「ポエトリーリーディングの夕べ」を
やっていた時に随分お世話になったお店です。
11月には5周年を迎えるそうです。
http://www.h3.dion.ne.jp/~t-stone/

阪急東通商店街の奥のアーケードが切れるあたりには
個人で経営している魅力的なバーがいくつもあります。
3〜4年前には、扇町Talkin'Aboutで
そうしたお店をつないでいく試みをしていました。
その後界隈の風俗街化が進んでしまいましたが
思いのあるマスターが相変わらず頑張っているエリアです。


2004/10/14(木)
世界標準からみた日本のデザイン
12日の昼に
pd design studioの
濱田いづみさんと橋本英生さんと
「グッドデザイン博覧会」の打ち合わせ。
http://www.pd-design-st.com/

お二人は、9月下旬にロンドンで開催された
ロンドン・デザイナーズ・ブロックに出展されていました。
3日間ですが、昼は展示会、夜はパーティと
かなりハードなスケジュールだったそうです。

日本のデザイナーが
なぜわざわざ海外の展示会に出展するのか?
そうした意見を求められる中で見えてきたこととは?
以下うかがったコメントより抜粋。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

日本ではデザインが、表層的な、浮ついた部分で捉えられることが多いが、イギリスではより深いところでデザインを捉えようという土壌がある。

高度成長期・バブル期を通じて、今まで日本はマスプロでものを作ればいいだけだった。今はアジア諸国がもっと安くものを作る。自分の会社の製品にオリジナルアイデンティティをつけないといけない。だが、今は過渡期で、デザイナーが自分たちの考えを発揮しても受け入れられる状況ではない。

思想的なもので理解を求めるには、海外に行かないと。まず面白いことを考えるデザイナーだと見つけてもらう。パーソナリティをまず見てもらって、どういうデザイナーなのかを位置づけてもらうところから始めないと。

イギリスは成熟した国。フリーランスがメーカーと直で契約を取って仕事しているのが当たり前の国。

ここではシビアの意味が違う。お金や仕事に対しての貪欲さはもちろんあるが、デザインに対する貪欲さがある。自分たちがどういうデザイナーであるかを相手に伝えるのを怠っていない。

カナダ・中国・韓国・イギリス・フランスなどは、国のバックアップがある。それが当たり前の状況が世界にはある。こうした国のデザイナーはスピード感が違う。3年後、5年後、10年後を考えると、国としてデザインに対して十分なバックアップを行っていないことが、日本の経済に大きく影響を与えるのではと思える。韓国・中国は今すごい勢い。ここ数年で肩を並べるか、抜かれるのでは。

フィリップスの家電デザイナーの方曰く「すぐれたデザイナーは今の時点ではヨーロッパで活動するべき。拾ってくれる、理解してくれる環境が明らかにそちらにある。」

世界と日本の中で起こっていることのギャップを肌で感じた。自分たちがどこを的に球を投げればいいのか、投げるべき球は何かが見えてきた感じがする。

会場で心理学の教授と会って話すことで、全くの異業種の方と一緒にデザインを練り上げていくという可能性に気付いた。こういうことにまず興味を持ってもらうことが日本ではない。

日本の情報誌はとても偏っている。偏った情報しか与えられていない。情報を発信する側が枠をつくっているように思える。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この国は、デザインという分野でも
世界標準からみた相対視が必要のようです。


2004/10/11(月)
純粋休日日記
昼過ぎに、NY在住で
コンテンツ制作の仕事を
しておられる松尾和之さんと
阪神芦屋のにしむら珈琲で
お会いしました。


在英2年在米18年で、
シッパー経験をもとに
アメリカでの仕入れ買い付けを指南する
サイトを運営されておられる方です。
http://www.plentv.com/shiire-net

十数年前には輸入すれば売れたアメリカ物。
今は海外での展示会に
商社の人が目立たなくなるほどに
大量仕入れが成立しにくくなっているそうですが
アメリカ物の動向が国内に伝わっていないので
実際に展示会に足を運んで、メーカーやショップの
動向をつかんで、小回りよく動ければ
逆にビジネスチャンスはあるでしょう、と。


その後京都へ。
劇団衛星のお芝居を観劇。
http://www.e-cockpit.info/

四条烏丸駅すぐのテナントビルの
空きスペースに50席の移動劇場を持ち込み
劇団としての公演とともに、他の劇団や
ダンスカンパニー・パフォーマーによる
24日間の連続公演をプロデュースするというもの。
今日が楽日でした。

劇団が舞台での表現だけでなく
周辺の状況まで含めて
作品としてプロデュースするという試み
それを経済的に成立させるための
アライアンスを組むという方法論。
こういう実験は意味があるなと。


とんぼ帰りで中崎町のsoramimibuncoへ。
[ヒト×ホン:「中崎町」な人々]展を
終了間際に覗きました。
http://soramimibunco.ciao.jp/

中崎町にかかわりあるショップやクリエイターの方々が
おすすめの本を紹介する展覧会企画です。
common cafeとしても出展させていただきましたが
絵本や写真集や洋書が並ぶ中に
「OMSとその時代」を出してみました(左)。
まあそれがアイデンティティなんだからしょうがない。


common cafeでは“ばーらー”さんが
和STYLEカフェ+BOOK COVER展をやっていました(右)。
着物を着た出展作家さんたちが
お茶やスウィーツを出していました。
ばーばーさん以外のほとんどの人を知らないのですが
お店はうまく回っていたようです。


2004/10/11(月)
塩deBAR
今日のシングルズはSaltworksの大塚さんと尾原さん。
今回もいろいろな珍しい塩で
ソルティドッグを作っていました。
お客さんは一杯でした。


 OR AND
スペースで区切って複数指定可能
[TOP]
shiromuku(hu1)DIARY version 3.02