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2021/11/14(日)
がくげいラボ×Talkin'Aboutの近況


11/12(金)のがくげいラボ×Talkin'Aboutでは、
『地形散歩のすすめ』を出された新之介さんとセッション。
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-lab/talkin-about-vol-6-211112/

新之介さんは、タモリさんが「ブラタモリ」の中で、
鉱物を見て心底喜んでおられる様子を見て
「自分もああなりたい」と地学についての探求を深め、
今回の本を書きあげるに至ったのだそうです。

僕は実は中高で地学研究部地質班にいたので、
地学はある程度分かるのですが、
興味関心が身の回りにある“普通の石”ではなく、
水晶やトパーズなどの宝石に向かったので、
今回の話はかなり新鮮でした。

新之介さんは、あまり下調べをしないでまちに出て、
地形図と比べながら徹底的にまちを歩いて調べ、
そこで生まれた謎を調べていく中から新たな発見に至る
という手法を取っているのだそうです。

僕も似ているのですが、追いかけているのが
新之介さんは「地形」で、僕は「物語」なので、
お互いに違うものを追いかけて同じようなフィールドを
歩いているというのが、とても面白かったです。

次回のがくげいラボ×Talkin'Aboutは、12/6(月)。
東京大学先端科学技術研究センター特任准教授の吉村有司さんと喋ります。
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-lab/talkin-about-vol-7/

吉村さんは以前、マサチューセッツ工科大学の研究員で、
僕がハーバード大学のフェローでケンブリッジ市にいた時に
毎日「Darwin's Ltd」というカフェで顔を合わせていました。

建築家であり、ビッグデータ・AIを用いたまちづくりの
専門家でもある吉村さんと、当時の話も交えつつ、
最近のお仕事や関心事について聞いてみようと思っています。

興味ありましたら、ご参加ください。


2021/11/10(水)
コモンカフェ、再起動!


昨夜はコモンカフェミーティング。
お店とオンラインとで、15名の店主が集まりました。

はじめて参加いただく方も多かったので、
自己紹介や近況のシェアに時間をかけましたが、
こんなメンバーが一つのお店を回しているなら
いろんなことができそう、という高揚感を共有できました。

コロナがずいぶん落ち着いてきたので、コモンカフェでも
いろんな企画を復活させていきたいと思っています。

まずは「超初心者向け英語サロン」を
11/18(木)18:30〜開催いたします。
今回はこのテキストを読んでみます。

NPR記事「気候変動の見えない被害者たち」
https://www.npr.org/sections/goatsandsoda/2021/11/09/1053818525/theyre-the-invisible-victims-of-climate-change

興味ありましたら、ご参加ください。


2021/11/09(火)
地形/物語散歩のすすめ


さて、今日のリマインダー告知を。11/12(金)夜には、
京都・学芸出版社で、「大阪高低差学会」代表、
ブログ「十三のいま昔を歩こう」管理人の
新之介さんにお話をうかがいます。

がくげいラボ×Talkin’ About  vol.6
山納洋×新之介 『地形/物語散歩のすすめ』
11/12(金)19:00〜 @タイルギャラリー京都(学芸出版社3階)/オンライン(zoom)
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-lab/talkin-about-vol-6-211112/

新之介さんはこの11月に『地形散歩のすすめ 凹凸からまちを読みとく方法』という本を
学芸出版社から出されます。
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527969/

この本では「まちなか」「山地」「河川」「海岸」「火山」「地形と人の暮らし」の
6つのカテゴリーで、地形散歩に役立つ知識がまとめられています。
インパクトのある写真がふんだんに使われていて、
とても読みやすく、理解しやすいつくりになっています。

新之介さんは自然と人間の織り成すドラマを読み解く“地形派”ですが、
僕はむしろ、 地域の人々の織り成すドラマに萌える“物語派”なので、
当日はお互いの視点を楽しみたいと思っています。

*写真は2019年8月に、谷六の隆祥館書店での
 新之介さんとのトークセッションの時の写真です。
 『歩いて読みとく地域デザイン』の出版記念でした。


2021/11/08(月)
Walkin’About @龍野


さて、リマインダー告知を。
11/13(土)のTalkin'Aboutでは、たつの市を巡ります。
今回は朝10:45に集合で、2時間半をかけてまちを探っていただきます。
僕は個人的には、醤油とそうめんの産業を調べる予定です。

*当日飛び入り参加OKですが、事前にご一報いただけると助かります。

自分が行きたい場所を訪ねるまちあるき「Walkin’About @龍野」

 開催日:2021年11月13日(土)
 集合時間・場所 10:45 @JR本竜野駅改札
 (10:22 JR姫路駅発の姫新線各停にご乗車ください)
 再集合時間・場所 13:30 @たつの市立中央公民館 2階研修室  参加無料

 龍野の地は揖保川沿いに出雲街道が通る交通の要衝で、中世には赤松氏の本拠地である城山城がありました。戦国時代の織田信長による征圧等を経て、江戸時代初期に姫路藩池田氏の領地となりました。池田利隆の死に伴い、この地に本多政朝が入封、龍野藩が立藩して城下町が形成されました。以後、諸氏の支配や天領を経て、最終的には1672年にはじまる脇坂家10代200年の治世の後維新を迎えました。

 現在の旧龍野市街地には近世城下町の町割りが現存しています。武家屋敷や町屋が多く残る、脇坂藩5万3千石の城下町地区は、歴史的町並みを形成し「播磨の小京都」として親しまれています。
 明治維新における廃藩置県の際には龍野県となり、後に姫路県(のち飾磨県と改称)に併合されました。1876年8月に飾磨県が兵庫県に編入されて以降は、兵庫県に属しています。市内には複数の工業団地が立地している他、地場産業として古くから醤油、素麺、皮革の生産が盛んであり、いずれも全国的な知名度があります。
 風土が生み出した手延素麺や醤油醸造、皮革産業、かばん産業といった地場産業が根づく一方で、ハイテク産業や電機産業も発展を続けています。特色ある農業も盛んで花きや紫黒米、軟弱野菜、トマト、大根などが栽培されています。

 今回はこの街を、みなさんの視点で切り取っていただきます。

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 “Walkin’About”は、参加者の方々に思い思いのコースをたどっていただく“まちあるき”です。
参加者の方々は、集合場所でエリアについての説明を受けたあと解散。約90分後に再び集合いただき、それぞれの見聞や体験をシェアします。

【主催・お問い合わせ】大阪ガス(株)NWカンパニー 都市魅力研究室 担当:山納  Tel 06-6205-2366  
 http://www.toshimiryoku.jp
【協力】龍野歴史文化資料館、龍野地区まちづくり協議会、龍野文化伝承会、龍野商工会議所 


2021/11/07(日)
高取山にもおかんアートが


先日のTalkin’Aboutの時に、高取山の投輪も地域資源ですよ、
と山下香さんに話したところ、興味をお持ちいただき、
今朝は一緒に清水茶屋に行ってきました。

清水茶屋に入った途端に、山下さんの目がキラリ。
こんなおかんアート作品が置いてあったのでした。
僕は何十回と来ているのに全く気付いていませんでした。
人が注目するポイントというのは様々です。

清水茶屋の藤田佳子さんによると、作家さんは80代で、
こういう編みぐるみを作ってはプレゼントしているそうで、
高取山の常連さんでこの子たちをリュックに
付けていない人は「モグリ」なのだと。

おかんアートって、本当に兵庫区・長田区の地域資源なんですね〜。

山下さんは、1月の和田岬でのおかんアート展に向けて
この“巨匠”のスカウトに、再度茶屋を訪れるそうです。

その後投輪も楽しんだのですが、写真を撮り忘れました…


2021/11/02(火)
11/25(木)うめきたTalkin’About「これからの郊外住宅地と住宅」


次々回のTalkin'Aboutでは、関西大学の岡先生に
郊外住宅地のこれまで・現在・これからについて
話題提供いただきます。


うめきたTalkin’About「これからの郊外住宅地と住宅」

2021年11月25日(木)7pm〜9pm
場所:大阪ガス(株) エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室 
話題提供:岡絵理子氏(関西大学環境都市工学部建築学科教授) 参加無料

 1960年代、高度経済成長期を目前に地方から大都市に集まった多くの働き手は、まちで仕事を得て、伴侶に巡り合い、家族をつくり、都市の賃貸住宅で暮らしました。彼らはいずれ庭付きの一戸建て住宅に住みたいと望み、その願いを叶えるように、山が崩され、郊外戸建て住宅地が開発されました。
 現在、これらの住宅地を見てみると、人口や世帯構成が変化し、戸建て住宅の形やそこでの暮らしは大きく変化しています。また、住宅地開発は今でも続けられ、その住宅地の持つ意味が変わってきています。

 今回のTalkin’Aboutでは、『鉄道と郊外 駅と沿線からの郊外再生』(鹿島出版会)の中で「郊外住宅地・住宅の変容と未来像」をまとめられた岡先生に話題提供いただき、郊外住宅地のこれまで・現在・これからについて話し合います。

※同イベントは、ZOOM併用で開催いたします。参加を希望される方は、info@talkin-about.com までご連絡ください

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 うめきたTalkin’Aboutは、あるテーマについて興味・関心を持った人たちが集い語り合うサロンです。思いある人たちが自由に集い、情報を交換し、ネットワークを広げ、そこから自然なかたちで新しいアイデアやコラボレーションが生まれていく、そうした場づくりを目指しています。


【会 場】
 大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室
グランフロント大阪北館 タワーC 713
 ●JR大阪駅、地下鉄・阪急梅田駅より徒歩8分
 *北館1FよりタワーC入口に入り、奥にあるAエレベーターで7階にお上がりください。

【お問い合わせ】
 大阪ガス(株)NWカンパニー 都市魅力研究室 担当:山納 Tel 06-6205-2366


2021/11/01(月)
限界芸術としてのおかんアート


10/29(金)のうめきたTalkin'About
「地域資源から始まるローカルプロジェクト」には、
11名の方にご参加いただきました。

阪神・淡路大震災で甚大な被害を受け、高齢化が進み、
地域経済が衰退している神戸市兵庫区・長田区で、
山下香さんと淡路屋の伊藤由紀さんは「下町レトロに首っ丈の会」を発足し、
地域資源を発掘し、マップを作成し、下町遠足ツアーを開催していました。

そのツアーの中で2人は、不思議な手芸作品が
あちこちに展示されていることに気づきます。
そしてスナックのママを起点に、これらの作品を作っている
「おかんアーチスト」を発掘していきます。

そして彼女たちの作品を本にまとめ、
2009年には「おかんアート展」を開催しました。
当初は作品の展示に躊躇していたおかん達でしたが、
やがて主体的に展示したり、教室を開催したり、
婦人会と共催したりするようになりました。
やがて若い世代のクリエイターの出店も増え、
若手スタッフの運営チームが発足し、
全国の朝の番組で取り上げられたり、
巨匠の作品が森山直太朗氏のブックレットに取り上げられたりと、
さまざまな展開を生み出してきました。

近年は、若手スタッフが、作品だけでなく
作家に注目してもらえるような見せ方の工夫を行っており、
おかんアーチストたちも、自分の作品を展示・販売するだけでなく、
展覧会の開催を継続したい、そして若い子たちに何かしたい、
と思うようになり、和田岬の淡路屋さんの周辺で、
作品展や教室を開催するようになっています。
一方で今年8月には、「うまい棒」ともコラボし、
阪急百貨店うめだ本店にブース出展も果たしています。
https://www.facebook.com/okanart/

山下さんたちは、発掘し、発信と交流の場を作りつつも、
おかんアーチストたちが、自分たち自身が資源だと自覚し、
活動を通じて変化していくのを、見守って来られました。
その十数年にわたるストーリーを、今回共有いただきました。

哲学者の鶴見俊介さんは、専門的芸術家によるのでなく、
非専門的芸術家によって作られ、大衆によって享受される
芸術を「限界芸術」と名付けました。
著書『限界芸術論』では、落書き、民謡、盆栽、漫才、
絵馬、花火、都々逸、マンガなどを例に論旨を展開していますが、
鶴見さんがおかんアートを知っていたら、
この列に加えていたに違いないでしょう。

おかんアート展は、来年1月には和田岬で、
また1月〜4月には、都築響一さんとコラボで、
東京・渋谷公園通りギャラリーで開催されるそうです。
ぜひどちらか、または両方に、足をお運びください。


2021/10/31(日)
ゲストハウス「Megino」


今回の男木島行きでは、男木島に宿が取れず、
女木島にあるゲストハウス「Megino」に泊まりました。
女木港がある東浦の集落から少し北に進んだ、
砂浜沿いに建っていて、目の前が海です。
http://megijima-megino.com/

「Megino」を営むのは、栃木県出身の目加田怜美さんと、
旦那さんのトールステン・クナベ(通称トト)さん。
開業は2019年で、トトさんがここを訪れたのが2020年4月。
仕事を辞め、家を引き払い、片道航空券でドイツから日本に来て、
コロナ禍で国境が封鎖された時に日本に留まっていたトトさんに、
目加田さんは「ここに泊まって手伝いませんか?」と声をかけました。
そして裏庭に菜園を作り始めました。

その年の10月に、二人は結婚。
トトさんは調理や掃除などの仕事をここでされています。
いただいた晩御飯はこんな和風料理でしたが、
この料理を作って下さったのはトトさんです。

「開業した2019年には瀬戸内芸術祭があって、
 ありがたいことに、連日満室になっていました。
 それが芸術祭が終わり、2020年になるとコロナで、
 お客さんが全く来なくなりました。
 なので、普通の状態をまだ知らないのです。」
怜美さんは、そうおっしゃっていました。
そして来年は、4月からまた芸術祭が始まります。

ところで、女木島も、人口は約150人です。
高松からフェリーで20分と、行きやすい島なのですが、
移住者は今のところ、そんなに多くはないようです。
この島も、また探ってみたいと思います。


2021/10/30(土)
もしも世界が人口150人の島だったら(5)


海征食堂の横の階段を上がっていったところに
「ダモンテ商会」というパン屋さんがあります。
https://damonte.co/

2016年に男木島に移住され、築100年の古民家の納屋を
10ヶ月かけてDIYでリノベーションして、2017年11月に開店。
パンを焼き、お菓子を作り、小麦を栽培し、ニワトリを飼い、
イノシシを獲って捌き、そして子どもを育てておられます。

お店には2階席があって、そこから港が望めるのですが、
残念ながらコロナでテイクアウトのみの営業でした。

昼12時半頃に行くと、机の上に出荷用の箱が重ねられていて
これからそこにパンを入れて梱包するようでした。
そこにヤマト便のお兄さんがやって来て、
まだ出荷準備ができていないのを見て、
少し焦った様子で「また後で来ますね」と。
昼1時に出る高松行のフェリーに載せる荷物です。

コーヒーとケーキを頼んでいた僕が「後で出直しましょうか?」と言うと、
店主の祐子さんは「大丈夫。いつもこんな感じだから。
でも(宅急便の)お兄さんは焦るでしょうね」と。

男木島に移住した人たちの中には、
IT系の仕事で、外貨を稼ぎながら島で暮らしている人と、
ダモンテさんのように島で起業している人
島にあるいくらかの仕事に就いている人、
そして高松に働きに出ている人がおられます。
自活のための条件は、都会で暮らすよりも厳しいですが、
みなさん充実した日々を送っていられるようでした。

イギリスの人類学者ロビン・ダンバーは、
霊長類の脳の大きさと平均的な群れの大きさとの間に相関関係を見出し、
そこから、人間が円滑に安定して維持できる関係は150人程度で、
この数を超えると、グループの団結と安定を維持するために、
より拘束性のある規則や強制的なノルマが必要になる、
と主張しています。
https://globe.asahi.com/article/14378335

この「ダンバー数」には異論もあるようですが、
オフィスの収容人数を150人以内にするなど、
組織のマネジメント手法として採用する企業もあるようです。

人口150人の島で暮らすということは、
全員の顔を知っていて、どういう人かを知っていて、
声を掛け合い、気を配り合い、協力し合いながら
生活を営むことができる環境で暮らす、
ということなのかも知れません。

付き合いが濃くなると、大変なことも多いと思いますが、
こういうコミュニティのありように、いくらか憧れてもいます。

今回、男木島で、そんなことを感じてきました(おわり)。


2021/10/29(金)
奄美黒糖焼酎飲もうでぃ!@大谷茶屋


芦屋ロックガーデン・大谷茶屋の進捗を1つ。
コモンカフェに入っていただいている、
「奄美黒糖焼酎飲もうでぃ!」の前田さんに、
11/14(日)以降、日曜日にお店を開けていただくことになりました。
https://www.facebook.com/kokutoshochunomoudei/

六甲山カフェ代表の糸井さんは、
11/13(土)・14(日)・12/4(土)・5(日)にお店を開けています。
僕も両日曜日の午後に顔を出します。店主をしてみたい方、
テレワーク店番に興味がある方、よろしければお越しください。

六甲山カフェ https://www.facebook.com/rokkosancafe


2021/10/28(木)
もしも世界が人口150人の島だったら(4)


海に囲まれ、漁場に恵まれた男木島では、
昔からサワラ、マナカツオ、タイ漁が昔から盛んで、
現在はタコ漁、底引き漁、サザエ・アワビなどの素潜り漁も行われています。
ただ、漁師の高齢化、後継者不足などの問題を抱えていて、
また特に近年、魚が獲れなくなっているそうです。
24時間かけて獲った魚の売上が2万円で、
船の燃料代にその半分か3分の1ほどかかるとなると、
ちょっとやっていけない、という話を聞きました。

一方で平地が少なく、大きなため池を築くことができないため
水田を営むことは困難で、急斜面につくられた段々畑で
豆類や花き、タバコなどを栽培していたそうです。
また島では牛を飼育して「借耕牛(かりこうし)」として
農繁期に高松方面に貸し出していました。
香川県の讃岐平野には水田や畑が多く、
牛馬を飼う余地が十分ではなかったため、に
徳島県や男木島・女木島から牛を借りていて、
その貸し賃として、島に米や麦がもたらされていました。

上の写真は、港の前にある海征食堂。
ここで頂いたタコ天ぷらとサザエめしは最高でした。
お店はまだ4年ほどということだったので
以前の仕事を伺うと「ダイバー」だったと。

下の写真は、とある民家の物置き。
ここではかつて牛を飼っていたのだそうです(つづく)。


2021/10/27(水)
もしも世界が人口150人の島だったら(3)


今回の滞在では、男木島図書館の額賀順子さんと齊藤美紀さんに、
島での生活インフラについて色々とお話を伺いました。

*男木島図書館については、こちらのサイトに詳しいです。
 https://sumika.me/contents/11060

電気は、高松から女木島までは海底ケーブルで、
そこから男木島へは送電線で送られています。
台風などで停電になると、四国電力の方が
夜通しで復旧作業に当たるそうです。
水はかつては井戸で、1976年に簡易水道が設営され、
高松から給水船で運んだ水が供給されるようになり、
1997年には海底送水管が敷設され、
高松から直接水が届くようになりました。
下水道はなく、浄化槽を設置しているか、
収集業者が船などを使って収集しています。
ガスはプロパンで、伊丹産業が高松から運んできます。

日本郵便とヤマト宅配便は、戸別配送をしてくれます。
ネット環境としてはWIMAXが使えますが、
電波が一時悪くなった時にドコモに乗り換えた人が多いそうです。
現在光ケーブルの敷設工事を進めていて、
今年度末にはブロードバンド環境が整うようです。

島にある施設は、JAの出張所、簡易郵便局、
国民健康保険診療所、コミュニティセンター、
デイサービスセンターなどで、郵便配達以外の仕事の多くは
高松からの通いの方々が担っているそうです。

教育環境としては、小学校、中学校、保育所があります。
一時は通う子どもがいなくなり、閉校となっていましたが、
額賀順子さんと旦那さんの福井大和さんが島に移住し、
学校再開の要望書と署名を提出し、再開を実現しました。

また順子さんが私設で男木島図書館をつくり、
そこで移住相談を受け付けたことで、
若い世代の移住が進みました。
現在の島民150人のうち、50人ほどが移住者なのだそうです。

島での生活を支えているインフラは、
誰かが努力して獲得してきたものであり
誰かの手によって維持されているということが、
お話を伺っていると見えてきます。

ついでながら、島にはガソリンスタンドがないので、
冬になる前に、灯油販売員の募集がかかるそうです。
これは決まった人がやっているのではなく、
その時々で手を挙げた人の小さな生業になるようです(つづく)。


2021/10/26(火)
地域資源から始まるローカルプロジェクト


さて、リマインダー告知を。
29日(金)のうめきたTalkin’Aboutでは、
和田岬にある駄菓子屋「淡路屋」の伊藤由紀さんとともに、
兵庫区・長田区で「下町レトロに首っ丈の会」を発足し、「おかんアート」などの地域資源の発掘・発信に取り組んできた
山下さんに話題提供いただきます。

*おかんアートについては、こちらの記事を。
 https://www.sankei.com/article/20210305-24KQNHCT6BMTBN7YQQDVKEVIHM/


うめきたTalkin’About「地域資源から始まるローカルプロジェクト」

2021年10月29日(金)7pm〜9pm
場所:大阪ガス(株) エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室 
話題提供:山下香氏(建築・まちづくり事務所「状況設計室」代表/甲南女子大学文学部准教授/下町レトロに首っ丈の会)参加無料

 近年、ご当地ブーム、町おこし、地域ブランドに代表される地域活性化の試みにおいて、特徴・素材となるものを地域資源として定義し、活用する考え方が広まっています。地域資源には一般的には農林水産物、工芸品やその生産技術、観光資源などが含まれますが、地域をよく調べてみると、一見それとは分かりにくいけれど活用可能な資源と出会えるかも知れません。

 今回のTalkin’Aboutでは、神戸市兵庫区・長田区で「下町レトロに首っ丈の会」を発足し、「おかんアート」(高齢の婦人が日常生活の合間に趣味で創作する手芸作品)などの地域資源の発掘・発信に取り組んできた山下さんに話題提供いただきます。そこから多様な地域資源とその活かし方、育て方について話し合います。

※同イベントは、ZOOM併用で開催いたします。参加を希望される方は、info@talkin-about.com までご連絡ください

*その後のうめきたTalkin'About予定

 11/16(火)「街の構造から地域活性化を考える」鈴木文彦氏(株式会社大和総研)
 11/25(木) 「これからの郊外住宅地と住宅」岡絵理子氏(関西大学環境都市工学部建築学科教授)
 12/9(水)「アメリカの現在 -トランプがつくりだした分断と不信-」服部圭郎氏(龍谷大学政策学部教授) 
 12/23(木)「持続可能なニュータウンをつくる」高松俊氏(株式会社オープン・エー)

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 うめきたTalkin’Aboutは、あるテーマについて興味・関心を持った人たちが集い語り合うサロンです。思いある人たちが自由に集い、情報を交換し、ネットワークを広げ、そこから自然なかたちで新しいアイデアやコラボレーションが生まれていく、そうした場づくりを目指しています。

【会 場】
 大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室
グランフロント大阪北館 タワーC 713
 ●JR大阪駅、地下鉄・阪急梅田駅より徒歩8分
 *北館1FよりタワーC入口に入り、奥にあるAエレベーターで7階にお上がりください。

【お問い合わせ】
 大阪ガス(株)NWカンパニー 都市魅力研究室 担当:山納 Tel 06-6205-2366


2021/10/25(月)
もしも世界が人口150人の島だったら(2)


高松港−女木島―男木島の間には、
雌雄島海運のフェリーが日に6往復しています。
運賃は片道510円で、所要時間は高松港−男木島で40分。
自分で船を持っている漁師さん以外は、
島外への移動はこのフェリーに頼ることになります。

フェリーが男木港に着いた時には、
島外からの観光客とともに、島に働きに来ている人や、
高松から戻ってきた島の人たちも下りてきます。

左の写真の手前側は、船から下りてきた人たち、
奥側(写真の真ん中)はこれから船に乗る人たちですが、
どちらも大きなキャリアーを持っておられます。

右の写真には、軽トラから荷物を下ろしている男性たちと、
台車でその荷物を受け取っている人たちが写っています。
男性たちは雌雄島海運の従業員の方々で、
高松で預かった荷物を分けておられるのです。

男木島では、食料品や日用品を買えるお店は、
JAの出張所が営む売店1軒だけです。
肉や野菜もいくらかは扱っていて、
注文すれば取り寄せてもらえるそうですが、
週に1回、2週に1回、高松まで買い出しに行くという人が、
結構多いようでした。

食料品や日用品を扱う雑貨店は、
人口が何人以上だと成立するのだろう?

一人のおばあさんが、船から下ろされた新聞を受け取り、
自転車のカゴに載せている光景を見かけました。
聞くと、島では、このおばあさんが新聞を配っているのだそうです(つづく)。


2021/10/24(月)
もしも世界が人口150人の島だったら(1)


鹿児島にある口永良部島は、人口が150人で、
漁業、農業、畜産業や民宿経営などの営みがあり、
役場、学校、郵便局、診療所、共同浴場、商店といった
施設を維持するために、一人一人の住民が
いくつもの仕事や役割を果たしながら暮らしている、
という話を、今から8年ほど前に聞いたことがあります。

その後、いつかは口永良部島に行って、
その状況を実際に見てみたいとか思っているのですが、
ここに行くには、鹿児島から屋久島に飛行機か船で行き、
そこから1日1便の船で渡ることになり、
行って、調べて、帰ってくるには最低5日かかります。

それは無理だなぁと半ば諦めていたのですが、
「もっと行きやすい人口150人の島はないだろうか?」
とある日思い立ち調べてみると、香川県高松市にある、
男木島の人口が、ともに約150人だと気づきました。
高松からフェリーで40分のところにある島です。

で、思い立って22日(金)に男木島へ。
高速バスで高松に行き、フェリーで男木港まで。
家を出てから約4時間でした(つづく)。


2021/10/21(木)
みかんの里・有田を訪ねて(2)


地蔵堂から有田川を北に渡りしばらく進むと、
山裾に「早和果樹園」のみかん畑と本社が見えてきます。
本社の横にはショップが併設されていて、
さまざまな加工品が販売されています。

早和果樹園の前身は、1979年に7戸のみかん農家で
立ち上げた『早和共撰組合』です。2000年に有限会社化、
2005年に株式会社化を果たし、現在は自社園地で栽培した
温州みかんとともに、地域の農家のみかんを集荷して、
ネットで販売したり、東京や新潟の市場に出荷したり、
ジュース、ゼリー、ジャムなどの加工品を製造して
従業員全員で各地に販売に出向いたりしておられます。

2014年度には6次産業化優良事例表彰の農林水産大臣賞を受賞されています。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sanki/6jika/6channel/web2019-2.html

有田のみかん産業は、このように、伝統を守りつつ、
若い人たちの取り組みがさらなる発展を遂げているようです。

糸我の農家のおばちゃんからは買えなかったので、
ここでみかんとみかんジュースとみかぽんアイスを買い、
くじを引くとみかんスムージーが当たり、いい思い出になりました。

ということで、2時間半の滞在でしたが、
紀伊宮原を堪能することができました。
興味ありましたら、訪ねてみてください(おわり)。


2021/10/20(水)
みかんの里・有田を訪ねて(1)


先々週末の日曜日に、和歌山県有田市へ。
JRの紀伊宮原駅で降りて、有田川を南へ渡り、
糸我という集落を訪ねてきました。

紀州有田地方は山が多く、水田が少なく、
かつては見るべき産物のない貧窮の地だったそうです。
糸我村で農業を営んでいた伊藤孫右衛門は、
村民の窮状を憂いて、この地に産業を興そうと考え、
畑を開墾し、様々な木を植えてみましたが、
良いものをなかなか見出せませんでした。

そんな時に、肥後の国の八代(現熊本県八代市)に
みかんという木があり、それは山地にあっても生育し、
収益も少なくないと聞き、和歌山の上司に願い出て、
肥後の国に行き、盆栽として栽培するためと偽り、
藩外不出のみかんの木2本を持ち帰りました。
天正2年(1574)のことです。

2本のうち、糸我に持ち帰った木が根付き、
接ぎ木によって増やすことに成功したことで、
有田の地でみかんが産業として発展しました。

そんなストーリーがある、糸我に行ってみたかったのです。

糸我では、平地にはいくらか田んぼがありますが、
山の斜面には一面にみかんの木が植えられています。
すでにみかんの実は色づき、収穫が始まっていました。

作業を終えた農家のおばちゃん達がお喋りをしていたので、
話しかけてみました。極早生の収穫が始まったところで、
11月になると早生、年末には普通のみかんが獲れるそうです。

そこでいただいたのは「日南」で、
今年は雨が多かったので、中途半端な
ぼけた味になっているでしょう、と。
普通に美味しいのでそう言うと、
「ゆら」がうちにあるのでおいで、と。
もちろん伺い、頂いてきました。
甘味も酸味もしっかりしていて美味しかったです。
お土産も頂いたのですが、お代は受け取ってもらえませんでした。

糸我の隣には、地蔵堂という集落があります。
そこには有田にみかんをもたらした伊藤孫右衛門の
末裔の方々が住んでおられます。行ってみると確かに
伊藤姓の家が建ち並んでいる一角がありました。
孫右衛門さん、実在された方だったんですね(つづく)。



2021/10/17(日)
低糖質カフェ「CO−(コー)」


今日のお昼のコモンカフェは、
「低糖質カフェ『CO−(コー)』」の巴大樹さんのデビュー。

もともと現代音楽の即興演奏をしておられ、
一時期は自費出版物(ZINE)のお店を営んでおられ、
ライブでのケータリングもしておられた方です。
縁あって、コモンカフェに入っていただけることになりました。

今日頂いたランチは、チキンキョフテ、半熟卵、
レタスとカイワレのサラダ、オレンジとピンク2種のラぺ、
ミックスビンズとオリーブ、キウィフルーツ、マイタケのガーリック醤油炒め、
豆乳ヨーグルトソース、エジプト塩」(デュカ)、
低糖質ブランパン、ソイミートのあっさりトマトソースでした。

巴さんは、一時期は体重が106kgあったそうですが、
健康のために低糖質の食事をするようになり、
33kgもの減量に成功されたのだそうです。
そんなメニューを、よろしければ、お楽しみください。

そういえば、2年前にアトランタに行った時に会った、
LOCAL GREEN ATLANTAのオーナー・ザックから
ほとんど同じような話を聞いていました。
ご参考までに、再掲しておきます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 
LOCAL GREEN ATLANTAのオーナー・ザックは、
有名なヒップホップのソングライターで、
もともと体重が300ポンド(136kg)の巨漢でしたが、
健康的な食事を見直すうちに、黒人の近隣地区で
食ビジネスを立ち上げることにしたのだそうです。
彼と一緒に仕事をしている有名アーティストが訪れることで
人気のお店になっています。
https://www.11alive.com/article/news/local/outreach/atl-culture/hip-hop-veteran-opens-healthy-restaurant-in-atlantas-westside/85-84897c25-9b14-4ef6-b6b5-451174d491e4


2021/10/16(土)
奄美黒糖焼酎飲もうでぃ!


今日のコモンカフェは、前田秀樹店主による
「奄美黒糖焼酎飲もうでぃ!」でした。
https://www.facebook.com/kokutoshochunomoudei/

大阪府のゴールドステッカーをコモンカフェで取得し、
10月に入って緊急事態宣言が解除されたことで、
晴れて営業を再開されています。

写真は奄美黒糖焼酎3種飲み比べセット(1000円)と、
奄美の郷土料理の豚みそ(300円)。

前田さんは、奄美大島の「酒屋まえかわ」と組んで、
「奄美しまさけ ふぁん倶楽部」を立ち上げました。
会員の方には、月に1本、選んだ銘柄をお届けし、
その月の銘柄の蔵元とお客様のオンライン交流会を開催されるそうです。
http://www.sakayamaekawa.com/amamishimasakefunclub.html

コモンカフェでの次回営業は、10/22(金)18時〜21時(22:30 L.O.)です。
興味ありましたら、覗いてみてください。


2021/10/15(金)
街の構造から地域活性化を考える


さて、次々回のうめきたTalkin'About告知を。
11/16(火)には、広報誌「ファイナンス」で、
「路線価でひもとく街の歴史」を連載されている
大和総研の鈴木文彦さんに、オンラインで話題提供いただきます。

*「路線価でひもとく街の歴史」第16回「さいたま市大宮区」
https://www.dir.co.jp/.../koo3m9000000a4vp-att/21061801.pdf

“舟運と街道の時代、鉄道の時代、バイパス、
 高速道路の時代に新たにできた中心地が、
 場所をずらしつつ同じ都市圏にある”ことに
 歴史の重層性を感じ、まちを愉しむという視点に共感します。
 いろいろ勉強させていただこうかと。


うめきたTalkin’About「街の構造から地域活性化を考える」

2021年11月16日(火)7pm〜9pm
場所:大阪ガス(株) エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室 
話題提供:鈴木 文彦氏(株式会社大和総研)
参加無料

 街の中心は、それぞれの時代に支配的な交通手段とともに移動します。江戸時代までの中心は、だいたいは舟運の拠点である河岸に通じる街道にあります。明治期になり鉄道が開通した時には、街はずれに駅が造られましたが、蒸気機関車から電車になり、都市が拡大するにしたがって、街の中心は次第に駅に向かって動いていきました。1970年代に車社会化が始まると、今度は車社会に適応した中心市街地が旧市街の外側に新たにできました。

 興味深いのは、舟運と街道の時代、鉄道の時代、バイパス、高速道路の時代に新たにできた中心地が、場所をずらしつつ同じ都市圏にあることです。城下町の江戸時代、近代化遺産の明治大正、百貨店やアーケード商店街が全盛を極めた昭和、そして平成のロードサイドとそれぞれ違う時代が同じ街に同居し、元来の中心から外に向かって各時代の町なみが地層状に積み重なっています。このような歴史の重層性を感じることは、街歩きの楽しみでもあります。

 今回のTalkin’Aboutでは、現在財務省広報誌『ファイナンス』で「路線価でひもとく街の歴史」を連載中の鈴木文彦さんに話題提供いただきます。地域経済・地域金融の専門家である鈴木さんは、全国各地を自らの足で巡り、街の構造を発展史的に把握し、将来の街づくりを考察され、地域政策への提言を行われています。今回は鈴木さんのお話をもとに、地域活性化を考えるためのまちの見方について話し合います。

※同イベントは、ZOOM併用で開催いたします。参加を希望される方は、info@talkin-about.com までご連絡ください

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

 うめきたTalkin’Aboutは、あるテーマについて興味・関心を持った人たちが集い語り合うサロンです。思いある人たちが自由に集い、情報を交換し、ネットワークを広げ、そこから自然なかたちで新しいアイデアやコラボレーションが生まれていく、そうした場づくりを目指しています。


【会 場】
 大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室
グランフロント大阪北館 タワーC 713
 ●JR大阪駅、地下鉄・阪急梅田駅より徒歩8分
 *北館1FよりタワーC入口に入り、奥にあるAエレベーターで7階にお上がりください。

【お問い合わせ】
 大阪ガス(株)NWカンパニー 都市魅力研究室 担当:山納 Tel 06-6205-2366

*画像は鈴木さんが作成され、「路線価でひもとく街の歴史」第16回に掲載された
さいたま市大宮区の市街図です


2021/10/14(木)
林業の全体像を、もっと幅広くとらえてみる


昨日のうめきたTalkin'About「林業からまちづくりを考える」には、
会場とオンラインで合計24名の方にご参加いただきました。

古川さんは、環境について学んでいた大学時代に、
国土庁(現国交省)の「地域づくりインターン」で、
奈良県の川上村に行き、終了後も何度も川上村に足を運び、
大学の博士課程の時には全国の山村地域を廻り、
その後コンサルティング会社等を経て、
現在は林業コンサルタントとして、新大阪に拠点を置きつつ、
全国の山村地域を巡る日々を送っておられます。

(株)古川ちいきの総合研究所 https://chiikino.jp/

古川さんは、植林⇒育林⇒伐採のサイクルを繰り返す
“狭義の林業”から視野をマーケットに広げて、
素材⇒部材⇒消費財⇒空間⇒ライフスタイル、
そして再生エネルギー利用までの展開を見据えた
“広義の林業”としてのビジョン作りを提案されています。

また、著書『森ではたらく 27人の27の仕事』では、
林業という枠を越え、山に関わる仕事をしておられる
さまざまな立場の人たちを紹介しておられます。

これまで何百年と続いてきた生業を守り続けている人たちと
山村に飛び込み、これまでなかった新たな生業を創り出している若い人たち。
彼らの現在形を伝えることは、山村地域の将来像を
より多面的に描いくことにつながるだろう。

古川さんからは、そんなメッセージをいただきました。

今回は、岩手、秋田、山梨、そして六甲山で、
林業や山村での仕事に関わっておられる方々にも
ご参加いただき、普段得られないいろんな視点をいただきました。
また建築設計の仕事をしていて、木材について
どこで誰に話を聞けばいいか分からない、
という方が、何人もおられました。

林業や山村の話って、林業関係者と自治体の担当者、
一部の建築関係者、以外にはあまり知られていない、
ということを、改めて感じました。

都市の中にそうした情報や人脈に触れることのできる
サロンのような場所があればいいですね。


2021/10/13(水)
地形/物語散歩のすすめ


11/12(金)夜には、京都・学芸出版社で
「大阪高低差学会」代表、ブログ「十三のいま昔を歩こう」管理人の
新之介さんにお話をうかがいます。

がくげいラボ×Talkin’ About  vol.6
山納洋×新之介 『地形/物語散歩のすすめ』
11/12(金)19:00〜 @タイルギャラリー京都(学芸出版社3階)/オンライン(zoom)
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-lab/talkin-about-vol-6-211112/

新之介さんはこの11月に『地形散歩のすすめ 凹凸からまちを読みとく方法』という本を
学芸出版社から出されます。
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761527969/

この本では「まちなか」「山地」「河川」「海岸」「火山」「地形と人の暮らし」の
6つのカテゴリーで、地形散歩に役立つ知識がまとめられています。
インパクトのある写真がふんだんに使われていて、
とても読みやすく、理解しやすいつくりになっています。

新之介さんは自然と人間の織り成すドラマを読み解く“地形派”ですが、
僕はむしろ、 地域の人々の織り成すドラマに萌える“物語派”なので、
当日はお互いの視点を楽しみたいと思っています。


そして8月開催のvol.4 山納洋×内田奈央美『日本型ジェントリフィケーションを考える』
の動画が、こちらで公開されています。
 https://book.gakugei-pub.co.jp/movie/gakugei-lab-talkin-about-vol-4/

視聴には会員登録が必要となりますが、無料です。
興味ありましたらご覧ください。


2021/10/11(月)
神戸アジアン食堂バル SALA


greenz.jpと大阪ガスが運営するWEBマガジン
「マイプロSHOWCASE関西編」に、新たな記事がアップされました。

お互いを認め合うなら、好き嫌いがあってもいい。アジア人女性がシェフとして働く多国籍食堂「SALA」で高まり続けるエンパワーメントとは。
https://greenz.jp/2021/09/29/sala/


神戸アジアン食堂バル SALAは、元町の中華街にある、
アジア人のシェフが日替わりで料理を出すお店です。
“日替わり店主のお店”、はい、僕がとても気になるゾーンです。

店主の黒田尚子さんは、アジア出身のお母さんたちに、
母国料理をつくってもらうイベントを
学生時代に企画しました。その後いったん就職するも、
彼女たちが“自分の強みをいかして働ける”雇用の場を、
飲食事業を中心につくることを目指して
2016年に「SALA」を始めています。

そんな黒田さんの歩みを、ライターの狩野哲也さんが
しっかりとまとめてくださっています。ぜひご覧ください!


2021/10/10(日)
西宮のクラシック/ジャズシーン


木曜の夜に、コモンカフェにもよく出演いただいている
ジャズシンガーの溝口恵美子さんと、
西宮北口のピアノバー「おでんでん」へ。

「おでんでん」のマスター・泉高弘さんは、
1994年11月に、高校の音楽教師の職を辞して、
西宮北口で「トップウィン」というバーを開きました。
ですが2ヶ月後に阪神・淡路大震災に遭い、
その後アクタ西宮の再開発にかかったことで、
現在の建物に移り、1階で居酒屋、
2階でピアノバーを営んでいます。
https://seitar0.exblog.jp/239988826/

泉さんは、今年公開され、海外の映画祭の賞を
数多く受賞した映画『にしきたショパン』に
達磨先生役で出ておられます。
https://motion-gallery.net/projects/nishichopin/updates/25832

溝口さんは、もう20年ほど西宮に住んでおられます。
西宮をジャズで盛り上げたいとお考えで、
JR西宮駅前にあるフレンテホールの協力を得て、
スタジオでプレライブを重ねて来られました。
そして10/24(日)に、その集大成としてフレンテホールで
6つのバンドが登場する「JAZZ ART f」を開催されます。
https://frentehall.jp/%E3%82%A4%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%88/20211024apn/

10/24(日)のイベントには、僕も行きます。
これだけのバンドが出て3000円は破格の安さですので、
少しでも興味あるという方は、お見逃しなきように!


2021/10/09(土)
大谷茶屋の店主・店番募集


先に金曜昼のコモンカフェ店主の募集をお伝えしましたが、
その後新店主が決まりました。デビューは12月になります。
告知にご協力いただいたみなさま、ありがとうございました!

さて、写真は先週の六甲山カフェの様子です。
現在、第一土日に糸井さんがお店を開けていますが、
この日にお越しいただいた女性に、メンバーとして、
大谷茶屋でのカフェ運営に関わっていただくことになりました。
まずは11月6日、7日に見習いで入っていただきます。

大谷茶屋の方は、現在引き継ぎ作業を進めています。
Wi-Fi環境を整えたら、母屋側でリモートワークをしながら、
店番をしていただける方を募集しようと思っています。
また洞窟スペースで、喫茶店・カフェを運営いただける方も
現在募集しておりますので、興味ありましたらお声かけ下さい!

六甲山カフェ https://www.facebook.com/rokkosancafe


2021/10/08(金)
喫茶みどり勉強会


今日は昼から京都・深草にある龍谷大学へ。
政策学部の服部圭郎先生のゼミにお邪魔して、
学生さんたちと色々と喋ってきました。

帰りに、龍谷大前深草駅そばの「喫茶みどり」へ。
古くからの喫茶店のたたずまいを残した素敵なお店です。

表のテントの「会議室 みどり」がどういう意味かを、
店主のおばあさんに聞いてみました。
もともとは「会議室あります 喫茶みどり」としていたのを
テントが大きすぎると京都市役所の人に注意を受けて、
文字を一部消したらこうなったのだそうです。

「で、その会議室は?」と訊ねると、
喫茶店の奥にある会議室を見せて下さいました。

喫茶みどりの開店は、昭和35年(1960)。
龍谷大学の深草キャンパスができて半年後のことで、
この場所でもう60年以上続いています。

奥に会議室を作ったのは、40年ほど前だそうです。
龍谷大学の先生や学生が、大学の外で学べる場を望み、
先代の店主が作ったのでは、と察します。

調べてみると「喫茶みどり勉強会」という組織がありました。
学生と教員の有志が、この会議室を拠点に続けてきた交流勉強会で、
今も続いているとすると、もう40年になります。
https://sites.google.com/site/mido35ri/

こちらの先生のサイトにも、みどり勉強会について詳しいです。
松本健太郎さんの『大学生のためのドラッカー』という本は、
この勉強会から生まれたのだそうです。
http://www.soc.ryukoku.ac.jp/~wakita/?x=entry:entry140129-010433

この辺りは戦前には陸軍の施設があったところで、
戦後にその跡地に龍谷大学や警察学校ができました。
学校がある場所には人は住んでおらず、
大学は年のうち半分しか学生が来ないので、
この通りは、商売としては難しいところだったと
店主は話しておられました。

そんな場所で、60年以上、大学とともにあったのが、
この「喫茶みどり」なのでした。
龍大の学内にはきれいな教室が一杯あり、
1階にはスターバックスまでありましたが、
学外に獲得した学びの場所の伝統は、ぜひ守り続けてほしいなと。


2021/10/08(金)
林業からまちづくりを考える


さて、リマインダー告知を。
10/13(水)には、古川ちいきの総合研究所代表の古川大輔さんに、
日本の林業について話題提供いただきます。

*古川さんは、2013年にstudio:Lの山崎亮さんと、こんな本を出されています。

『森ではたらく! 27人の27の仕事』古川大輔・山崎亮 編著
https://book.gakugei-pub.co.jp/gakugei-book/9784761513399/

うめきたTalkin’About「林業からまちづくりを考える」

2021年10月13日(水)7pm〜9pm
場所:大阪ガス(株) エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室 
話題提供:古川大輔氏(古川ちいきの総合研究所代表・『森ではたらく! 27人の27の仕事』著者)
参加無料

 日本の国土の3分の2が森林であることは、よく知られています。ですが山林について詳しいイメージを持つ人は、多くはないのではないでしょうか。日本の山村地域には、戦後の拡大造林地だけでなく、室町時代から人が手を入れてきた老舗の優良産地、ブナなどの広葉樹が美しく広がる天然林、製紙会社へのチップ利用をメインに約30年の皆伐と更新を繰り広げる広葉樹の森、木材流通と品質改善の結果として流通ブランドを築いたヒノキのある地域、農山村の里山の美観を生み出してきた雑木林の森、源流や水源を守ってきた地域の森、床柱の生産などに向けた工芸的な林業地域としての森林など、さまざまな形があります。

 また、林業における仕事の形も多岐にわたっています。森林管理や木材生産といった“狭義の林業”だけでなく、観光・健康・福祉・農業・飲食などの事業と掛け合わせ、自由自在になりわいを生み出している人たちが、山村地域には数多く存在しています。

 今回のTalkin’Aboutでは、学生時代に地域づくりインターン事業で奈良県・川上村で林業の仕事に携わったことを機に、全国の山村で林業を体験し、現在は森林再生・地域再生コンサルタントをされている古川さんに話題提供いただき、そこから「林業を起点としたまちづくりの可能性」について話し合います。

※同イベントは、ZOOM併用で開催いたします。参加を希望される方は、info@talkin-about.com までご連絡ください

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

うめきたTalkin’Aboutは、あるテーマについて興味・関心を持った人たちが集い語り合うサロンです。思いある人たちが自由に集い、情報を交換し、ネットワークを広げ、そこから自然なかたちで新しいアイデアやコラボレーションが生まれていく、そうした場づくりを目指しています。


【会 場】
 大阪ガス(株)エネルギー・文化研究所 都市魅力研究室
グランフロント大阪北館 タワーC 713
 ●JR大阪駅、地下鉄・阪急梅田駅より徒歩8分
 *北館1FよりタワーC入口に入り、奥にあるAエレベーターで7階にお上がりください。

【お問い合わせ】
 大阪ガス(株)NWカンパニー 都市魅力研究室 担当:山納 Tel 06-6205-2366


2021/10/05(火)
水無瀬を巡って(4)


今年実施された「街の住みここち&住みたい街ランキング」で、
島本町は「住み続けたい街」関西1位になっています。
偏差値は82.3と、飛びぬけています。
https://www.eheya.net/sumicoco/ranking/kansai/continue_area.html

そういえば、今回の水無瀬でのWalkin'Aboutでは、
まちについての素敵な感想をいくつも伺いました。

「山が近くにあって、きれいな水が流れている。
 地下水が水道水として使われている。
 そういうことが、普段の生活に響き合っている」

「淀川に出ると、山裾の高台に登ると、対岸に男山が見える」

「まちのなかに、隙間の場所がいっぱいある」

「頑張って話さなくても、立ち止まると会話が始まる。
 “うち”と“そと”の境界がないまち。
 住んではいないが、ホーム感がある」

住んでいる人たちが、住み続けたいと思うまち。
住んでいなくても、そこがホームだと思えるまち。

今回は、そんな感覚を共有させていただきました。
ちなみにその後は「再会」という名前のスナックで
旧交を温めたり、新たな出会いを楽しんだりしました。
緊急事態宣言が明けていて、本当に良かったです。

水無瀬は、島本は、とてもいいまちです。
だまされたと思って、一度行ってみてください(おわり)。


2021/10/04(月)
Walkin’About @龍野


さて、ここで次回のWalkin’Aboutの告知を。
次回は小旅行気分で、たつの市まで行きます。

自分が行きたい場所を訪ねるまちあるき「Walkin’About @龍野」

 開催日:2021年11月13日(土)
 集合時間・場所 10:45 @JR本竜野駅改札
 (10:22 JR姫路駅発の姫新線各停にご乗車ください)
 再集合時間・場所 13:30 @たつの市立中央公民館 2階研修室  参加無料

 龍野の地は揖保川沿いに出雲街道が通る交通の要衝で、中世には赤松氏の本拠地である城山城がありました。戦国時代の織田信長による征圧等を経て、江戸時代初期に姫路藩池田氏の領地となりました。池田利隆の死に伴い、この地に本多政朝が入封、龍野藩が立藩して城下町が形成されました。以後、諸氏の支配や天領を経て、最終的には1672年にはじまる脇坂家10代200年の治世の後維新を迎えました。

 現在の旧龍野市街地には近世城下町の町割りが現存しています。武家屋敷や町屋が多く残る、脇坂藩5万3千石の城下町地区は、歴史的町並みを形成し「播磨の小京都」として親しまれています。
 明治維新における廃藩置県の際には龍野県となり、後に姫路県(のち飾磨県と改称)に併合されました。1876年8月に飾磨県が兵庫県に編入されて以降は、兵庫県に属しています。市内には複数の工業団地が立地している他、地場産業として古くから醤油、素麺、皮革の生産が盛んであり、いずれも全国的な知名度があります。
 風土が生み出した手延素麺や醤油醸造、皮革産業、かばん産業といった地場産業が根づく一方で、ハイテク産業や電機産業も発展を続けています。特色ある農業も盛んで花きや紫黒米、軟弱野菜、トマト、大根などが栽培されています。

 今回はこの街を、みなさんの視点で切り取っていただきます。

✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪✪

 “Walkin’About”は、参加者の方々に思い思いのコースをたどっていただく“まちあるき”です。
参加者の方々は、集合場所でエリアについての説明を受けたあと解散。約90分後に再び集合いただき、それぞれの見聞や体験をシェアします。

【主催・お問い合わせ】大阪ガス(株)NWカンパニー 都市魅力研究室 担当:山納  Tel 06-6205-2366  
 http://www.toshimiryoku.jp
【協力】龍野歴史文化資料館、龍野地区まちづくり協議会、龍野文化伝承会、龍野商工会議所 


2021/10/04(月)
水無瀬を巡って(3)


阪急水無瀬駅が開業したのは、昭和14年(1939)。
当初この駅は「桜井ノ駅駅」と、
かつての駅家跡で、楠木正成・正行親子が決別した
桜井の別れの舞台でもあった桜井ノ駅の名を冠していて、
戦前から戦中にかけては楠木正成を信奉し
駅跡を参拝する客で賑わったそうです。

JR島本駅が開業したのは、平成20年(2008)。
山崎駅と高槻駅との間は7.5kmもあり、
新駅構想はずいぶん前からあったようですが、
財政や用地獲得の問題から、このタイミングで実現しました。
桜井の駅跡は島本駅のすぐ前に史跡公園として残され、
駅跡の記念館として建てられた建物は現在、
島本町立歴史文化資料館となっています。

この島本駅の西側で現在、土地区画整理事業が進められています。
ここは以前は市街化調整区域で、大部分は田畑でしたが、
農家の高齢化・担い手不足や、相続による土地の細分化、
道路や公園、下水道などの整備の必要性などから、
土地を整形化し、公共施設を整備改善し、
駅前にある土地の有効活用を図ろうとするものです。

この事業のための埋蔵文化財発掘調査により、
先に紹介した、鎌倉初期の庭園跡が見つかり、
水無瀬離宮を活用した地域づくりが、現在提案されています。

事業の土地利用計画図を見ると、駅のすぐ西側は、
駅前業務用地、その南は集合住宅用地となっていて、
高さ50mまでの建物が建てられるようになっています。

ここで、開発と保存をともに満たすためのデザインは、
どういう形で可能なのだろうか?

そんな難問を、島本のまちは抱えているようです。

右の写真は、事業地のすぐ北側の風景です(つづく)。


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