2004/04/16(金)
|
Talkin’About Rewind
|
3年ほど前にフリーペーパー「The BAG MAGAZINE」に こんな文章を載せていただいたことがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今、おしゃれなカフェが流行ってますよね。船場・堀江あたりが注目されて、雑誌でもカフェ特集が組まれて。でも、お気に入りのカフェに一人で行って、マスターとしゃべるでもなく、買ってきたレコードのライナーノーツを読み、読書して、コーヒーの味を楽しみ、お店の雰囲気を楽しんで帰る・・・今流行っているカフェって、ある意味「ほっといて欲しい」人たちのディスコミュニケーション空間として機能していますよね。僕はそれだけでは満足できない人なので、サロン空間を作ろうと思ったわけです。
60年代のヒッピー・フーテンがたむろした「風月堂」「六曜社」、映画・演劇関係者の論争の場であった「新宿ゴールデン街」…そんな「出会い」の強度をはらんだ、そこから確かに何かが生まれてくる「場」、というものがかつてはあったわけですが、今の時代にそんな場所を再現することができるのか?「扇町Talkin’About」はそういう実験なんです。
今、演劇にしても映画にしても、それぞれのジャンルの中にしか参照する世界を持たず、表現や批評の幅を狭めてしまっている感じがしています。それは長い目で見て、表現にとって良くないことです。あらゆる文化価値が並立し、社会全体をひとつにまとめあげる意味づけのネットワークが働かないポストモダンな状況において、ジャンルを横断してく試みには困難を伴いますが、カフェやバーといったセミパブリック空間を媒介にして、いったん「出会い」の敷居をなくしてみる、という形をとれば、可能性はあるんじゃないかと思っています。
僕自身過去に入り浸った「サロン」と呼べる場所があり、そこに行ってなければおそらく今の仕事をしていないんですが、「出会う」ということはそういうことなんだろうと思います。さまざまなジャンルに関心を持つ人、また関心はなくとも偶然にこの場所に足を運んだ人がそこで出会い、刺激を受け、自らの視野を広げ、そこから新しいものを生み出す、ことによってはその人の人生を変えてしまう、そんなジャンルを越えた交流の「場」として機能させていきたいと考えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これまでいろんなお店の軒先をお借りして 4年間に600回ほどTalkin’Aboutを開催してきましたが common cafeという新たに立ち上がったサロン空間で ずっと試してきたことをもう一度仕切り直していきたい そんなことを考えてます。
|
|
|
|